介護用トイレの1つに「立ち上がり補助便座」があります。
これはトイレリフトとも呼ばれ、便座が電動式で動き高くできる介護用品。
 お家のトイレにも取り付けでき、トイレ介助や高齢者の自立を助けてくれます。
本記事では、「立ち上がり補助便座の機能や選び方」を解説します。
実際の商品や取り付け費用、介護保険との関係などもまとめました。
「立ち上がり補助便座(トイレリフト)」とは

立ち上がり補助便座とは、昇降式の便座。
 あるいは昇降装置を指します。
電動式やスプリング式であり、使用中に便座高さを変えることが可能です。
※見やすさの為、以下トイレリフトの表記を中心にします
その名の通り、便座を高く動かす事で立ち上がりをサポートします。
まずは立ち上がり補助便座の基本的な事を説明します。
トイレリフトの電動機能と使い方

先述の通り、トイレリフトを使うと便座を高くできます。
商品によりますが、「垂直」と「斜め前方」の2種類の動かし方が出来ます。
座ったり立つ時は、便座を上げる。
 トイレで排泄をする時は便座を下げるのが、基本的な使い方ですね。
また便座両脇には、アームレストがある商品もあります。
商品リンクで申し訳ないですが、下記の様な商品です。
上記は、定番ともいえるTOTOのトイレリフト。
 こちらを便器の上に設置し、さらに便座を置いて使用する形になります。
動かしている場面は、下記動画をご覧になってみて下さい。
 トイレ関係の他用品も紹介されており、参考になると思います。
トイレリフトを取り付けるメリット

トイレリフトを取り付けるメリットは、便座を高くし立ち上がりを楽に出来る事です。
下記の様な時などに、使用を検討しましょう。
- 立ち上がりに不安がある
 - トイレ介助を必要とする
 

持病や身体能力の低下などで、立ち座りに不安がある方。
 トイレ介助の負担を少なくしたい時などにオススメ。
トイレリフトを使うメリットは、立ち上がり動作までサポートしてくれる事。
 使用中に高さ変更し、立ち上がり動作を助けるのが特徴ですね。
トイレリフトの「斜め昇降」は、そんな自然な動作を助けてくれます。
便座を高くするだけであれば、上記の様な「補高便座」でも可能です。
金額的にも購入しやすく、工事不要で設置できます。
 こうした福祉用品や手すりを使用するのが、現実的な選択肢になるかと思います。
トイレリフトは「介護保険で購入可能」
トイレリフトは、介護保険を利用した購入が可能です。
介護保険では「腰掛便座(立ち上がり補助便座)」として扱われ、福祉用具販売の給付対象。
 原則として1割負担(所得が一定上の場合2~3割負担)で購入できます。

またトイレリフトを介護保険で購入する場合、原則として要介護2以上が条件です。
さらには、都道府県の認定を受けた事業者で購入する必要があります。
 介護保険の利用を考える場合、まずはケアマネや地域包括支援センター等へ相談して下さい。
立ち上がり補助便座(トイレリフト)の選び方

トイレリフトを選ぶ際は、特に下記ポイントを意識すると良いでしょう。
- 昇降範囲
 - アームレストの有無
 - 設置条件
 
これらは商品により異なるので、注意が必要です。
昇降範囲と動き方

昇降範囲は、最大で11~15cmほどでしょうか。
 立ちやすさは身長で異なる為、大きい人ほど高く上がる方が良いですね。
「垂直昇降」と「斜め昇降」など、昇降動作も要チェックです。
どちらで使うか、考える必要がありますね。

垂直昇降は、「足が曲げにくい」「座位を安定したまま立ち上がりたい」という方。
 斜め昇降は、「自然な動作で立ち上がれる」方にオススメです。
跳ね上げ式であれば場所も取りにくいので、理由が無ければあった方が良いですね。
トイレリフトの設置条件

もう1つ重要なのが、便器やトイレ環境などの設置条件がある事です。
加え、本体は便座昇降装置であり、商品にあった便座を用意する必要があるモノもあります。
 便器交換など、本体以外にも様々な準備が必要と思っていた方が間違いないと思います。
あるいは、介護リフォームに強い業者へ相談しましょう。
選ぶなら、現状は「TOTOのトイレリフト」
選び方とは言ったものの、トイレリフトの商品数はかなり少ないです。
調べた感じ、現在設置を考えるならTOTOの「トイレリフト」という商品になると思います。
 最初の方で、動画でも紹介した商品です。
代替品は無いとの事。
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下記に商品概要を簡潔に示しておきます。
- 電動式で昇降、動きは「垂直」・「斜め」から選べる
※切り替え作業は設置業者が行う - 昇降高さは「標準」と「高」を選べる
 - アームレスト、水撥ねガード付き一般住宅での使用を想定
 
注意点としては、「蓋なし便座」を使う必要がある事。
 トイレリフトを設置した場合、通常より3cm座面が高くなることですね。
設置条件は複雑で、長くなるので割愛。
 詳しくは、リフォーム業者等に確認してみた方が間違いないかと思います。
立ち上がり補助便座(トイレリフト)の取り付け費用は?

トイレリフトの価格や取り付け費用を確認してみましょう。
まず「立ち上がり補助便座の本体価格」がこちら。
- TOTO「トイレリフト」
⇒186,000円 - LIXIL「おしリフト」※現在は廃盤
⇒79,800円 
おしリフトは廃盤となっているので、取り付け費用込みで約20万円ちょっとでしょうか。
立ち上がり補助便座の設置事例

またトイレリフト設置の際は、便器交換が必要な事も多くなります。
ホームプロさんにある「トイレリフトの取り付け事例」も紹介します。
- 40万円(トイレリフト+L字手すり+間口をひろげる)
 - 47万円(トイレリフト+便器交換+壁紙変更)
 
単体での取り付け購入事例は無く、上記は他リフォーム込みでの費用です。
トイレの状況やリフォーム内容により、価格は大きく変わりますね。
 上記事例だと、およそ50万円程度が目安でしょうか。
手すりの設置も必要になる事も

トイレリフトが必要な状況では、立ち上がりが難しい状況と思われます。
先例にもありましたが、リフトだけでなく「手すり」の設置検討もすべきでしょう。
 トイレから立ち上がれない時、手すりの使用でより立ち上がりやすくなります。
立ち上がりには、特に縦型の手すりが役立ちます。
 トイレで使うには、「L字」や「縦型」の手すりを選択すると良いですね。
利用者やトイレ状況により必要工事は異なるので、専門家と相談しましょう。

まずは見積もり等の相談から始めてみてはいかがでしょうか。
下記のホームプロは、厳選されたリフォーム会社の比較や紹介を受けられるサービス。
 紹介や費用相談は、無料で利用可能です。
さいごに
今回は「立ち上がり補助便座(トイレリフト)」を解説しました。
在宅介護でのトイレは、負担が大きく、事故も起こりやすい場所です。
 介助者としても、介護負担や危険への不安が多いと思います。

トイレに関する介護用品は、他にも「ソフト便座」や「ポータブルトイレ」等があります。
 悩みに応じたグッズは沢山あるので、この機会に色々な介護用品を調べてみて下さい。
またお風呂場も、トイレと並んで危険や負担が大きい場所です。
 特に、「浴槽をまたぐ動作」は自宅での入浴のネックになりがち。
トイレリフトに関心がある方へ、最後に役立ちそうな関連記事をご紹介します。

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