介護士で働くうえで、異動や転勤が気になる方もいると思います。
結論から言うと、介護士は転勤や移動の可能性があります。
他の介護職も同様です
私も介護士として働き、数々の職場で人事異動を経験しました。
人事異動が発生する理由や実態、断り方や回避方法、経験談を紹介します。
介護士も異動や転勤はある
職場によりますが、他介護職も含め、介護士も転勤・異動の可能性はあります。
介護施設内での異動、グループ施設への転勤ですね。
同施設内での人事異動が主ですが、いくつもの施設を経営する大手では転勤もあります。
介護事業所で異動になる理由
老人ホームなど、介護事業所で異動(転勤)が起きるのは、主に下記理由です。
- 人員不足の調整
- 職員の能力バランスを考慮した結果
- 役職への就任
- 本人希望(異動願い)
異動の理由としては、ある部署で「職員が足りない」というのが多いです。
退職者が出た場合などですね。
介護は、シフト制の仕事です。
「遅番」「夜勤」など、特定の業務に入れない非常勤職員もいます。
そうしたバランスを考慮し、異動を行う事が最も多いのが現状です。
新人職員やリーダーも異動対象になる
加えて「新人職員」や「役職者(リーダー)」も、意外に異動対象になったりします。
例えば新人職員は、職場も本人もまだ適性を見抜けていない状態です。担当フロアの利用者(仕事)との相性、既存職員の指導力など、色々な要因で異動が発生しがち。
役職者の異動も、就任時だけではありません。
他のフロアで役職が辞めたりすると、そこへ異動になる可能性も考えられます。
役職を降りる時なんかもそうですね。
リーダー的役割をこなせる職員は限られるので、全体のバランスを見て上記判断がされる事も。
利用者の介護拒否、職員間の相性など、仕事上の問題解決の手段にも用いられます。
異動で仕事内容は変わる?
介護士の場合、異動先でも介護士として働く事がほとんど。
相談員や介護事務など、違う職種として役割を与えられる事は少ないです。
役職に就き業務が増える事があっても、介護士という立場が変わる事は稀です。
ただこればかりは、組織形態やその時々の事情で異なり、断言する事は出来ません。
また注意したいのが、無意味や無計画な人事異動が多い職場。
異動は、職員の成長を促す面役割もありますが…
残念ながら、この様に無意味に現場を引っ掻き回す職場もあります。
深刻な職員不足、仕事の質低下にある場合も多いですね。
もしそんな状況で限界を感じているなら、転職を考えるべき時期にあるかもしれません。
同施設内での異動について
それでは異動や転勤の具体的な流れを見ていきましょう。
まずは、同じ施設内での異動からです。
介護施設でいう異動とは、「別フロア(ユニット)に行く事」と考えて良いです。
介護施設では、各階や部屋などで利用者のグループ分けがされる事があります。
そうした施設では、それぞれに担当職員を振り分けされます。
シフトも、それぞれで個別に組まれる事がほとんどです。
例えば、特別養護老人ホームのデイサービスなど
職場が同じなので、共通ルールはあるでしょうが…、
一緒に働く職員・担当利用者が変わります。
介護士は利用者が変われば、仕事内容も変わります、
慣れた環境ではありますが、新しく仕事を覚える気持ちで臨みましょう。
異動願いや申請方法
もし自分で異動したいと思った時は、上司にその旨を相談して下さい。
リーダー等の直属の上司、あるいは人事や介護課のトップに話してみると良いでしょう。
施設によっては、異動願いなどの書類を書く事もあります。
異動の理由ですが、現場を見てると個人的な理由で申請してる人が多いですね。
- 職場の雰囲気が合わない
- 自分のスキル面で仕事についてくのが難しい
- 人間関係で問題がある
難しく考えず、「何故異動したいか」やその悩みを口頭で相談する事をオススメします。
他の事業所への転勤について
次は転勤についてお話しします。
冒頭で述べた通り、介護士の転勤がある会社もあります。
私も最初に入社した所がそうでした。
転勤は、同グループ内の他施設へ移るという形になります。
異動と違い、現在とは別種類の施設の施設で働く可能性もあります。
- グループホーム ⇒ 有料老人ホーム
- サポート付き高齢者向け住宅 ⇒ グループホーム
- 特養⇒小規模多機能
分かりやすいよう例を出しましたが、こんな感じで大きく仕事感覚が変化します。
勤務地も変わるので、間隔としては転職に近いですね。
転勤が発生する理由としては、職場内異動と同じく職員数の調整が多いかと。
後は、新規施設をオープンする為などですね。
介護士の転勤経験談
実際にあった、私の転勤経験談をお話します。
「グループホーム」から「サポート付き高齢者向け住宅」への転勤を経験しました。
- 小規模施設⇒大型施設
- 訪問介護職員よりの仕事内容になった
(30分単位で仕事、伝票業務が増えた)
自分の担当が9人という小規模施設から、大型施設への異動です。
30人の利用者をみる形になりましたが、一緒に働く職員数も増えました。
※ユニット型から従来型へ
当時は理解してませんでしたが…、
サービスの性質上、仕事内容は「施設職員と訪問介護の兼務」みたいな形になります。
会社によりますが、多い所ですと半年~1年ぐらいで転勤がありました。
転勤を避ける為の内容も後述しますので、参考にしてもらえればと思います。
介護士が転勤・異動を避ける(断る)方法とは?
ここまで話した通り、介護士には異動や転勤の可能性があります。
色んな職場を知り、スキルアップの機会ではあるのですが…
出来れば異動や転勤を避けたい方もいるでしょう。
ここからは、介護士が異動や転勤をしない方法を話します。
その為の方法は下記になります。
- 異動や転勤の可能性が無い職場で働く
- 異動や転勤を断る
あらかじめ言ってしまうと、職場内の異動は避ける事は難しいです。
ただ「異動や転勤になるなら辞めたい」という時は、その意思を伝える事も重要です。
諦めず、まずは上手く意思表示する事から始めましょう。
異動や転勤辞令は断れる?
まずは異動や転勤を断る方法ですが、正直難しいと思います。
就業規則にこれらの明記があれば尚更です。
辞令が出てしまっては、従うほかありません。
断るのは現実的に難しいですね。
もし断るのであれば、「嫌だ」等ではない正当な理由が必要になります。
- 家族の介護
- 育児
一般的に認められやすいのは、上記の様な理由です。
何にせよ、じっくりとした話し合いの機会が必要になります。
「リーダーになって」等の辞令も、断るのは難しいです。
諦める前に「意思表示は必ずする」こと
ただ介護業界は慢性的な職員不足、職場としても貴重な人材を手放したくはありません。
諦める前に、「異動や転勤は難しい」と主張をしてみる価値はあります。
双方で事情や気持ちを伝えあい、一度話し合いの機会を持ちましょう。
どうしても辛いなら、異動後に「戻して欲しい」と話してみるのもアリ。
必ず上手くいく保証は出来ませんが、仕事を続けるうえで重要な問題なら、まずは主張すべきです。
とりあえずやってみて、合わなければ退職しても良いと思います。
異動や転勤がない職場で働く方法
次は、「異動や転勤がない職場」を選んで働く方法。
転職時にそうした職場を選んでおけば、異動のリスクを減らせます。
施設内での異動が無い職場は?
まず施設内内異動に関しては、細かく担当フロア等が分かれてない職場が良いですね。
所謂「従来型」と呼ばれる施設などが、それに該当します。
利用者全体を職員全体でケアするスタイルの施設です。
逆に細かく担当が分かれているのが、ユニット型と呼ばれる施設。
こちらは大規模施設でも、細かくグループ分けがされています。

個人的には、職場内の異動はそこまで毛嫌いしなくて良いと思ってます。
…というのも、仕事が辛いと思った時の逃げ道になる為。
「嫌な職員がいる」「雰囲気が合わない」など、困った時の解決手段になります。
転勤がない職場で働くには?
転勤がない会社で働くには、転職時に会社情報をよく知る事です。
いくつも施設を運営している会社を選べば、転勤の可能性は残ります。
ただ上手く選んだつもりでも、新規施設の立ち上げがある場合もあります。
パートなどで、「転勤無し」の条件で入社するのも有効ですね。
何にしても、個人で出来る情報収集には限界があります。
転職サイトのアドバイザーを活用し、「転勤なし」の条件で職場を探して貰うと良いです。
条件交渉なども行ってくれます。
マイナビ介護職なら、求人の質やサポート重視の紹介を受けられます。

まとめ
今回は、「介護士(介護職)の異動・転勤」について扱いました。
最後に要点をまとめておきます。
- 介護士も異動・転勤がある
- 断る事は難しい、避けるには転職時の職場選びが大切
- 異動には、仕事の悩みを解決できるメリットも
介護現場は、職員不足によりワークライフバランスが乱れがちです。
自分の生活や希望条件を優先するなら、パートや派遣で働く方法もあります。

幸か不幸か転職先には困りませんので、時には「逃げる」という選択肢もある事を覚えておきましょう。
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