介護において難しい内容の1つに、「口腔ケア」があります。
歯磨きやうがい、スポンジ等で汚れを拭き取ったり、入れ歯洗浄など、大事な日課ですね。
ですが、現役の介護士でも自信がない方も多いのでは無いでしょうか?
そんな方の為に、介護口腔ケア推進士という検定資格をご紹介します。
記事の内容
- 介護口腔ケア推進士で学べる事
- 「通信講座」「試験情報」「テキスト」などの資格取得方法
- 仕事での活かし方、取得メリット
上記内容を中心に「介護口腔ケア推進士の資格取得情報」をまとめました。
試験やテキスト、通信講座など、資格の取り方から仕事での活かし方まで解説します。
介護口腔ケア推進士とは?
介護口腔ケア推進士は、「一般社団法人 総合健康支援推進協会」が認定する介護資格。
一般と上級資格の2種類があり、検定試験に合格する事で取得できます。
受験制限はなく、一般からならどなたでも取得可能です。
履歴書にも記載する事ができます。
上級は、「口腔ケア推進士保有」と「研修参加(試験と同時開催)」が受験条件です。
介護口腔ケア推進士は、口腔ケアで「自分の口で食べる事」を支援する人です。
介護士や看護師、家族介護者などに向けた資格ですね。
介護に携わる人が正しい知識を学び、要介護者の生活の質向上に寄与する目的で創られました。
要介護者が抱える問題の解決、介護現場の負担軽減といった役割が期待されます。
介護における口腔ケアのエキスパート
介護現場では、食事に悩みを抱える高齢者は多くいらっしゃいます。
そして同時に、最期まで自分の口で食事をしたいと望んでいます。
食事は生きていく上で欠かせない行為であり、日々の活力を生む楽しみでもあるのです。
利用者様やそのご家族のニーズに応える事が出来る資格です。
介護口腔ケアの学習ができる
介護現場では、介護士が毎日口腔ケアを行います。
しかし身体介助に比べ、口腔ケアを学べる機会は少ないです。
合格難易度も高くないので、「資格取得がてら口腔ケアの方法を学ぶ」のに便利ですね。
口腔ケアを学ぶ事で、誤嚥性肺炎や口腔機能の低下を予防し、QOLを向上させます。
口腔ケアやマッサージを取り入れる事で、他にも以下の様な効果が期待できます。
口腔ケアに期待される効果
- 咀嚼や嚥下機能の改善
- 誤嚥性肺炎や口腔内感染症の防止
- 栄養状態の改善
介護口腔ケア推進士の取得により、介護現場の口腔ケアのエキスパートとして活躍できますよ。
仕事に活かせる職種と取得メリット
介護口腔ケア推進士は、介護士や看護師のスキルアップの為の資格です。
よって仕事で活かすのであれば、介護・医療・歯科といった業界になります。
既にある程度の知識を持っている方にも、知識の確認に役立つことでしょう。
介護士や看護師は、歯科往診などで歯科専門職とやり取りする場面もあります。
口腔ケアの専門知識があれば、問題を早く適切に伝え、指示をしっかり理解し実践できます。
歯科医師、歯科衛生士等の専門職との橋渡し役といった役割を持つことが出来ます。
介護口腔ケア推進士(一般)の試験情報
介護口腔ケア推進士は、検定試験に合格する事で取得できます。
まずは、受講制限のない「一般」の試験内容をお伝えします。
介護口腔ケア推進士の検定試験内容
「介護口腔ケア推進士(一般)」の試験内容や合格基準は下記。
◎介護口腔ケア推進士 検定試験内容
試験内容 | 50問 5肢択一 ※CBT方式(コンピューター使用) マウス操作あり |
---|---|
合格基準 | 問題の総得点の7割を基準 問題の難易度で補正した点数以上を獲得 |
出題範囲 | ・公式テキストの全範囲 ・テキストの内容を理解した上での応用問題と 最近の時事問題 |
受験資格 | なし(どなたでも受験可能) |
試験時間 | 60分 |
試験日程 | その都度公式HPにて発表 |
受験申込 | ・公式HPよりインターネット申し込み ・受験料は8,460円 クレジットカード コンビニ支払い/easy-pay |
試験問題数は50問で、合格基準は7割を基準に難易度補正されます。
合格の目安としては、35問以上正解といったところです。
CBT方式の試験では、試験会場でコンピューターを使用する方法です。
サンプル問題を確認しましたが、「マウスで5つから1つ正しい答えを選ぶ」という内容でした。
前の問題に戻ったりする事も可能のようです。
試験会場となるテストセンターは、全国220か所ほど。
介護口腔ケア推進士は、ユーキャンでも講座を開講しています。
その場合、試験は自宅で受験できます。
試験結果はその場で即判定され、試験結果レポートが配布されます。
合格者には、認定証(発行手数料3,000円)が発行されます。
※通信講座の場合は、修了時に認定証(無料)が発行されます。
出題範囲と試験対策テキスト
介護口腔ケア推進士の試験出題範囲は、公式テキストの全範囲+αです。
αというのは、「内容を理解した上での応用問題」も出題されるという事ですね。
Amazon等でも出回っており、入手しやすいです。
下記は公式テキストの項目より抜粋、出題範囲や学習内容の参考になれば。
学びたい内容があるかの判断にもどうぞ。
口腔ケアの基本
- 介護と口腔ケア
- 口腔と関連器官の構造
- 口腔に見られる症状と関連する疾患
- 口腔ケアの実際
口腔ケアの実践
- 口腔ケアの意義
- 環境の観察法
- 症例に応じた口腔ケア方法
- 専門家・専門機関との連携
ユーキャンの「介護口腔ケア推進士講座」
ユーキャンの通信講座では、介護口腔ケア推進士にも対応してます。
検定試験も受講中に受けられるので、修了で資格取得できます。
添削課題3回のうち、最後の1回が検定試験となります。
ユーキャン 介護口腔ケア推進士講座情報
受講費用 | ・一括払い 29,000円(税込み) ・分割払い 2,980円 × 10回(10ヵ月) 計29,800円(税込み) ・送料無料 |
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支払い方法 | ・郵便局 ゆうちょ銀行 ・クレジットカード ・コンビニエンスストア |
教材 | メインテキスト(2冊) 介護現場で役立つ!Q&A集 見てわかる!口腔ケア実践DVD ガイドブック、添削関連書類一式 |
受講、学習期間 | 平均学習期間3ヵ月(サポート期間6か月) ※勉強時間は1日30分、週3日目安 |
返品 | 教材到着後8日以内であれば可能 |
ユーキャンで資格取得を目指す場合、平均学習時間は3ヵ月。
※1日30分、週3日を想定
使用テキストは、公式テキストとは異なりますが、協会監修のものなので問題ないです。
上級介護口腔ケア推進士の取得方法
上級介護口腔ケア推進士の取得方法について、解説します。
上級も検定試験に合格する事で取得できますが、受講要件があります。
上級介護口腔ケア推進士の受験条件
- 口腔ケア推進士に合格し、登録番号を保有
- 「上級実践的な口腔ケア研修会」を受講
登録番号は、試験合格時に発行される「認定証」に記載されてます。
研修会は、試験当日にほぼ1日近くかけ行われ、その後に試験という流れになります。
上級介護口腔ケア推進士の検定試験内容
それでは、試験内容と合格基準等をご説明します。
上級介護口腔ケア推進士 検定試験内容
試験内容 | ・ペーパー試験 ・全40問 ・4肢択一問題 ・穴埋め記述問題など |
---|---|
合格基準 | 問題の総得点の7割を基準 問題の難易度で補正した点数以上を獲得 |
出題範囲 | ・「介護口腔ケア推進士」認定証取得に使用したテキスト ・「介護口腔ケア推進士試験公式テキスト上級」 及び付随するネット配信の動画の範囲 ・「上級 実践的な口腔ケア研修会」で学んだこと |
試験時間 | 90分 |
試験日程 | 年2回、詳細は公式HPをご確認ください |
受験申込 | ・公式HPよりインターネット申し込み ・受験料は30,000円(研修参加費込み) ・支払いは銀行振り込み |
試験当日の流れ
上級試験を受けるには、研修会に参加する必要があります。
研修は試験当日に行われ、その後に試験となります。
当日のスケジュール ※記事執筆現在
- 9:30~16:30 「研修会(途中休憩有り)」
- 17:00~18:30 「介護口腔ケア推進士 上級検定試験」
合格通知について
試験結果は、試験後約1か月に郵送されます。
合格者には認定証が同封されます。
上級の出題範囲と試験対策テキスト
上級口腔ケア推進士の検定試験は、事前の学習に加え、当日の研修で得た知識も試されます。
その出題範囲は以下になります。
上級介護口腔ケア推進士の出題範囲
- 「介護口腔ケア推進士」認定証取得に使用したテキスト
- 「介護口腔ケア推進士試験公式テキスト上級」
及び付随するネット配信の動画の範囲 - 「上級 実践的な口腔ケア研修会」で学んだこと
これまでの学習で得た知識に加え、上級用のテキストと研修での学習内容が加わります。
以下が、出題範囲の例だそうです。
上級介護口腔ケア推進士 出題例
- 介護と口腔ケア
- ケア用道具の使い方
- 口腔清掃の手順
- 口腔リハビリテーション
- 安心安全な食事介助
- 介護に特化した口腔ケアに必要な知識
上級になると、口腔ケアに加え、食事介助についても出題されるようですね。
上級のテキスト名は、「介護口腔ケア推進士 上級試験公式テキスト」。
出題範囲にもあるネット配信動画は、こちらの購入特典になります。
介護口腔ケア推進士の難易度と合格率
介護口腔ケア推進士は、一般・上級ともに正答率7割以上が合格目安。
一般は全50問、上級は40問の試験です。
合格率までは分かりませんでしたが、一般なら取得しやすいと思います。
基本的には選択式の問題ですし、難易度としては、十分合格を目指せる範囲ですね。
テキストなどでしっかり勉強すれば、合格は十分可能かと思います。
その意味でも取得を目指しやすい資格と言えますね。
独学に自信がない方や在宅試験が良い方は、ユーキャンだと取得しやすいですね。
試験に失敗しても、3回まで無料で再試験できます。
介護口腔ケア推進士と併せて持ちたい資格
介護口腔ケア推進士に関心がある方に向け、併せて学びたい資格をご紹介します。
どなたでも取得できる資格を選んだので、興味があれば検討してみて下さいね。
食事の摂取は重要とはいえ、相手の様子を見て提供する事が大切です。
食事や栄養の改善だけでなく、看取りうおける考え方も理解し、相手に合わせた柔軟な対応を出来るよう目指しましょう。
⇒看取りケアパートナーの取得方法と通信講座
介護食や食事介助を学べる資格です。
グループホーム等では、介護士が調理を担当する事もあり、本資格と併せて取得すれば、食事や口腔ケアのエキスパートとなれますね。
⇒介護食アドバイザーの資格取得方法と通信講座
まとめ
介護口腔ケア推進士とその試験情報について、簡単にまとめておきます。
まとめ『介護口腔ケア推進士とは』
- 口腔ケア技術を学び、自分の口で食べる支援が目的
- 「一般」と「上級」の2種類がある
- 介護士や看護師向けの資格だが、誰でも取得できる
- 検定試験に合格する事で取得可能
(通信講座なら在宅受験可能)
上級試験に関しては、介護口腔ケア推進士の取得と研修参加が受験条件です。
介護現場において、「利用者様が上手く食事が摂れない」と感じる介護士・看護師さんも多いでしょう。
食事の支援は、生活の質を高めるのに非常に重要です。
よりよいケアを自信を持ち実施できるよう、この機会に取得検討いかがでしょう?
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