介護職員の不足が招く問題の1つに、シフト作成が難しい点があります。
毎月頭を悩ませてるリーダーも多いと思います。
さらには、シフトの作り方を教わる機会も少ないです。
そこで、「介護施設でのシフト作成方法とコツ」を紹介します。
リーダー介護士の苦労経験から得た、シフトの具体的な組み方をお伝えします。
当記事はこんな方向け
- シフトを作る事になったけど、何も分からない
- 人員がおらず、上手くシフト作成出来ない
- 作ったシフトが不満に思われてないか心配
これらの悩みを抱える方の力になれれば幸いです。
主に施設介護士向けの情報なので、ご了承ください
介護施設での「シフトの基本な作り方」
まずは「基本的なシフト作成方法」を説明します。
シフト作成における手順や守るべきルール、配慮したい内容等ですね。
直接教えて貰えない「隠れたルール的な内容」も多いので、知っておきましょう。
シフト作成の基本ルール
具体的なコツは後述しますが、大まかな作成ルールは下記。
守れない事もありますが、出来る限りこの意識で作成します。
介護シフトの基本的な作成方法
- 早番・遅番・夜勤は必須
- 夜勤明けの翌日は公休とする
※8時間夜勤の場合、明けを公休にする - 過剰な連続出勤は避け、一定ペースで休日を作る
- 職員の希望休は守る
- 出勤時間は徐々に遅くする
- 休日出勤や残業はなるべく作らず、発生時はその時間を明記する
公休は、出勤3~4日に1回位のペースが目安です。
連勤が辛いのはもちろん、連休も連勤の原因になる
組む時は、基本的に出勤時間を徐々に遅くしていきます。
例えば、「早」⇒「遅」⇒「夜勤」⇒「公休」という形。
これにより出勤間隔が開くので、職員負担の軽減になります。
「時間外労働」や「その他役割」の指示も明記
人員不足等で、あらかじめ分かってる早出や残業は時間をシフトに明記します。
これにより、職員の情報伝達・申請漏れを防ぐ事が出来ます。
その他にも、下記内容をシフトに明記する事もあります。
- 日勤リーダー
- 入浴担当
- 研修参加者
このあたりは職場により異なり、必ずしも記載するとは限りません。
特に大型施設は人数も多いので、明記する必要があるケースが多いですね。
「非常勤(パート・派遣)の勤務条件」を把握する
シフト作成者になった時に確認したいのが、非常勤の希望出勤日。
正社員と違い、パートや派遣社員は個人で「可能な出勤日数やシフト」が異なります。
前任者や本人と下記内容を確認してください。
- 出勤可能な曜日と日数(月の公休数、出勤できる曜日など)
- 出勤できない日・希望休(休みが欲しい曜日など)
- 勤務可能なシフト(日勤のみ・夜勤不可など)
こうした雇用契約や勤務方法は、非常勤1人1人で異なります。
シフト作成にかかる前に、個人の勤務条件を把握するようにしましょう。
「シフトの作成ツール」と「締め切り日」
経験上、シフト作成はパソコンのエクセル使用が多いですね。
「シフト表の原本」を作成しておき、月毎に複製して使う形です。
公休や各シフト回数の統計情報等も、一目で分かるようになってます。
またシフトを組み始めるには、「希望休の締め切り」を待つ必要もあります。
どの施設も希望休は、シフト切り替えの10~15日前に締めきります。
シフト切り替えの1週間前ぐらいに配布できると理想ですね。
作成に使える日数は、およそ10日ちょっとになると思います。
介護現場でシフトを上手く作成するコツ
介護現場でのシフト作成は、パズルの様に難しいものです。
特に人員不足が厳しい状況では融通が利きにくく、微修正でもかなりの手間です。
ちょっとした失敗から作り直し、なんて事もよくあります。
そのため、シフト作成方法のコツは「優先順位をよく考える事」ですね。
我流ですが、私の場合は下記を意識して組みます。
私がシフト作成時に注意してる事
- 変更が効かない場所、必要人員が多い日を最優先に作る
- 常勤は「夜勤」から作る
- 出勤3~4日毎に公休を作るのが理想
- 完璧は目指さない
非常勤や希望休など「正解が確定した場所」から組む
シフト作成時に最優先で埋めるのは、正解が分かりきった場所。
「シフト作成はパズル」と言いましたが、その例えで言うと角から埋める形です。
具体的には、下記です。
シフト作成時に最初に埋める場所
- 希望休
- 勤務条件が明確な非常勤
- 特定の人員や職員数が必要な日(イベントや委員会、入浴等)
希望休や出勤日固定の職員、イベントや委員会等は変更が効かない部分です。
1番最初に決めてしまいましょう。
「早番(遅番)のみ」といった固定シフトで働く非常勤も、先に決めて良いです。
後で調整が必要な時に動かしやすい印象ですね。
常勤は「夜勤」と「公休」を優先
私の場合は、常勤(全シフトに入れる人)は夜勤から作成します。
何故かと言うと、連勤を防ぐため一定のペースで公休を入れたいからです。
体力的な問題もあるし、夜勤明けは出来る限り公休にすべきです。
いつ夜勤に入るかを決める事は、職員の出勤ペースを決める事になります。
なので、シフト作成時の優先順位は高いと言えますね。
【「早」⇒「遅」⇒「夜勤」⇒「明け」⇒「公休」】といった感じ。
出勤3~4日毎に公休を入れられると理想的。
介護での月の休みは9日が平均なので、出勤3~4日毎に公休を作るとキレイに仕上がります。
まぁ実際には、人員が厳しすぎてたまに5連勤とかになっちゃいますが…
夜勤回数も確認しよう
シフト作成はエクセルを使うと説明しましたが、その際には下記情報も確認できます。
- 出勤日数
- 夜勤回数
- 公休数
だいたいどこの職場も、各個人で上記の数が表示されます。
特にシフトを組む時は、夜勤回数は気にするようにして下さい。
夜勤専従でもない限り、正社員の夜勤回数は平等となるよう意識しましょう。
また個人により回数の希望もあるので、余裕があれば配慮すると親切です。
完璧は目指さない
恐らくですが、現状ほとんどの介護施設で完璧なシフトは作れないです。
人員不足による残業や連勤、職員間の相性等など、どこかしらにケチはつきます。
これも優先順位をつけ、妥協すべき部分を見分けなくてはなりません。
私の場合、下記要素は優先順位が低め。
個人的な妥協ポイント
- 職員間の相性
- 職員の仕事能力
逆に優先すべきは「休日配分」や「休憩が可能か?」、「業務負担の平等性」といった要素。
連勤や残業が発生するのは仕方ないですが、1人に偏らない様に配慮します。
妥協とフォローを使い分けよう
リーダー業務的な話になっちゃいますが、妥協はしてもフォローは大切です。
例えば、「週ごとに職員数を見て、入浴予定を調整」等ですね。
「できない業務があっても良い、安全重視で」と伝えたりもしますね
シフトが組めない時の解決策
職員がいなくてシフトが作成できない。
どう作っても人員的にシフトに穴があいてしまう。
そんな時に使える打開策がこちら
シフトが作れない時の解決方法
- ヘルプを頼む
- 職員に相談する
- 早出や残業、休日出勤で妥協する
具体的に解説します。
ヘルプを頼む
一番オーソドックスな方法が「ヘルプを頼む」方法。
介護課長や主任など、直属の上司に相談しましょう。
ヘルプで来てくれる職員は、他フロアの介護職員や生活相談員等、施設により異なります。
誰が来るにせよ、ヘルプ職員は現場の仕事に不慣れです。
ヘルプ職員に頼り切り、過剰な負担を掛けないよう注意して下さい。
施設内の人員状況も理解しよう
またヘルプを頼む前に、施設全体の人員状況を把握しておくよう注意して下さい。
本来なら中間管理をする役職者の仕事ですが、機能してない職場も多いです。
フロアリーダー同士でやり取りする機会も多いのが現状ですね。
相手の人員のバランスを見て、時には自分達で解決する方法も考える必要もあります。
所属の職員に相談する
「希望休が何人も重なった」「どうしてもある場所のシフトがキツくなる」。
そんな時は、職員に相談を持ち掛けて下さい。
具体的な相談方法
- 申し送りノートで「誰か希望休がずらせないか相談」
- 公休の多いパート職員さん等に出勤を依頼
- シフトがきつくなった事実を報告確認
よくある問題ですし、こういった動き方も覚えておきましょう。
シフトがキツイ時でも、一言あれば心象は違うモノです。
協力してくれた職員には、きちんと感謝を伝えて下さい。
次に問題があった時は「優先して希望を守る」など、後のフォローも忘れずに。
早出や残業の「時間外労働」で対応
最後は定番の力業、「早出」「残業」「休日出勤」です。
業界の職員不足が進んでいる現状では、毎月の様に発生してる職場も多いでしょう。
シフト作成者としては心苦しいですが、これらと向き合わなければならない現実があります。
早出や残業時間が必要な場所、職員負担を軽減する配慮など…。
シフト作成時の「時間外労働のつけ方」も理解しておくべきでしょう。
日勤者を上手く活用する
時間外労働が発生する時は、下記を意識します。
早出や残業指示の注意点
- 日勤者で上手くフォローする
- 人や頻度に偏りを作らない
- 夜勤明けには残業をさせない
- 会議等で休日出勤が予想される日は、出勤にして予防
早出や残業は日勤者で上手くフォロー出来ます。
多くの介護施設では、勤務時間から「早・遅番・夜勤」が必須人員。
そのため、時間外労働は「早番の残業」と「遅番の早出」がメインです。
日勤を上手く調節する事で、時間外労働が発生する職員・頻度の偏りを防げます。
逆に日勤以外が不足すると、休日出勤が発生しやすくなります。
シフトや人員の問題は「チームで共有」する
ここまで色々と述べましたが、実際はなかなか上手くいきません。
無理な物は仕方ないので、出来る範囲で努力すれば良いだけです。
ただ他職員は、毎月のシフトから色々な事を感じてます。
チームの問題を共有し、配慮をして理解を得る事も重要ですね。
ここで述べた内容を意識すれば、チーム内の「働きやすさ」「信頼関係」の維持改善になります。
他にも「シフト作成の暇が無い」「作成者のシフトがキツくなる」という問題点もあります。
他人を気に掛け過ぎて潰れないよう、自分の事も大切にして下さいね。
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