高齢になったり、不調で体力が落ちていると、辛いのが和式トイレ。
「引っ越し先が和式トイレしかない」など、お困りの方もいるでしょう。
そんな和式トイレも、「簡易洋式便座」をかぶせれば洋式トイレとして使用できます。
置くだけなので、簡単に工事不要で設置できます。
今回は「簡易洋式便座の使い方と選び方」を解説。
その特徴やオススメ商品についてご紹介していきます。
簡易洋式便座とは
簡易洋式便座とは、和式トイレを洋式トイレのように使用する為の便座です。
和式トイレにかぶせる便座であり、これを置くだけで洋式便座と同じく腰かけて使用できます。
簡易設置型洋式便器(トイレ)等とも呼ばれ、メーカーにより言い回しが異なります。
洋式トイレを再現する「和式トイレにかぶせる便座」
簡易洋式便座がどんな物かは、実物を見ると分かりやすいです。
洋式トイレの「便座部分」にあたる商品ですね。
これを和式トイレにかぶせて使います。
※上記は段差がある和式トイレ用
簡単に設置でき工事不要のため、設置費用が安く済ませやすいのもポイント。
基本的にはかぶせるだけですが、便座や床にネジで固定できるタイプもあります。
簡易な物でも滑り止め機能が付いてます。
後述しますので、確認してから購入して下さいね。
介護保険を利用しての購入も可能
簡易洋式便座は「介護便座」とも呼ばれ、介護保険を利用しての購入も可能です。
介護保険を使って購入する場合、要介護認定を受けている事が前提条件になります。
要介護の場合は、特定介護福祉用具販売。
要支援の方は、特定介護予防福祉用具販売が利用できます。
※参考「厚生労働省(福祉用具・住宅改修)」
また当記事では、通販での商品リンクを掲載していますが。
通販では、介護保険の適用が出来ないケースが多いので、その点ご了承ください。
もし介護保険を利用したい場合、ケアマネなどへ相談し、都道府県の指定を受けた事業者を紹介して貰ってください。
簡易洋式便座の種類と選び方
簡易洋式便座には、大きく2種類があります。
また商品より、暖房便座やオイルダンパーなどの機能もあります。
お家のトイレや目的に合った便座の選び方を解説します。
「和式トイレの種類」で置ける洋式便座が違う
簡易洋式便座には、据置式と両用式の2種類があり、これらの違いは便座の高さです。
和式トイレには、段差が「あるタイプ」と「無いタイプ」があります。
平らな床の上に便器があるものもあれば、画像の様に段差の上に便器があるものもあります。
和式トイレ別の適した洋式便座の種類は、下記。
和式トイレのタイプと適した洋式便座
- 段差がある和式トイレは「両用式」
- 床が平らな和式トイレは「据置式」
適した種類を選ばないと、高さが合わず使いにくいので注意です。
購入前には、「トイレの段差」を必ずチェックしましょう。
スペースを有効活用して、使いやすい向きも選べますね。
洋式便座の色々な機能
簡易洋式便座には、便座の高さ以外にも、商品によって色々な機能が備わっています。
簡易洋式便座の機能
- 暖房便座
- ソフト便座
- オイルダンパー(蓋がゆっくり閉まる)
トイレ内にコンセントがあれば、暖房便座も選択肢に入ります。
寒い時期でも便座が暖かいので快適、商品によって温度調整も可能です。
⇒介護での「オススメ便座クッション」と「便座の痛み解消グッズ」
また簡易洋式便座は、便座カバーも使用できます。
その場合、O型の便座カバーに対応している事が多いようです。
オイルダンパーは、蓋の開閉時にゆっくりと動く機能ですね。
バタンという音はかなり気になるので、あると嬉しい機能です。
快適な環境を作る事で、自立を促したり活気的な生活に繋げていきたいですね。
購入前には「便座の大きさ」もチェック
トイレの段差の有無の他にも、自宅のトイレに設置できるか大きさをチェックしましょう。
商品説明に寸法も表記されているので、幅や高さなどを確認しておくと良いですよ。
また十分な足引きスペースが無いと立ち上がりにくいです。
設置後に窮屈になりすぎないよう、商品の幅や形状にも注目しましょう。
暖房など機能が充実するほど、やはり価格は高くなります。
そのあたりも考え、検討していただければと思います。
もし介護目的で使用される場合は、手すりの設置も検討して良いかもしれません。
こちらも簡単に設置できる商品が販売されていますよ。
タイプ別おすすめの簡易洋式便座
ここからは、おすすめの簡易洋式便座を特集します。
両用式と据置式でタイプ別に、価格目安やサイズも併せ紹介します。
もし自宅に対応してないタイプでも、調べると対応タイプが販売されてる可能性があります。
オススメの「両用式の簡易洋式便座」(段差あり用)
まずは両用式の洋式便座のおすすめから紹介します。
段差があっても立ち上がりやすいよう、高さが調整されている便座ですね。
シンプルで安いものから、機能にこだわった商品を選びました。
安価でシンプル「テイコブ腰掛け便座(両用式)」
まずは幸和製作所より、シンプルなデザインの「テイコブ腰掛け便座」
価格 | 4,290円程 |
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サイズ (幅×奥行×高さ) | 38cm×64.5cm×19.5cm |
簡易洋式便座の中では、比較的安価な購入しやすい商品。
(Amazon確認で4,300円ほど)
その代わり特筆する様な機能はなく、作りも非常にシンプル。
接地面はすべり止めのゴムがついています。
機能にこだわるなら「サニタリエース OD 両用式」
暖房やソフト便座、便座の補高など、機能にこだわりたい場合はこちら。
アロン化成の「サニタリエースOD」がおすすめ。
便座は標準タイプの他、暖房便座とソフト便座とバリエーションがあります。
便座とフタにオイルダンパーを使用しているので、手を離しても安心です。
価格 | 13,130円程 |
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サイズ (幅×奥行×高さ) | 40cm×60cm×22cm |
上記は、暖房便座タイプですね。
別売の補高スペーサーを取り付ければ、便座の高さも調整できます。
上フタは臭いが漏れにくい形状になっており、臭い対策もバッチリです。
安定感や立ち上がりに配慮「サニタリエース HG」
同じくアロン化成より、「サニタリエースHG」。
先ほどの商品のバージョン違いですね。
標準便座のみとなっていますが、安定感や立ち上がりに配慮した構造になっています。
価格 | 8,000円程 |
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サイズ (幅×奥行×高さ) | 40cm×63cm×21.5cm |
本商品の特長は下記。
- ネジで便座と仮固定できる
- 便座お尻部分がやや高く、立ち上がりやすい
- 便座が取り外し可能、お手入れがしやすい
高齢者に配慮しつつ、お手入れがしやすいという、洋式便座のデメリットを克服した商品。
ネジでの仮固定も出来るので、安定性にも優れます。
便座カバーでクッション性や暖かさをカバーすれば、隙のない便座になりますね。
据置式のおすすめ簡易洋式便座(段差なし用)
続いて、据置式の洋式便座のおすすめを紹介。
基本的な機能は両用と同じですが、90度や180度など、向きを変更し設置できる商品もあります。
段差が無い分、スペースを有効活用して設置できますね。
間違って購入しないよう、注意しましょう。
シンプル安価な「トンボ 洋式便座 据置型」
据置型もまずはシンプルなデザインの便座を紹介します。
新輝合成株式会社より、「トンボ 洋式便座(据置型)」
価格 | 4,300円程 |
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サイズ (幅×奥行×高さ) | 43.5cmx56cmx39.5cm |
こちらは、シンプルな代わりに安価なタイプですね。
価格は4,300円程度。
探せばもう少し安い価格の便座もありますが、価格目安としてはこの辺りになりますね。
機能充実で設置向きも変更可「サニタリエース」
据置式でも機能を求めるなら、アロン化成の「サニタリエース」シリーズがオススメ。
暖房やソフト便座、便座補高といった機能。
それに加え、設置向きの変更が可能なシリーズもあります。
価格 | 17,210円程 |
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サイズ (幅×奥行×高さ) | 44.5×61.5×40cm |
こちらのSDタイプは、90度回転して便座を設置する事も可能なタイプです。
加えて暖房便座機能が付いてます。
サニタリエースの据置式便座は、3タイプあります。
アロン化成の据置式便座
- サニタリエースOD(標準)
- サニタリエースSD(90度回転可)
- サニタリエースHG(180度回転可)
これらから、「暖房便座」や「ソフト便座」などの機能の有無を選ぶ事が出来ます。
上記商品は、SD(90度回転)タイプで暖房機能付きということですね。
機能で価格が変わってきますから、必要なものを取り捨て選択できるのも魅力です。
前後の向き変更可「パナソニック 洋風便座N」
こちらの据置便座は、180度回転して設置可能なタイプ。
便座カバーも付属してます。
パナソニックより「洋風便座据置型N」です。
価格 | 10,660円程 |
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サイズ (幅×奥行×高さ) | 44cm×60cm×39cm |
商品のバリエーションに乏しい分、アロン化成より価格は安い傾向にあります。
※ショップにより値段は異なります
機能にこだわりが無く、前後の向きだけ変えたい場合、こちらの方が安く済むかもしれません。
便座カバーが付いてくるのも、何気に嬉しいですね。
介護目的ならポータブルトイレもアリ
介護目的で洋式便座の導入を検討されている方もいるかと思います。
…でもトイレが遠かったり、使用に不安が残る事もあるかもしれません。
ご本人の状態や、トイレ環境次第では、ポータブルトイレの使用も良いかもしれません。
設置場所も自由で、寝室にも置けます。
下記記事で特集していますので、よろしかったらご覧ください。
最後に
今回は、和式トイレを洋式にできる「簡易洋式便座」についてお届けしました。
最後に商品選びや購入のポイントについて、要点をまとめます。
簡易洋式便座とは
- トイレに段差があるかで、購入すべきタイプが違う
- 暖房便座やソフト便座などの機能も
- 介護保険を利用できる(要介護度や事業者の指定など、条件有)
もし立ち上がりに不安があれば、簡単に設置できる手すりもあるので検討しましょう。
またトイレットペーパーホルダーなど、簡単に置ける商品もありますよ
介護用のトイレ便座には、他にも沢山の種類があります。
例えば、便座を高くできる「補高便座」。
痛みを軽減できる「ソフト便座」、立ち上がりを補助する「リフト便座」などですね。
⇒介護用のトイレ便座まとめ!状況別のオススメ便座種類と選び方
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