介護施設の仕事の1つに、居室担当というモノがあります。
「居室担当を持ったけど、何が仕事?」と、疑問の方もいるでしょう。
居室担当は職場により、具体的な仕事は異なります。
ただ「居室内の物品管理や環境整備」など、大まかな役割は決まってます。
具体的な仕事内容から、細かな疑問まで解説していきます。
介護施設における「居室担当の役割」
介護施設の居室担当とは、その居室の利用者に関する役割を主だって担当する職員の事です。
ユニット型施設を中心とした多くの施設では、居室担当制が採用されてます。
こうした施設では、利用者一人ひとりに職員による担当が付きます。
ただ身体介助などは、全ての介護職員で行います。
居室担当者が行うのは、日常的なケア以外の役割となります。
居室担当の主な役割
一般的に居室担当者の役割には、下記の様なモノがあります。
- 居室の環境整備
- ケアに必要となる会議への参加、書類作成
- 利用者からの相談役
先の通り、「担当となった方に関し、主体となり関わる」事となります。
居室担当と呼ぶだけあり、多くの施設では居室の環境整備が主な役割です。
例えば、「タンスの整理」「足りない衣服や物品の確認」などですね。
「ケアの改善」や「要望確認・相談役」も
その他でいうと、ケアに関する会議参加や書類作成もあります。
アセスメントや24シートの作成などがそれに該当します。
また居室のネームプレートと共に、居室担当者名の掲示をする施設も多数あります。
それにより利用者様やご家族も、「何かあればこの人に言えば良い」と認識します。
利用者様からの要望を受けたり、相談相手としての役割も自然と持つ事になりますね。
具体的な役割・仕事内容は施設で異なる
居室担当に求められる役割や業務は、その施設で大きく異なる事があります。
例えば、会議に担当者が必須でない施設もあれば、逆もあります。
この様に、居室担当に求められる役割や仕事。
与えられる権限まで介護施設により違い、言い切る事が難しいのが正直なところ。
日常的なケア以外で、主体となり役割を担う職員という認識で大丈夫です。
居室担当者は誰がなる?
居室担当者になるのは、現場の介護職員(介護士)です。
そして居室担当を決めるのは、主任などの担当フロアの役職者が中心となります。
主に正社員が担当を持つ事になりますが、直接雇用のパート社員も担当を持つ事はあります。
これには人員的な理由もあり、担当者数では正社員の方が多く受け持つのが一般的です。
急ぎの事であったり、利用者に不便があれば、職員同士でのフォローもします。
介護施設における「居室担当の仕事内容」
ここからは、居室担当の具体的な仕事内容を紹介します。
既述の通り、その役割は施設により異なります。
ここでは私が経験したモノを中心に、よく与えられる下記仕事内容について紹介します。
- 居室の環境整備・物品管理
- ケアに関する「会議参加」「書類作成」
- ご家族への手紙作成
- 利用者からの相談、要望確認
それでは、見ていきましょう。
居室の環境整備・物品管理
物品や環境など、居室内の管理も居室担当の仕事です。
具体的には、下記の様な内容を行います。
- 衣服や消耗品の不足分確認、購入依頼
- タンスの整理、衣替え
- 入退去時の持ち物チェック
代表的なのは、「ズボンが足りない」「入れ歯洗浄剤が減ってきた」など、不足品の確認。
入退去時には持ち物数をチェックをしたり、名前を書く等の仕事もあります。
他にも歯ブラシの交換などの「消耗品の管理」。
加え、タンスの中の整理や衣替えといった事も行います。
職場によっては、介護職員が連絡するケースもあります。
利用者様には「居室の管理は自分でしたい」「自分で管理ができない」など、様々な方がいます。
相手の意思を尊重しつつ、一緒になって上記サポートをする事となります。
ケアに関する「会議参加」「書類作成」
介護施設では、利用者様のケア方法に関する会議の開催。
またはそれに関する書類作成なども行う必要があります。
居室担当者には、担当利用者に関する会議への参加や積極的な発言。
ケア方法に関する必要資料の作成も、仕事内容として割り当てられる事があります。
資料にはアセスメントシートの他、ユニットケアでの24シートなどがあります。
こうした会議等では、現在のケアにおける問題・改善点。
ご本人の状態や要望などについて話し合われます。
ただ自分が担当となった利用者様の心身状況は、日頃から観察理解しておく必要がありますね。
ご家族への手紙作成
介護施設によっては、居室担当がご家族への手紙を作成する事があります。
これは、毎月の生活状況についてお知らせする手紙です。
「こんな様子で過ごしてる」「こんなイベントを行った」という内容を記載します。
ご家族への手紙は、具体的に下記の様な内容を記載します。
- 生活の様子や体調、エピソードなど
- 施設で行ったレクやイベントの内容
- 施設の予定や季節の挨拶
こうした内容の手紙を毎月作成します。
内容はネガティブなものより、ポジティブな事を多く記載しましょう。
パソコンで作成する職場もありますが、現状は手書きで作成する所が多い印象です。
利用者からの相談、要望確認
その他の仕事・役割には、利用者様の要望確認や相談役といったモノもあります。
介護施設で生活する利用者様には、毎日色々な悩みが出てきます。
- ヘアカットの予約をしたい
- 「買いたい物」「必要品」が出てきた
- 新聞がとりたい
- 身体や健康の相談をしたい
こんな時、介護施設の利用者様にとって近しい存在は介護職員です。
介護職員には、利用者の相談・要望を受け付ける相談窓口の役割もあります。
相談員や看護師、ケアマネなど、必要職種に話を繋ぐのも大事な役割です。
自分の居室担当者は、最も近しい存在ともいえますね。
居室担当の仕事は大変?
居室担当の仕事が職場で異なる以上、「大変すぎてキツイ」という事もでてきます。
ここからは居室担当の仕事について、より実際の現場に迫った内容に触れます。
「こんな事に注意」という情報を話しつつ、ここまでで説明できなかった内容を補足します。
実際の仕事で大変なこと
居室担当の仕事・役割は、職場によって異なります。
中には過度な業務割り振りをする施設もあり、「業務がキツイ」と感じる事もあります。
下記は、居室担当が大変になってしまう例です。
- 要求が多いなど、対応の難しい利用者を任される
- 衣服や物品購入など、時間外に業務をさせられる
- 担当以外の職員が関心を示さず、協力がない
例えば、「要望が多い」「気難しい」など、対応の難しい利用者様の担当となった時ですね。
居室担当が何をするかは、職場次第です。
その為に「時間外に必要物品の購入までやらされる」など、業務過多になる事も…。
居室担当制が「働きにくさの要因」となる事も
「これは居室担当の仕事」という意識が過ぎると、他職員が関心を示さず知らんぷり。
あるいは協力しにくく、手を出しにくいという事態にもなりかねます。
少しくらいルールがふわっとしてる方が、働きやすい印象です。
業務の在り方も、また施設次第。
雰囲気にも関わるので、介護職としては大事な要素です。
協力姿勢を損なわず、可能範囲での業務分担に役立てるのが現実的な活かし方でしょう。
居室担当の変更はある?
居室担当の職員は、基本的にこまかく変更する事はありません。
ただ実際には、「職員の入退職」などに伴う変更は結構あります。
また利用者も職員も人間ですので、「話をしにくい」など相性の問題もあります。
先述のように「対応が難しい方」もおり、不公平を感じる職員も出てきます。
そうした問題から、ある程度の時期で変更や見直しをする事も珍しくないです。
あまりに酷いと感じたら、声をあげて上司に相談して下さい。
介護はチームワークな以上、理不尽に面倒事を押し付けられる事もあります。
今の環境が辛いと思ったら、逃げる選択肢もある事を覚えておきましょう。
居室担当を持ちたくない時の対処方法
ここまで紹介したように、居室担当の仕事は結構大変です。
「居室担当を持つのは嫌だな」と思った方もいる事でしょう。
もし居室担当を避けるのであれば、介護派遣で働くのがオススメです。
出来るだけ避けるなら、介護派遣が良いでしょう。
介護派遣であれば、他にも「委員会」「係」なども避けられます。
利用者の介護のみに集中したいなら、オススメしたい働き方ですね。
![](https://crane-kaigo.com/wp-content/uploads/2022/03/介護派遣と正社員はどっちがおすすめ-160x90.jpg)
時給相場も良いので、興味があれば検討してみて下さい。
さいごに
今回は、「介護施設における居室担当の役割と仕事内容」をご紹介しました。
現場の介護職員は、他職種より利用者との関係性が大切になります。
良好な関係があれば、仕事もしやすくなり、評価ややりがいにも繋がります。
居室担当業務においても共通ですので、日頃から意識したいですね。
当ブログでは、他にも介護職の仕事を解説してます。
良ければ他記事もご覧ください。
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