介護においてオムツの交換回数には、明確な正解はありません。
人による尿量の違いもあり、交換間隔含め、プロの現場でも意見が分かれる内容です。
ただ在宅介護では、介護力の限界もあり、現実的に可能な交換回数もあります。
漏れや身体のケアも考えると、交換すべきペースもある程度は決まってくるでしょう。
オムツ交換を楽にする工夫も紹介しますので、良ければご参考下さい。
在宅介護での「オムツ交換回数と時間間隔」
冒頭の通り、オムツ交換回数に正解はありません。
しかし、「オムツを確認すべきタイミング」も少なからず存在します。
そして在宅介護を経験して思ったのは、介護者となる家族に出来る事も限界はあります。
その際の情報も紹介しますので、参考にしてみて下さい。
オムツ交換は「1日4回~」「4~5時間おき」を目安に
自宅での介護においては、1日4回程度が現実的に可能な範囲でしょう。
私が家族介護をしている時は、下記を「定時のオムツ交換時間」としてました。
- 「寝る前」と「朝起きた時」
- 「お昼前後」
- 「夕方前後」
まず夜間に備え「寝る前」と「起きた時」は必須。
日中は間隔が開きすぎないよう設定し、お昼や夕方前後に行ってました。
漏れや身体面も考え、時間間隔は大体4~5時間おきとするのが良いですね。
結果的に1日最低4回、多くて6回ぐらいとなってました。
もしいつ交換すべきか分からないなら、上記を参考に4回を目安に始めてみてはどうでしょう。
介護施設での交換回数は?
参考までに、「介護施設でのオムツ交換回数」にも触れておきます。
標準的で言うと、1日6回程度で定時交換してる施設が多いです。
色々と経験しましたが、日中は食事前後を中心に2~3時間おき。
夜間は2~3回という施設が多い印象です。
これより多い事も、少ない事も当然あります。
「排尿ペース・量」「介護力」も考慮して決める
いつオムツ交換すべきか、またその回数には明確な正解がありません。
オムツ交換を必要とする時間・回数は、下記要素で増減します。
- 排尿ペースや尿量
- ご家族の介護力、要介護者の気持ち
- 身体状況
排尿ペースや尿量は、その人により異なります。
また交換回数は多ければ良いワケではありません。
多すぎる交換は、介助者だけでなく要介護者の負担にもなります。
家族の介護力で「交換回数」「使用パッド」を決める
実際のところ、家族介護では特に介護者負担も重要視する必要があります。
現実的な範囲でいうと、冒頭で述べた「1日4回程度」が目安です。
あとは希望時や排便時などに行うのが無難な選択かと。
加え、便臭や漏れに気付いた時などにも交換を行って下さい。
オムツ交換は毎日の事なので、交換が難しい時もあります。
在宅でのオムツ交換は可能な範囲で行い、無理な部分は介護用品で工夫して下さい。
例えば「吸水量の多いパッド」を使えば、多少交換間隔が空いても漏れません。
オムツ交換が難しい夜間でも、夜間用のパッドを使用すれば朝まで持ちます。
ご家族が対応する場合は負担になるので、夜間の交換は無理に行わなくて大丈夫です。
そうした工夫は、次項で詳しく説明します。
オムツ交換の負担を楽にする工夫
ここからは、オムツ交換の負担を減らす工夫を紹介します。
- 漏れを減らす「オムツ・パッド選び」
- オムツ交換を楽にする工夫
- 排泄介助に使える介護用品
こうした情報を紹介します。
オムツ交換は毎日行う事ですので、少しでも効率的になるよう意識しましょう。
漏れを防ぐ「オムツカバー・尿取りパッドの選び方」
「尿量が多いが、交換回数を増やすことが難しい」、「夜間の漏れが心配」。
そんな時は、使用する尿取りパッドを大きい物にする事で対応できます。
夜間であれば1,000cc以上のパッドを使用すれば、ある程度は対応可能です。
ただ吸水量の多いパッドは、その分価格も高くなります。
まずは下記を参考に、昼夜で使い分ける事から始めてみましょう。
「オムツカバー・リハパン」はジャストサイズを選ぶ
またオムツカバーやリハビリパンツにも、適切なサイズがあります。
安心に見える大きいオムツカバーは、横幅だけでなく縦幅も広くなります。
パッドと違い、大きすぎる商品は隙間ができ漏れに繋がるので注意して下さい。
⇒「介護用オムツカバーの使い方」と「漏れない為のサイズ選び」
漏れを防ぐには、ジャストサイズを選ぶ事を意識しましょう。
サイズ違いによる尿漏れも多いので、よくチェックしましょう。
オムツ・排泄用品は「使いやすく整理」
オムツ交換では、意外と色々な物を使用します。
下記の様なオムツ類や排泄用品は、使いやすいよう整理しておきましょう。
- オムツやリハパン、パッド類
- お尻ふき、使い捨てグローブ
- 新聞紙や袋等のごみ処理品
オムツ交換用品は、すぐ使える場所にまとめておくと負担軽減になります。
特にオムツ類はそのままだと、場所を多くとります。
開封したものは、バラして収納ケースなどに整理するとすっきりしますよ。
オムツゴミを捨てる時の事まで考え、必要な物は使う場所に全てまとめておきましょう。
オムツ交換を楽にする「介護用品」
オムツ使用時に用意したいグッズには、下記があります。
- 防水シーツ
- お尻ふき
- 使い捨てグローブ
特に防水シーツは、失禁があるのであれば必須でしょう。
防水シーツがあれば、尿や便汚れを受け止めベッドを守ってくれます。
マットレスの洗浄やシーツ交換等、介護負担の軽減や清潔保持に繋がります。
ズレも少なく簡単に敷け、数も多く出回ってます。
「お尻ふき」や「使い捨てグローブ」も、オムツ交換の必需品ですね。
身体ふきなど、大きい物を使えば排便時も安心です。
家庭用のナースコール
「オムツを使用しているが、尿意等はしっかりしている」。
そんな場合は、ご本人から知らせてもらう方法もあります。
例えば、ワイヤレスチャイム等は家庭用ナースコールとして使用できます。
上手く使えば、下記の様な時に役立ちます。
- 尿意がある時にトイレ介助をする
- 排便があった際にすぐオムツ交換をする
- 介助者が離れている時に用件を伝える
適切なタイミングでオムツ交換をしたり、トイレで排便を促したり等…
上手く使えばオムツ交換の負担軽減に役立てる事も可能です。
呼び出しが頻回になり、かえって負担を増すケースもある事には注意が必要です。
心身の状態を見て、双方の負担軽減に繋がるかを考えて導入するようにして下さい。
居宅の介護サービスを使う
オムツ交換含め、介護負担が多ければケアマネージャーに相談しましょう。
下記の様な、自宅生活を続けながら受けられる介護サービスもあります。
- 訪問介護
- 通所介護(デイサービス)
これらを利用すれば、入浴やオムツ交換など様々な介護サービスを受けられます。
こうしたサービスは、要介護認定を受けケアプランを作成してもらう事で利用できます。
在宅介護では介護負担も大きく、家族ができる事にも限界があります。
プロの手も頼り、一人で抱え込まないようにしましょう。
これらサービスを活用し、介護で困っている事について話してみて下さい。
さいごに
当記事では、「在宅介護でのオムツ交換回数」についてお話ししました。
オムツカバーの話が中心でしたが、リハビリパンツを使いトイレで交換してる方もいるでしょう。
リハパンについては、別に下記記事でも解説してるので良ければご参考下さい。
またその他にも、排泄関連の介護グッズは色々とあります。
例えば「ポータブルトイレ」や「トイレ用手すり」。
広く言えば、「オムツ用のごみ箱」や「消臭剤」なんかもそうですね。
こちらの関連記事もご用意したので、よければご覧ください。
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