介護施設や事業所の経営スキル、これを証明する資格に「介護福祉経営士」があります。
施設の運営管理者、またはそれを目指しステップアップを目指す方向けの資格です。
介護事業所のマネジメントを学べる貴重な内容ですね。
当記事では、介護福祉経営士について情報をまとめました。
テキストや対策講座の勉強方法まで、詳しく解説します。
介護福祉経営士とは
介護福祉経営士とは、介護施設や事業所の「経営管理(マネジメント)」に関する資格です。
日本介護経営福祉人材教育協会が認定する、民間資格ですね。
もちろん、履歴書に書く事もできます。
介護福祉経営士には、2級と1級があります。
1級は「介護福祉経営士2級」が受験資格として必要です。
「介護事業所経営の基礎と実践力」を学ぶ資格
介護福祉経営士では、介護福祉分野の経営を専門的に学びます。
具体的には、下記の様な内容ですね。
介護福祉経営を中心に学ぶ
- 法制度、財務会計
- リスクマネジメント
- コンプライアンス
- 人材育成
これらの知識を養い、人材管理や財務、制度対応などの職務を担えるようになる事が目標です。
介護福祉経営士2級では、経営の基礎知識。
1級では実践力の取得を目標としています。
介護福祉経営士の取得メリットと将来性
公式では、介護福祉経営士を利用したキャリア像を、下記の様に述べています。
介護福祉経営士のキャリア像
- 介護スタッフがマネジメントを学び、施設長等の上位職や独立を目指す
- 介護施設等の経営者が、事業の拡大や多角化を図るための経営ノウハウを養う
- 高齢者向けビジネスへ参入する企業が、マネジメントやサービスの提供知識を養う
資格取得メリット、福祉経営を学んだ先の将来性は、ここに集約されています。
既に経営に携わってる方だけでなく、介護職のキャリアアップにも有効です。
リーダー職や課長等の役職、施設職員や介護職としての総合的なキャリアですね。
貴重な「介護経営資格」
介護福祉の経営に特化した資格は、他にほぼありません。
独自性が強く、マネジメント力を示す貴重な要素として、活用機会を得られるでしょう。
介護業界における人材需要は高く、マネジメントに強い人材なら尚更です。
資格価値はともかく、介護・福祉の経営知識を学ぶメリットは確実にあります。
施設長などの管理職の必須資格ではありませんが、貴重な学習になるでしょう。
介護業界も年収トップは管理職クラスですし、将来性もあると言えますね。
介護福祉経営士の試験情報
続いて、介護福祉経営士の試験情報をお伝えします。
「受験方法」や「試験概要(日程や問題)」をまとめました。
受験方法(会場や日程について)
介護福祉経営士は、J-Testingというサービスを使った「CBT方式」の試験です。
これは、パソコンを使った選択式の試験です。
全国各地の会場で、好きな時に予約して受験が可能です。
試験を受けるには「J-Testing」のサイト上から申し込みをします。
※参考リンク:【J-Testing】
J-Testingを使った受験申込方法
- 会員登録をする(要メールアドレス)
- 「試験一覧」から、試験や会場を選んで予約
- 受験料を支払う
・【2級は9,000 円(税込)、1級は10,400 円(税込)】
・クレジットやコンビニ支払いに対応 - 会場にて受験
会場は47都道府県に用意され、試験日程は毎日のように用意されてます。
実際に確認してみましたが、確かに毎日試験が受けられますね。
お住いの地域によっては、少し会場が遠くなる可能性もあります。
試験内容と出題内容
試験についての概要はこちら。
介護福祉経営士の試験概要
受験資格 | 2級は受験資格なし 1級は「2級」(正会員)であること |
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試験方法 | CBT方式 (パソコン操作による選択式) |
問題数 | ・介護福祉経営士1級:50問 ・介護福祉経営士2級:40問 |
試験時間 | ・介護福祉経営士1級:80分 ・介護福祉経営士2級:60分 |
合格基準 | 得点率60%以上 |
介護福祉経営士の出題内容
試験の出題内容は下記。
※学習テキストについては後述
介護福祉経営士2級の出題範囲(40問出題)
介護福祉経営学基礎Ⅰ | 介護福祉経営学基礎Ⅱ |
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介護福祉経営士1級の出題範囲(50問出題)
介護福祉経営学実践Ⅰ | 介護福祉経営学実践Ⅱ | 総合問題 |
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介護福祉経営士の勉強方法
介護福祉経営士の試験勉強方法は、「テキストによる独学」と「試験対策講座」です。
どちらも公式で用意されてるので、内容をご紹介します。
介護福祉経営士の学習テキスト
公式の推薦テキストは「介護福祉経営士テキストシリーズ」。
介護福祉経営士の推薦テキスト
- 2級『介護福祉経営士テキスト 基礎編(全10巻)』
- 1級『介護福祉経営士テキスト 実践編(全11巻)』
2級が基礎編、1級が実践編です。
お気づきと思いますが、テキスト数がかなり多いです。
1級2級合せて、全21巻です。
その為、出版元の日本医療企画のショップではセット販売に対応してます。
※基礎編10冊で約24,000円、全編21冊で約50,000円
一応、下記の様にAmazon等でも取り扱いはあります。
過去問はあるの?
調べてみましたが、問題集や過去問は出版されてないみたいですね。
ただ前述のセット販売を利用すると、2級の合格サポートブックが貰えます。
これには、「予想問題」「第1回の出題問題の一部」が掲載されてます。
出版元である日本医療企画のHPでも、「力試し問題」が掲載されてます。
試験の対策講座
介護福祉経営士は、公式の試験対策講座も存在します。
対象は2級のみ、「Web講座」と「会場講座」の2種類です。
参加費用は、どちらも15,000円。
講座は1日通しでのスケジュールになってます。
Web講座は、ZoomというWeb会議ツールを使用します。
場所を選ばず参加できますが、カメラやマイク等、使用に必要なツールもあります。
会場での試験対策講座は、調べた限りは「東京」が主な会場となる様です。
試験難易度と合格率
CBT導入前の2017年のプレスリリースでは、合格率は下記の様になってます。
介護福祉経営士の合格率
※2017年当時
- 2級 合格率 62.0%
- 1級 合格率 66.7%
参考:「日本介護福祉経営人材教育協会(プレスリリース)」より
当時のデータでは、2級の合格者は第14回で累計1,354人。
1級の合格者は、第4回で累計230人でした。
難易度は、「勉強無しに合格は難しい、努力すれば合格は狙える範囲」という感じですね。
ただ「医療経営士」の保有者など、経営知識があると思われる人も受験してます。
それも考慮すると、数字よりも少し難しいという見方も出来ますね。
テキストも多いので、勉強時間の必要量も多くなります。
男性の30~40歳代が多い感じですね。
介護福祉経営士の資格更新と合格後の手続き
介護福祉経営士は、ちょっと更新制に近い仕組みを持った資格でもあります。
その辺も含め、「合格後の手続き」について補足します。
資格の更新はあるの?
試験合格後に「介護福祉経営士2級・1級」の名称を使用するには、「日本介護福祉経営人材教育協会」に入会する必要があります。
しかしこれは任意で、強制ではありません。
入会しない場合、「介護福祉経営士2級(1級)資格認定試験合格者」の名称使用を推奨してます。
ただし1級の受験には、2級に合格した正会員である事が条件となります。
※更新手数料は11,000円
「資格認定(正会員)」を受けた時の費用と特典
資格認定を受け正会員となる場合、下記の費用が発生します。
介護福祉経営士の認定費用
※個人の場合
- 入会金5,250円
- 年会費10,500円
下記はその主な特典です。
正会員の特典例
- 会員証の発行
- 本会主催の情報交換会等への招待、セミナーの参加費割引
- 支部研究会の参加のご案内
- 情報誌『介護福祉経営士ニュース』の購読
日本介護福祉経営人材教育協会では、勉強会やセミナーも主催してます。
資格合格をゴールとせず、その後もスキルアップや情報交換に励みたい人向けの内容ですね。
資格取得のみで満足なら、入会せず「合格者」の名称を使用すればOKです。
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