介護士に必要な能力は、介護技術だけではありません。
要介護者やその家族に対する、コミュニケーション能力も重要です。
現場にいると忘れがちですが、「接客スキル(接遇)」も介護では大切です。
確かな介護技術を持っても、ふとした誤解で苦情を受ける事もあります。
資格取得方法や試験などの情報をお届けします。
この機会に介護接遇について学習してみましょう。
ウェルフェア・コンシェルジュとは
ウェルフェア・コンシェルジュは、「心の通う質の高いサービス提供」を目標とした検定試験。
当資格は、平成29年に第1回試験が行われた新しい資格。
検定試験に合格する事で取得できる資格です。
ウェルフェアコンシェルジュ試験では、下記内容について評価がされます。
- 接遇力
- コミュニケーション能力
- 高齢者や障害に対する知識
ウェルフェアとは、「福祉事業」や「繁栄・幸福」。
コンシェルジュは、「ホテルでお客の要望に応える接客係」を指します。
当資格は、介護・福祉での接遇を重点を置き、満足できるサービス提供しようという事ですね。
資格を活かせる仕事と取得メリット
ウェルフェアコンシェルジュは、介護士向けの民間資格です。
「初任者研修」や「介護福祉士」等の知名度の高いものと比べ、大きな評価を得る事は難しいです。
…なので、「介護士に接遇力が何故必要か」という話をしましょう。
まず介護職は、一般的なビジネスマナーを学ぶ機会に乏しいです。
新卒の職員であっても、マナー研修の参加機会は少なく、「初任者研修」でOKという風潮です。
これらでは「高齢者への理解」や「介護技術」が学べますが、相手はお客であるという意識づけや接客技術については不十分と言えます。
内容ある指導を受けられる機会は少なく、接遇については自ら動き学ばねばなりません。
自分の評価を落とさない為の資格
この資格は待遇などでなく、スキルアップの為の学習資格です。
もっと言えば、自分の評価を落とさない為の資格ですね。
色々な職員と関わってきましたが、利用者や家族への態度で評価を落とす方は多いです。
特に介護度の高い施設では、言葉で意思表示できる入居者様ばかりではありません。
「相手はお客」という意識が薄れ、ご家族からクレームが入る事も多くあります。
そういう意味では、働きやすさを作れる資格でもありますね。
また有料老人ホーム等、幅広い方が利用される施設もあります。
利用者や家族の客層的に、より高い接客スキルが求められます。
利用者様の自宅に伺う、訪問介護などもそうですね。
検定試験を受けるという事も含め、「自分は大丈夫かな?」と考える意識が大切です。
相手に気分良くサービスを受けてもらう事で、仕事のしやすさや自分を守る事にも繋がります。
ウェルフェアコンシェルジュの試験内容
「ウェルフェア・コンシェルジュ初級」は、検定試験に合格する事で取得できます。
受験制限はなく誰でも受けられ、講座などの受講も必要ありません。
受験の申し込み方法と費用
ウェルフェアコンシェルジュは、自宅での「在宅試験」となっています。
試験日は、「1月・5月・9月」の年3回。
試験問題はその月の第4土曜日に届くよう発送されます。
受験申込は、技能認定振興協会より2つの方法で申し込めます。
受験料は、4400円(税込み)です。
ホームページの入力フォームから必要事項を入力し送信。
受講料の支払いで申し込みが完了し、試験問題が発送されます。
受験料の支払方法は、「クレジット」か「コンビニ決済・他」から選択。
ホームページより、受験要領・申請書を印刷し記入。
指定口座へ受験料を振込み、控えのコピーを申請書裏面にのり付けし発送。
申込書の受付・入金確認後、試験問題が発送されます。
試験内容と合格通知
試験は選択式の学科試験、85%以上の得点で合格です。
公式では、合格率は「85%位」と発表しています。
以下が出題範囲です。
- 介護における顧客満足とは
- 求められるサービスの質
- 尊厳の保持と自立支援
- 接遇・コミュニケーションの基本技術
- 高齢者・障害者の理解
試験結果は、試験後1ヵ月以内に文書にて通知。
合格者には、認定合格証が交付されます。
ウェルフェアコンシェルジュの試験勉強方法
まだ新しい資格だからか、問題集や公式テキストは無いみたいです。
公式では学習方法について、「㈱ソラスト」の試験対策講座の受講を推奨してます。
どうしても合格したいなら受講しましょう。
標準学習期間は1.5ヶ月、6ヶ月在籍可能という講座です。
テキスト代わりになるか分かりませんが、介護接遇を学べる書籍を紹介します。
「介護現場の接遇マナー講師」による書籍なので、参考になるかと。
「介護職のための接遇マナーガイドブック」
主に施設介護の話が中心で、イラスト付きで読みやすいです。
一般的なマナーに加え、介護ならではの内容にもきちんと触れています。
また勉強のしやすさを求めるなら、高齢者傾聴スペシャリストも良いかもしれません。
ユーキャンの通信講座で取得できますよ。
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