寝たきり度という言葉をご存知でしょうか。
「障害高齢者の日常生活自立度」と呼ぶ、介護度にも関わる指標です。
これは何らかの障害がある高齢者に対し、移動に注目して生活自立度をランク付けしたもの。
認定調査において、一定の判断基準にそって決定されます。
当記事では、寝たきり度について情報を分かりやすくまとめました。
- 寝たきり度とは?
- ランク分類と判定方法
- 介護度との関係 …など
要介護度にも関わりますし、介助の必要性の確認にも役立ちます。
この機会に、寝たきり度について理解しておきましょう。
「寝たきり度(障害高齢者の日常生活自立度)」とは
寝たきり度は、正式には「障害高齢者の日常生活自立度」と呼びます。
※以下「寝たきり度」と表記
分かりやすく言うと、「どれだけ寝たきりに近い様子か?」をランク付けしたものです。
言い換えると、「どれだけ自分の力で生活可能か?」という指標ですね。
寝たきり度は「移動」に注目し判定される
寝たきり度は、何らかの障害を有する高齢者に対し判断されます。
よって、障害を持たない健常高齢者に対しては判断されません。
寝たきり度は大きく4段階のランク(J・A・B・C)で表し、以下の様に分類されます。
- 生活自立(J)
- 準寝たきり(A)
- 寝たきり(B・C)
細かい判定基準は後述しますが、寝たきり度は「移動」や「外出」能力に注目し分類されます。
自力で外出可能なら「自立」。
家の中でも介助が必要なら「寝たきり」という感じですね。
寝たきり度の「判定目的」と「調査方法」
寝たきり度は、施設等の現場で「生活自立度を客観的かつ短時間に判定すること」が目的です。
ランクを見れば、大体の生活能力や自立度の状態像が分かる様になっています。
寝たきり度は、要介護認定の訪問調査時に判定されます。
訪問調査にて、調査員がご本人や家族から身体状況を見聞きする中で判定します。
要介護度の結果に与える影響も大きいので、正しい判定結果を得るには大切な指標です。
認定調査において、要介護者をよく理解してもらう為にも、判断基準をよく知っておきましょう。
寝たきり度のランク判定基準
寝たきり度は「J・A・B・C」と4ランクがあり、さらにそこから2段階に分けられます。
後者ほど日常生活自立度が低いとされます。
判定には能力というよりは「状態」、特に移動に注目されます。
判定の際は、補装具や自助具等の器具を使用した状態であっても構いません。
生活自立 | ランクJ | 何らかの障害等を有するが、 J1:交通機関等を利用して外出する |
---|---|---|
準寝たきり | ランクA | 屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない A1:介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する |
寝たきり | ランクB | 屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、 B1:車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う |
ランクC | 1 日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する C1:自力で寝返りをうつ |
参考:厚生労働省「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」より
ご覧の通り、寝たきり度の判断基準は「移動」と「介助の必要性」です。
自力での移動範囲を中心に自立度を測っています。
各ランクの判断基準には、特に以下のポイントをみます。
- 自力での外出が可能か
- ベッドから離れる時間はあるか
- 移動や生活にどれだけ介助を要するか
何らかの介助を要し、ベッドが生活主体である場合は「寝たきり」という事になります。
「寝たきり度」と「要介護度」の関係
寝たきり度は、大まかに言うと「その人の生活自立度」を示したものです。
イコールとは言い切れないモノの、介護度に与える影響は大きいです。
判定基準はあるものの、各介護度に具体的な定義はありません。
寝たきり度が高ければ、必要な介護量も多くなります。
そうなると、必然的に介護度も高くなる傾向にあると言えますね。
正しい判定結果を得る為にも、情報は正確に伝えましょう。
先ほどの判定基準を参考に、本人の状態や悩みを具体的に話せるよう準備すると良いですよ。
- 介助が必要な時や場面
- 外出の可否や自宅での生活状態
- 困っている事や悩み
また寝たきり度が高いという事は、それだけベッド主体の生活だという事です。
褥瘡(床ずれ)など、皮膚状態等の悪化にも注意が必要です。
在宅介護においても、特に介助の手が多く必要になるでしょう。
ご家族の負担軽減の為、介護用品の扱いも解説してますのでご参考下さい。
寝たきり度が高い方向けの介護施設
ランクB・Cの「寝たきり」状態である場合、介護サービスを受けられる特定施設になります。
医療ケアを必要としている場合、医療サービスが充実しているサービスを選ばねばなりません。
いずれにしてもご本人の状態を理解し、適切なケアを受けられる施設を選ぶ必要があります。
介護度が高い方向けの施設として、代表的なものは以下になります。
- 特別養護老人ホーム
- 介護付き有料老人ホーム
介護老人保健施設でも、医師や看護師が配置されていますが、こちらは自宅と病院を繋ぐ施設です。
医療サービスが充実していますが、入所期間が設けられています。
恐らくケアマネージャーからも、紹介があるとは思いますが…
ご自身でも色々と調べてみる事をオススメします。
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