介護職が働く職場には様々なモノがあり、有料老人ホームもその1つ。
入居施設は数が多いのもあり、介護職の代表的な職場ですね。
今回は有料老人ホームの仕事について、「キツイと感じた事」を中心に紹介。
現場の介護職で3年以上働いた経験をもとに、大変だった事を感想にまとめました。
興味があるけど迷ってる方は、ぜひご参考下さい。
介護職目線での「有料老人ホームの仕事特徴」
まず介護職目線における、「有料老人ホームの特徴」を簡単に説明します。
- 大型の入居施設
- 様々な介護度の方を受け入れている
- 介護職の仕事内容は「バランス型」
他入居施設と比較すると、入居者の介護度が幅広いのが特徴。
要支援・要介護、入居条件が緩い施設だと「自立」の人がいる事もあります。
多くの施設では、認知症の有無も関係なく入居されてます。
そのため、介護職は「全介助」や「見守り」の方など様々な介護度の方を対応します。
入居施設としては、日常的なレクも盛んな傾向ですね。
介護職の仕事内容も、何かに特化するより色々な事を行う形です。
他の施設と比べると、有料老人ホームはバランス型の仕事と取る事が出来ます。
介護度3以上が入居でき、身体介助メインの特別養護老人ホームなどがあります。
また有料老人ホームは、入居施設としては大型な部類。
施設内は1F2F等のフロアで区別され、職員や利用者もフロア単位で配置されます。
規模にもよりますが、1階あたりの利用者数は25~40名ぐらいが目安。
有料老人ホームには、施設職員が介護サービスを行う「介護付き」。
訪問などの外部の介護サービスを利用する「住宅型」と種類があります。
私は「介護付き」が長く、当記事もそちらの内容がメインです。
仕事内容等、詳しくは下記記事も併せ参考下さい。
有料老人ホーム介護職の仕事でキツイ事
有料老人ホームで働いてみて、仕事でキツイと感じた点は下記。
- 様々な介護度の利用者がおり、柔軟な対応が必要
- 仕事の幅も広く、マルチな仕事を求められる
- 物品管理が大変
- 24時間仕事があり、休みや勤務時間が変則的
自立してるぶん利用者の主張がはっきりしており、他施設より職員のペースが乱されやすい事。
相手からの相談や依頼、細々とした仕事も多い点が特徴。
様々な事に意識を割く必要があり、身体より精神的に疲れる場面が多めですね。
入居者数と個性の幅が広く、柔軟な対応が必要
冒頭の通り、有料老人ホームは様々な介護度の人が入居できます。
例えば「要支援でほぼ自立した方」もいれば、「要介護4で様々な介助が必要な方」もいます。
さらには、人により認知症の有無や程度も異なります。
そのため介護職員には、相手に合わせた柔軟な対応を求められます。
1フロアの人数も多い為、ケア方法や上手い対応の把握に苦労しがちです。
職員の接遇・対応について、意識すべき場面も少なくありません。
しっかりした方も多く、他施設と違う意味で「職員の言葉選び」も重要です。
幅広い個性を持つ入居者が大勢おり、「高齢者同士の人間関係」にもよくトラブルが発生します。
時に「認知症のある方」と「ない方」の間に入り、上手く間を取り持つ必要もあります。
スマホ・携帯を持つ入居者も
有料老人ホームで驚いたのは、スマホや携帯を持ってる利用者が多い事。
特養などの公的施設と違い、民間施設の有料は携帯の持ち込み制限はありません。
しかし職員目線だと、ちょっと大変な事も…
- 利用者がスマホで家族と電話し、施設に家族から確認の電話がきた
- 充電や電話のかけ方など、使い方のサポートをする
- 利用者が頻繁に家族に電話してしまう為、上手く声掛けする
こうした光景は、有料老人ホームならではかと思います。
特養やグループホーム、サ高住などを経験しましたが…
それらとは、やはり「入居者の層」が違う印象。
やるべき仕事が多い
有料老人ホームは、やるべき仕事内容が多いのもキツイところ。
- 毎日の3大介護(食事・排泄・入浴)
- レクリエーション
- 物品管理
- 記録管理
- 委員会や研修参加
これは他の介護施設でも行う、共通の仕事です。
有料老人ホームのキツイ点としては、全てをバランスよく行う必要があるところ。
特養もキツイ忙しいと言われますが、それは「身体介助の多さ」にあります。
有料老人ホームの場合、介助量は特養ほどではありません。
しかし元気な人が多い分、レクリエーションに力を入れた施設もあります。
このレクが結構きつく、企画から準備・実行まで多くの手間が必要です。
特養のキツさとはベクトルが違うというか、よりマルチタスクの仕事を求められます。
実は私もレクは大の苦手なんですが、何とかやれてます。
もし「絶対レクは嫌だ」という方がいれば、下記記事も参考にしてみて下さい。
利用者数が多く、24時間仕事がある
有料老人ホームは、24時間対応の大型入居施設。
夜勤や早番などの出勤シフト、休みが変則的な勤務であるのもキツイ点。
土日や祝日も関係なく、一年中24時間仕事があります。
特に夜勤は「稼ぎたい」「やりたくない」など、好みが大きく分かれるところ。
⇒介護職で正社員になるには?
希望休も一般的に3日までなので、予定が立てにくい一面も。
これは有料老人ホーム含め、他入居施設にも言えますね。
夜勤が大変な職場も
有料老人ホームの夜勤は、人数の割にオムツ交換の量は少なめ。
しかし人員配置がキツイ施設では、20人以上の利用者を1人で対応する所もあります。
ただ職場によりますが、特養等に比べ暇な時間も多い印象です。
自立度の高い利用者を2人で対応しつつ、仮眠もしっかり取れる施設もあります。
⇒介護夜勤は仮眠休憩なしが普通?
利用者対応以外の仕事も、意外と多くて疲れる事も。
そうした仕事量も、施設で大きく異なります。
有料老人ホームは、職場による夜勤のキツさの差が激しいかもですね。
物品管理が大変
個人的な印象ですが、有料老人ホームは物品管理が大変に感じました。
- オムツ・日用品類の出庫管理
- 家族への購入依頼
上記の様な必要物品の管理は、主に介護職が行います。
有料老人ホームは、こうした管理がきっちりしてる印象。
「あの利用者のこの物品は家族購入」「こっちは施設から出庫」。
出庫伝票や購入依頼書の作成など、物品に関しても面倒な事が多いですね。
利用者から必要品の購入相談をされる事もあります。
どんな物が良いかをヒアリングし、施設で利用可能かを事務所と相談。
また利用者の状態に合わせ、介護用品の購入を検討したりなんて事もします。
⇒介護施設における「居室担当の仕事内容と役割」
入居者の属性的に、意思のはっきりした方が多い点。
介護度などの状態変化が激しくなりがちなのも、大変さに関係してると思います。
有料老人ホームの介護職で「働いた感想」
キツイ点ばかり話しましたが、個人的には有料老人ホームは働きやすく感じます。
その理由は「平均介護度の低さ」。
入居者数が多くても、「全く手のかからない人」がいるのは大きいです。
仕事で考える事は増えたとしても、かなり身体は楽ですね。
実際に私はよく、働きやすい職場として有料老人ホームを紹介してます。
ただどの職場でも、キツイと感じる場面はあります。
良い点だけでなく、大変な事も紹介すべきと思い、今回は記事にしました。
有料老人ホームの仕事総評としては、下記になります。
キツイこと |
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---|---|
働きやすい点 |
|
有料老人ホームは、色々な事をバランスよくこなす必要がある点。
意思のはっきりした入居者が多く、柔軟な対応が求められる点が大変です。
しかし、介助量はあまり多くない傾向です。
マルチな仕事を求められますが、1つ1つの量はそこまででないです。
「今の職場がキツイ」「初めて介護職に挑戦する」という人は、検討どうでしょう。
相性が悪い人がいるのも間違いないので、参考にしてみて下さい。
さいごに
今回は「有料老人ホームの仕事でキツイ事」を紹介しました。
どの介護施設・職場にも、人により相性はあるモノです。
私は「特養なら有料の方が楽」と感じましたが、その逆の印象を抱く人もいます。
そうした人の話を聞くと、「マイペースに身体介助をしたい」。
「レクが好きじゃないし、嫌だ」という方とは、相性が良くないみたいです。
身体というより「精神的に疲れた」という方もよくいる印象。
個人的には、有料老人ホームは未経験者にオススメしたい職場。
夜勤の人員体制が厚い施設なら、初心者も安心して正社員を目指せるかと思います。
職場によっては、私とは違った印象を抱く方もいるかもしれません。
施設数も多く、好みにあった求人も選びやすい職場だと思いますよ。
介護職に特化した転職サービスもあるので、ぜひ色々と探してみて下さい。
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