高齢になると、身体能力が衰え、以前のような車の運転が難しくなります。
もし車の運転が不安な時は、運転免許証の返納が出来ます。
その際には「運転経歴証明書」も発行でき、身分証明や交通機関での割引特典に使えます。
「他の高齢者はいつ返納してる?」という年齢時期の目安にも触れていきます。
運転免許証の返納方法
高齢になり「身体・認知機能に不安がある」。
今後自分で運転する意思の無い方は、運転免許証の自主返納ができます。
行政処分中となってる方は申請できません。
※代理申請については後述
また免許返納後は、運転経歴証明書が発行でき身分証明に使えます。
返納申請の受付場所と持ち物
返納手続きが出来る場所は、警察署や運転免許センターなどです。
返納手続きでは、下記の持ち物が必要です。
- 運転免許証
- 印鑑
手続きの際には、手数料はかかりません。
返納手続きを終えると、その時点で車の運転は出来ませんので注意して下さい。
また返納後の本人確認書類として、運転経歴証明書の発行も可能です。
提示する事で、地域により「商品購入」や「サービス利用」の割引特典が受けられます。
事前にHPなどをチェックしてみましょう。
代理人による免許返納方法
代理人による免許の自主返納は、本人にやむを得ない事情がある場合に可能。
やむを得ない事情とは、「本人が病気等で入院中」「施設等に入所中」といったケースです。
また代理人となれるのは、下記の要件いずれかに該当する方です。
申請時には免許証の他、委任状や入院証明なども必要です。
加え、代理人に該当している事を証明する書類等も必要です。
委任状などは、警察署のホームページから印刷できる事もあります。
必要書類の確認とあわせ、事前にご覧ください。
「運転経歴証明書」の発行方法
運転経歴証明書とは、住所、氏名、生年月日、返納受理日などを記載した物。
免許証と違い、有効期限はありません。
免許証と同じサイズで、返納後の身分証明に使用できます。
運転経歴証明書の見本サンプル
千葉警察署(運転経歴証明書)より作成
運転経歴証明書は、免許の返納や有効期限から5年以内であれば、申請により交付されます。
5年以上経過したり、行政処分を受けている場合は発行できません。
発行手数料は1,100円。
返納と同時に発行しない場合、「住民票」や「マイナンバーカード」が必要です。
※即日発行もあれば、数週間要する場合もあります
代理人による申請は、返納と同様にやむを得ない場合に限られます。
免許返納のメリットと特典
運転免許を返納すると、地域によって様々な特典があります。
その特典は、バスや電車といった「交通機関の割引」が中心です。
他にもタクシーの割引など、主に移動をサポートする内容が多くなります。
免許返納による割引特典
- 自治体コミュニティバス
- 路線バスや鉄道
- タクシー
- ショッピングや観光地の入園料
これらのメリットを受けるには、「運転経歴証明書」の提示が必要です。
特典を利用したい場合、返納後は証明書の発行を忘れない様注意しましょう。
具体的な内容は、お住まいの地域により異なります。
こちらも自治体や警察署のホームページから確認できます。
余談ですが、免許返納後はシニアカーを移動手段とする方もいます。
シニアカーは、運転免許を必要しないので、返納後も使用できます。
地域により、返納特典に「シニアカー購入割引」を用意する事もあるみたいですね。
「免許返納すべき年齢・時期目安」はいつ?
ここからは、「いつ免許を返納すべきか?」を考えていきます。
返納を考えるタイミング、年齢など、芸能人の例も交え、お伝えします。
返納年齢は「70歳~75歳以上」が目安【不安を感じたら返納】
免許返納を考える年齢目安としては、主に70歳以上からになります。
「高齢ドライバー」の表現が使われるのも、70歳以上の方です。
75歳以上では、「認知機能検査」も加わります。
こういった制度があるのも、衰えによる交通事故のリスクを考えてのもの。
特に75歳以上の高齢者は、一般ドライバーに比べ、不適切な操作による事故割合が2倍です。
※警察庁「運転免許証の自主返納について」のリーフレットより
「運転に不安がある時」は返納タイミング
また年齢にとらわれず、運転に不安を感じたら免許の自主返納をおすすめします。
- 他の車や歩行者に注意がいかない
- カーブがスムーズに曲がれない
- 視界がぼやける
これ以外でも、「おかしい」「危ない」と感じたら、返納すべきタイミングかもしれません。
年齢で言うと70歳以上、特に75歳以上の方が返納を考える時期にあります。
免許更新時に、検査や講習が必要な年齢です。
また認知機能検査の本を使い、自己チェックする方法もあります。
詳しくは、下記記事で紹介してます。
芸能人が免許返納した年齢
運転免許を返納した芸能人も沢山いらっしゃいます。
参考までに、「返納時の年齢」と共にご紹介します。
※敬称略
- みのもんた(76)
- 杉 良太郎(74)
- 加山 雄三(82)
- 尾木 直樹(72)
- 伊東 四朗(79)
この中ですと、みのもんたさんの返納が記憶に新しいですね。
「衰えを感じて」との事です。
返納理由には、「高齢者講習で衰えを実感した」という内容が多いみたいです。
ニュースに挙がる「高齢者ドライバーの運転事故」も、返納を考えるきっかけになってる様子です。
家族が免許返納を嫌がる時の対応方法
なかには、「ご家族が免許返納に応じず心配」という方もいらっしゃると思います。
そんな時の説得方法や出来る事について触れていきます。
ご本人で不快に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、「安全に運転する為のヒント」としてご参考頂ければ幸いです。
安全運転の為に「代替案」や「条件」を考える
すぐに運転を辞める事が難しい場合、安全に運転する為のルール作りから始めてみましょう。
- 夜や交通量の多い時間は通らない
- 危険な道は避ける
- 運転中の危険について話し合う
この様に、まずは運転する「時間」や「道」を決めてみる方法もあります。
「あの交差点って危ないよね」など、家族内で危険情報の共有をするのも有効。
こうして徐々に危険意識を高めていく事から始めてみましょう。
⇒高齢者マークはいつからどの位置に貼る?
また緊急時の為に、車の位置情報を知らせるサービスを使う方法もあります。
例えば「リアルタイム追跡型のGPSロガー」を使用すれば、スマホやPCで位置情報が確認可能。
ご家族で相談のうえ、検討してみてはどうでしょう。
否定はせず「本人の心配」をする
「もう運転は無理」「年だし事故を起こすよ」など、年齢や能力への否定はNGです。
誰しも自分の能力を否定されれば面白くないし、「そんな事ない!」と反発します。
本人は辛く悩んでますし、衰えを認めるのは私達が思うより難しい事です。
個人的には、「本人の身体や無事」を心配する方が良い家族の在り方かなと思います。
ご本人もその方が、危険や現実に対して素直になれるんじゃないでしょうか?
先の芸能人の様に、同年代の方の話にも勇気を貰えるはずです。
運転ルールを決める事から始めても良いでしょう。
まとめ
今回は、運転免許証の返納方法についてお伝えしました。
最後に記事の要点をまとめます。
- 警察署や免許センターで申請
- 運転経歴証明書発行で、身分証明や割引特典が出来る
- 70歳以上が返納を考えるタイミング
事故や安全の為、何としても家族に返納させたい方もいると思いますが…
高齢者は、運転への恐怖だけでなく、衰える悔しさなどそれぞれの想いを抱えています。
説得の際は、その気持ちに理解を示しつつ、背中を押してあげて下さいね。
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