片手の着替えを助ける自助具に、「ドレッシングエイド」や「ボタンエイド」があります。
これらは身体の可動域が狭い方、手が上手く動かない方に使われる福祉用品。
片手でボタンをはめたり、衣服を脱ぎ着するのに活用できます。
今回は「ドレッシングエイドとボタンエイドの使い方」をテーマに解説。
それぞれの使い方や特徴、選び方などをご紹介していきます。
今回紹介するのは、自分で着替える事をサポートする物ですね。
その他にも、着替えや片手の動作に使える自助具も紹介してます。
ドレッシングエイドとは「モノを引っかけるフック付き棒」
ドレッシングエイドは、長い棒にフックが付いた自助具。
※リーチャーや万能エイドとも呼ばれます。
片麻痺などの障がいがある方、身体の可動域が狭い方等の為の福祉用品ですね。
フック部分でモノを引っかけたり、動かすのに使います。
ドレッシングエイドの使い方
まずはドレッシングエイドの実物をご紹介します。
こちらは標準的なタイプですね。
長い棒の両端にそれぞれ形状の異なるフックが付いてます。
小さなC型フックは、靴のジッパーを上げる等の用途に使えます。
下記は、ドレッシングエイドを使った衣服着脱方法の例です。
- 服を羽織る時に背中に回す
- ズボンや靴下を履く
- 靴ベラとして使う
首や肩など、届かない範囲をカバーする形ですね。
基本的には、フック部で引き上げたり寄せて使います。
具体的な使い方は、下記動画で分かりやすく説明されてます。
その他にも、片側が靴ベラとなってるタイプもあります。
屈まず使えるロングタイプの靴ベラとして使用できます。
日常生活での便利な使い方
ドレッシングエイドは、着替え以外にも下記用途に使えます。
- 落ちた物を取ったり、引き寄せる
- カーテンを閉める
- ハンガーをかける
こんな感じで、日常生活で様々な用途があります。
床や高い所のモノを取ったり、フックを使って色々な事が出来ますね。
困った時の万能アイテム的な面もあります。
ドレッシングエイドの選び方
ドレッシングエイドを選ぶ際は、下記2点に注目すると良いですね。
- 棒の長さ
- フックの形状
棒は長いほどより遠くをカバーできますが、近くの物は扱いにくくなります。
小回りが利かなくなるので、着替えでは長すぎない方が使いやすいと思います。
長めの物だと70cm近くなので、このくらいが選べる範囲でしょう。
こちらは、約63cmと比較的短いタイプです。
両端のフックは、大型フック+αの形が多め。
現状だと、「小さいC型フック」か「靴ベラ」かの2択という感じですね。
用途や好みで選んで良いでしょう。
ボタンエイドとは「片手でボタンがはめられる自助具」
ボタンエイドとは、簡単にボタンをはめる事が出来る自助具。
こちらも片手で使える福祉用品。
小さいボタンを楽にとめたり、片手でボタンをはめる事が出来ます。
グリップ部の先には、針金がついてます。
中間部は針金の間が広く、先端は間が細い作りになってます。
ボタンエイドの使い方
下記は「ボタンエイドを使ったボタンのはめ方」です。
- ボタンエイドを持ち、針金部をボタン穴から通す
- 針金の中間部からボタンを挟み、先端で固定
- ボタンエイドをそのままボタン穴から引き抜く
針金部でボタンを引っかけ、つけ外しを行います。
間の広い中間部からボタンを引っかけ、先端で固定して動かす形ですね。
ボタンエイドの選び方
ボタンエイドは商品により、グリップ部の形や針金の大きさ等が異なります。
特に針金部の大きさで、使えるボタンの大きさが異なります。
さらには、小ボタンと大ボタン両対応の物おあります。
他バリエーションには、グリップ部が輪になってるタイプも。
こちらは針金部が2種類あり、「小さいボタン」と「大きいボタン」両方に対応可能です。
ズボンを履く自助具「ズボンエイド」の使い方
着替えに関する自助具という事で、ズボンエイドもご紹介します。
ズボンエイドとは、ズボンや下着を履くための自助具ですね。
着衣の他、ジッパーの上げ下ろしなどに対応した商品もあります。
調べたところ、下記の様な商品が見つかりましたのでご紹介します。
- クリップ&プル
- ヘルプリング
これらは「ベルト付きのクリップやリングで、ズボンや下着を引き上げる」使い方をします。
特にクリップ&プルは、上着のジッパーを片手で上げる使い方も可能。
ドレッシングエイドの一部要素もある商品ですね。
既に販売終了との事でしたが、似た商品を見つけたのでご紹介しておきます。
「着替え」「片手動作」に使える他自助具
その他「着替えに関する自助具」には、下記の様なモノがあります。
- ソックスエイド
- 片手でOKの「ワンタッチネクタイ」
ソックスエイドとは、靴下を履くための自助具。
筒に靴下を固定し、足を差し込んで引き上げ履く事が出来ます。
屈む動作が辛い方などに使用される福祉用品です。
個人的に画期的だと思ったのは、片手で装着できるワンタッチネクタイ。
特にオススメは、フックで引っかける結ばないネクタイ。
片麻痺の方はもちろん、暑さ対策にも良いですね。
またズボンや下着用の自助具もあります。
これらは輪やクリップで固定し、引き上げる商品ですね。
こうした商品は、テクノエイドの自助具データベースから調べる事が出来ますよ。
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