介護業界は、転職活動が盛んにおこなわれる業界です。
同時によくあるのが、退職時のトラブル。
入れ替わりが激しい分、思わぬところで自分の評価を下げる事もあります。
私も長く介護で働いてますが、他以上に円満退職の必要性が高いと実感してます。
いつどこでも安心して働けるよう、トラブルなく退職する伝え方を確認しましょう。
介護職が円満退職すべき理由
どの仕事でも、心情としては笑顔で円満退職したいですよね。
また長く働くうちに、昔の同僚と新しい職場で一緒になったりもします。
気持ち以外の理由でも、やっぱり最善は円満退職が理想です。
なかでも特に、介護業界では円満退職の必要性が高いです。
- 転職回数が多くなりがち
- 新しい施設でも昔の同僚と合う機会が多い
介護業界歴が長くなるほど、知り合いと再会する可能性が高くなります。
自分が思っている以上に世間は狭いのです。
転職回数が多く、知り合いに会う可能性が高い
まず介護業界は、他よりも職員の入れ替わりが激しい業界です。
それには職員不足による忙しさ、人間関係など、転職要因が多い事。
売り手市場で転職がしやすく、新規施設のオープンが多いなど、様々な要因があります。
とにかく自分も周囲も、動きが多いという事。
新規施設だと思って転職しても、誰とどこで会うか分からず、その可能性も高いですね。
介護業界は狭い
こうした事情もあり、退職時のトラブルは避けた方が賢明です。
新しい職場に移っても、「問題がある人」のレッテルを貼られる可能性が出てきます。
人の移り変わりが多いという事は、業界の知り合いが増える機会も多いです。
また介護業界は女性が多いのもあり、噂話は広まるのも早いです。
いつ誰が自分の事を見ているか分かりません。
退職時だけでなく、普段から職場での振る舞いには注意したいところです。
円満退職は「自分の為に必要」
ここまでの話で何が言いたいかというと、円満退職をするのは自分の為という事。
自分がいつ、どこでも働きやすい環境にいる為に必要な事です。
退職時のトラブルがあれば、いつそれを知る人物と再会するかもわかりません。
退職時だけでなく、普段から職場での振る舞いには注意したいところですね。
介護職が円満退職を目指す流れ
円満退職といっても、そこまで大袈裟なモノでもありません。
問題を起こさず、穏やかに退職できればOK。
揉め事やトラブルなく、「お疲れ様でした」と終わる事を目標としましょう。
ここで一般的な退職方法を確認します。
- 直属の上司に退職を伝える
- 業務の引継ぎをする
- 書類手続きや物品の返品をする
- 退職の挨拶、手続きをし完了
順に見ていきますね。
上司への退職の伝え方
退職の意思が決まったら、まずは上司に相談します。
直属の上司に話すのが一般的ですが、それでは話が前に進まない事もあります。
経験則では、主任やリーダー等に伝えた後、下記役職者に話すのがスムーズですね。
- 施設長などの管理者
- 介護課長など自分の部署のトップ
職場により、「人事の相談はこの人に話す」という流れ等もあるので、臨機応変に対応して下さい。
「主任にも伝えましたが…」「他の役職者にも、私から話して良いでしょうか?」などの言葉を交えつつ、必要な人に情報が伝わるようにしましょう。
退職日は「1~3か月前」までに伝える
また退職を伝える際は、退職日の1~3か月前には話すようにして下さい。
勤務シフトで言うと、当月分~次月分は出勤するイメージですね。
有休消化は早くて次月、もしくはそれ以降に始まる感じです。
リーダーや主任等の役職者は、後任の関係もあるので、もう少し早めに伝えましょう。
まだ辞めるか迷ってる方は、こちらも併せてご覧ください。
業務の引継ぎ
退職が決まったら、自分の担当業務の引継ぎをします。
一般介護士で言うと、下記の様な内容ですね。
- 居室担当
- 委員会
- 係
ただ自分の退職をいつ明らかにするのか、後任が決まらない等の問題もあります。
完璧に引継ぎを出来る事は少ないので、自分しか分からない事を残さない意識でいればOK。
上司など、誰かしらと情報共有出来ていれば大丈夫です。
退職時の手続きと返却物
退職の際は、書類手続きや物品返却などもあります。
例えば、下記書類を会社から受け取る必要がありますね。
- 年金手帳
- 源泉徴収票
- 雇用保険被保険者証
基本的には、事務員に相談すれば大丈夫です。
また転職先が決まってない場合、離職証明書の受け取りも忘れない様にしましょう。
詳しくは、市役所やハローワークに相談してみて下さい。
制服や名札の返却
こちらから返却する物には、下記の様な物があります。
- 制服
- 名札(勤怠チェック等のICカード)
- その他
加えて、ロッカーやレターケースは他の職員が使う事になります。
最終出勤日までには、キレイに片づけておきましょう。
最後まで好印象を残せるよう、物品はキレイに忘れず返却しましょう。
退職の挨拶
退職時は、お世話になった職員への挨拶も大切です。
「お世話になりました」といった簡単な内容でもOKです。
勤務表を見て、会える機会を逃さないようお礼と挨拶をして下さい。
最終日には、菓子折りを用意しておくと好印象。
今までのお礼も兼ねて、ぜひ渡すようにして下さい。
渡すお菓子は、日持ちして小分けになっているクッキーなどがオススメ。
事務所と自分の部署へ、それぞれ用意すれば大丈夫です。
利用者へ退職の挨拶はすべき?
施設の利用者へは、退職は伝えなくて大丈夫です。
認知症の方などもいますので、精神的な悪影響を与える恐れがあります。
退職の話はせず、他職員に上手く話してもらいましょう。
その場合でも、クリアで精神的に問題ない方など、話すべき方は限られると思います。
円満退職に向け意識したい事とコツ
円満退職を目指すには、他にもいくつか意識したい事があります。
たとえ退職が決まっても、最後までお互い気持ちよく働けるようにしましょう。
多少上手くいかなくとも、ここを押さえればOKなポイントがあるので紹介します。
職場へ迷惑を掛けないよう配慮する
円満退職にあたっては、周囲への気遣いも大切です。
退職の際は、職場や周囲への迷惑は最小限に抑えるよう配慮しましょう。
- 退職日は余裕を持って伝える
- 退職や職場の悪口を言いふらさない
- 引継ぎや返却物の管理は、ちゃんと行う
基本的には、先述した内容を守れば大丈夫です。
後は、退職は基本的に上司にのみ話すという事。
周囲へ話すタイミングは、上司のOKが出てからにし、混乱を招かない様にします。
ただ退職で周囲に負担をかけないタイミングはありません。
周りを気遣いすぎて、自分の退職日が後伸ばしにならないようにも注意しましょう。
退職理由は「前向き」「やむを得ない内容」を話す
退職理由は、出来れば「前向き」「やむを得ない」内容が周囲の理解を得やすいですね。
例えば、下記の様な内容ですね。
- 他種類の施設で働いてみたい
- 相談員等、他職種を経験したい
- 引っ越しなどの「家庭の事情」
ただ皆さん、そう都合の良い退職理由ばかりではないはず。
実際には「人にも環境にも恵まれ感謝してるが、身体が疲れた」などでも、大丈夫です。
上記は私の話ですが、意外と「そうだよね」と理解を得る事は可能です。
あまり噓っぽい内容になるなら、周囲を気遣いつつ、うやむやにするのもアリ。
周囲には感謝を伝える
先程の内容と被りますが、周囲へ感謝を伝える事です。
- 迷惑かけますが、後をお願いします
- 今までありがとうございました
- また一緒に働く事があれば、よろしくお願いします
こういった気遣いの言葉があれば、要らぬ誤解を防ぎ、心象を良くする事に繋がります。
自分の意志は通しつつ、感謝や気遣いの言葉を忘れないようにしましょう。
普段の人間関係、働きやすさにも繋がるので大事にしましょう。
「円満退職が無理」と思った時の対処法
自分が円満退職を望んでも、上手くいかない事もあります。
その最たる理由は、退職引き留めですね。
- 給料や休日の配慮をするので、残って欲しい
- もう少しだけ、退職日を伸ばせないか?
- これから職場を良くするから、考え直して欲しい
こういった言葉があった時は、「申し訳ありませんが…」と応じなくてOKです。
改善される保証もありませんし、大抵は話が後伸ばしになるだけです。
自分の気持ちが動かない限り、応じる必要はありません。
また悪質な例になると、パワハラなどを受ける可能性もあります。
そうした場合、完全な円満退職は難しくなります。
他職員もちゃんとみてますので、上司でなく周囲の理解を得られれば良しとしましょう。
退職が難しい場合、退職代行等のサービスもあるので活用して下さい。
例えば、こんなサービスもあります。
⇒会社や上司へ連絡不要!【退職代行ガーディアン】
退職トラブルの元となるNG行為
最後に、退職トラブルの元となるNG行為もお伝えします。
逆に言えば、ここにある事をしなければOKという内容ですね。
- 無断欠勤や急な退職
- 他人や職場の悪口を言う
- 仕事に無関心・無責任になる
「明日から来ません」などの突然の退職宣言。
または無断欠勤などは、当然やってはいけません。
他職員や職場の悪口もNG。
退職するぐらいなので言いたい事は多いでしょうが、不必要に不平・不満は言わない方が無難です。
「私はもう辞めるから」と、仕事に無関心・無責任な態度もNGです。
最終出勤のその日まで、普段と変わりなく仕事に専念しましょう。
また在職中の転職活動は、行っても大丈夫です。
退職・入職日などのスケジュール管理に注意し、双方へ迷惑をかけなければOKです。
退職手続きを進めつつ、求人チェックなどに動いておきましょう。
「仕事が決まらない」という不安、退職引き止めへの対処もしやすくなるのでオススメです。
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