介護事故報告書の書き方と記入例を紹介!報告が必要なのはどんな時?

介護事故報告書とは 仕事内容

介護現場では、どうしても避けられない介護事故。
介護事故が起きた時は、家族報告や事故対策の為にも、その経緯を明らかにする必要があります。

その為、介護事故報告書というモノを作成する必要があります。

今回は、介護事故報告書の書き方を介護士目線で解説します。
報告が必要な時や記入例、事故防止などについてお話していきます。
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介護事故報告書とは

介護の事故報告書とは、利用者に関する事故があった時に作成する書類です。

事故報告書を書く時

  • 転倒や転落
  • 誤薬
  • 原因不明だが、ケガや骨折等が発覚した

主にこの様な事があった時、報告書が必要になります。

事故報告書には、事故の発見からその後の対応などの内容を書きます。
また原因や再発防止策を記入する事もあります。

車イスで立ち上がり転倒しそうな男性

必要になった処置、ご家族への連絡状況なども記入します。

事故報告書は、事故原因を明らかにし、再発防止の為に作成します。
ご家族への連絡も必要になるので、事故の経緯をはっきりさせる必要があるのです。

実際の介護現場では、転倒や薬に関する内容が多いですね。

事故発生時の流れ

事故発生時には、医療職への状態報告ご家族様への報告が必要になります。

その流れは、職場により決まっているのでよく確認しましょう。
※多職種揃っている職場では、看護師や相談員へ報告する所が多いかと

事故報告書の作成は、遅くとも1週間から10日以内には提出するのが望ましいです。
対策までは難しくとも、事故経緯はその日のうちにまとめてしまいましょう。

記入後は所属のリーダーを通し、各部署へ配布されるのが一般的な流れですね。

事故報告が必要な時

冒頭で「利用者に関する事故」と述べましたが、これは職員の介助ミス時だけではありません。

利用者様が自分の意志で動き、事故が起きた時も作成します。

こんな時も報告する

  • 自分で歩いて転倒した
  • 他利用者の食事を食べた
  • 利用者同士のトラブル

こんな時も事故報告が必要です。

ケガや異常がない場合も、報告書を書きます。
「転んだかもしれない」など、その可能性がある時も報告があるのが望ましいですね。

介護事故の定義

厚生労働省の資料に、介護事故の定義があるので紹介します。

介護事故の定義
施設内および職員が同行した外出時において、利用者の生命・身体等に実害があった、

または実害がある可能性があって観察を要した事例
(施設側の責任の有無、 過誤か否かは問わない)

※参考:特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン

つまり…、「転倒によるケガは無いがその可能性があった、今は大丈夫だが観察が必要」。
こんな時は介護事故になります。

ポイント

「薬が落ちてた(落薬)」など、事業所により対応が分かれる内容もあります。
※上記は、私の知る限りでは事故扱いが多いですね

また「事故が起こりそうだった」時は、ヒヤリハットという書類を作り、事故防止に役立てます。

内出血について

高齢者に多いのが内出血です。

血液の薬を飲んでいる方もおり、日常生活動作の中でも簡単に出来てしまう方もいます。
原因や対策を立てる必要もありますが、そのつど事故報告書を書いていてはキリがない事も。

そこで職場によっては、より記入しやすいよう内出血発見報告書を用意されたりします。

内出血報告に書かれる内容

  • 内出血の場所、大きさ
  • 原因(推測含)と対策

内出血に特化した簡易報告書といった感じですね。

事故報告書は誰が書く?

事故報告書を作成するのは、事故発見者です。
他職員のミスでもだとしても、発見者が記入します。

職種関係なく作成せねばなりませんが、実際は介護士が書く事がほとんどですね。

原因や再発防止策の協議など、他職員との話し合いが必要になる事もあります。

介護事故報告書の書き方

事故報告書の書き方をご紹介します。

報告書には、こんな下記の様な内容を記入します。

事故報告書に書く内容

  • 利用者の情報(名前や年齢、介護度など)
  • 発見者名、発生日時
  • 事故内容(文章)
  • 必要になった処置や家族連絡
  • 原因や再発防止策

事業所で内容や書式が異なりますが、こんな感じです。

エクセル等で原本を作成し、PCや印刷して手書きで書く事が多いですね。

転倒や誤薬・落薬など、簡単な事故種別をチェックする欄もよくあります。
事故時の様子を図で書いて示す事もあります。

事故内容は分かりやすく端的に

報告書を作成する時、頭を悩ませるのは事故内容の説明文
限られたスペースで、事故の様子を分かりやすく書かねばなりません。

その為には、次のような事を意識しましょう。

事故説明で意識する事

  • 5W1Hを意識
  • 不必要な情報は捨てる
  • 適度に区切る

これを見たまま、ありのまま書くのがコツ。
特に「いつ・どこで・誰が・どうした」という情報を必ず含めましょう。

職員の感情など、不必要な情報は書きません。
難しい専門用語は使わなくて良いです。

必要な情報を書きつつ、なるべく短くまとめましょう。

利用者だけでなく、事故時に職員がどうしていたか書くと、対策が立てやすくなります。

事故内容の記入例

実際の記入例をいくつか見てみましょう
介護現場で多い、転倒と薬の事故で紹介します。

せっかくなので、内容だけでなく原因と対策も書いてみました。
※雰囲気を伝えたいので、対策等が適切かは無視して下さい

転倒事故の例

利用者様の転倒は、現場で特に多い事故。

下記は、利用者が移乗に失敗した転倒事故例

事故内容

13:00頃、〇様の居室より物音聞こえ訪室、ベッド側で尻もちをついている〇様を発見。
看護師に連絡し共にボディチェック、外傷や気分不快の様子無く、歩行も問題なし。
臥床して頂き様子観察とする。

ご本人は「車イスからベッドに移ろうとしたが、上手くいかなかった」と話されている。
車イスはベッド側にあるも、ブレーキは掛かっておらず。

事故直前まで、職員は他利用者様の排泄介助にあたっていた。

原因

  • 車イスのブレーキがかかっていなかった
  • ブレーキまで上手く手が回らず、自力操作が難しい
  • 職員の見守り、注意が不足していた
対策
  • ブレーキを操作しやすいものに変更する
  • ベッド手前にコールを置き、職員を呼べるようにする

こんな感じですね。

実際には、バイタルチェックも行うので、血圧等の数値記入が必要な事も。
省きましたが、相談員等からご家族への連絡もします。

詳細が分からない時は、それも書いて良いです。

例えば…
「経緯は不明。周囲の様子から、車イスからベッドに移る際、尻もちをついたと思われる」など

誤薬事故の例

薬の事故も、現場ではよくあります。

下記は、薬を違う人に飲ませた(誤薬)例

事故内容

8:20 A様の服薬介助を終え薬袋をみると、B様の薬を飲ませてしまった事に気が付く。
すぐに看護師へ報告、本来の薬は中止の指示を受ける。
バイタル測定実施、バイタル・気分共に不快なし。

8:30 看護師による様子観察、そのまま経過観察となる

事故時、職員は早番のみ。
しばらく様子をみるが、お変わりなくされている。

原因

  • 服薬前のチェックが足りていなかった
  • 利用者様の対応が追い付かず、焦ってしまった
  • B様の朝食後薬は本日から開始だったが周知されてなかった
対策
  • 服薬前には利用者様の前で読み上げ確認する
  • 〇フロアは1人での対応が難しい、隣接フロアの職員が様子みて行き来する
  • 薬チェックをした職員は、変更時に必ず申し送りに記入する

血圧や血液など、大事な薬を飲んでいる方も多く、特に注意が必要です。

また「薬が落ちてた(落薬)」という時も報告が必要です。
※事故かヒヤリかは、職場により異なるようです
「拒否があり飲めなかった」という時は、事故扱いにはならないかと。
※ただし看護師への連絡など、大半の職場では業務ルールがあるので注意!

何にせよ、薬に関しては敏感・慎重に対応しましょう。

介護士が覚えたい服薬介助の注意点!

拒否

拒否も含め、事故対策はすぐ立てる事が難しい事もあります。
他職員も巻き込み、一緒に考えていきましょう。

解決が難しい場合、委員会会議等で話し合われる事もあります。

事故時には介護記録にも記入

介護事故があった時には、介護(ケア)記録にも内容を書きます。

先ほどの事故内容と同じような内容で大丈夫です。
問題が無くとも、その後の経過についても記入しましょう。

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事故を未然に防げた時も、介護記録に記入しておくのがベスト。
日誌などにも書き、他職員と共有しましょう。

事務仕事

たとえ事故で無くとも、その様子や変化は、マメに「記録・申し送り」するのが望ましいです。

その際には、見た人がすぐ理解できる文章で書きましょう。
事故報告だけでなく、普段の記録でも必要な事ですね。

介護記録の書き方も、この機会に学んでおくと良いですよ。

介護事故を防止するには

介護事故をゼロにする事は、はっきり言って難しいです。

どんなに注意していても、どこかでミスはしてしまいます。
利用者様の生活の場である以上、転倒する事だってあります。

悩み

ですが、その可能性を出来る限り抑え、安心して暮らせる様に考えるのが介護職の仕事。
その為には、何が出来るでしょうか?

特に大切なのが、情報の共有対策の積み重ねです。
多くの職員に事故の可能性を知らせ、危険への意識を広めていく必要があります。

その為のシステム作りが重要です。

忙しい時ほど慎重に

職員個人で出来る事としては、危険へのアンテナを張り、気持ちに余裕を持つ事。
特に重要なのが「気持ちの余裕」、焦りはミスの元です。

経験上、自分のミスで事故を起こす時は、気持ちに余裕のない時です。

食事介助の事故

「時間が無い、急がなきゃ!」、こんな時にミスをします。
介護では、よくある場面ですよね。

スピード命みたいな職場もあるので、焦ると思いますが…
そんな時ほど慎重になりましょう。

仕事が早い方が良いですが、時と場合によります。
動じずに、焦らずじっくりやるのも、出来る人の動き方だと思いますよ。

ヒヤリハットを書く

冒頭で少し出しましたが、ヒヤリハットを書く習慣をつけましょう。

これは事故を防げた時、その可能性を感じた時に書く書類です。
ヒヤッとした、ハッとした時に書く

言い換えれば、事故や危険への気付き。
活用すれば危険意識を高めたり、事故対策を立てる事が出来ます。

同じようなヒヤリが多くあれば、いずれ起きる事故が分かります。

原因と事故対策を必ず考える

また事故が起こった時、原因の究明対策を考える事も大切です。

単なる事故で終わらせないようにしましょう。

対策を重ねる事で、事故が少ない環境が出来上がっていきます。
似たような危険も察知でき、対策をとる事も可能です。

対策は必ず上手くいくとは限らず、トライ&エラーの繰り返しです。
経験者など、色んな職員の意見を募り解決していきましょう。

犯人探しはしない

この時注意したいのが、犯人探しや職員を責める風潮を作らないこと。

そうした雰囲気があると、事故報告もしにくくなり、モチベーション低下にも繋がります。
意に反して、隠蔽気質な職場になる可能性もあります。

職員にストレスを与えるだけですし、働きにくい環境になってしまうので気をつけましょう。
そういった職場は、個人的に見切りをつけても良いと思います。

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何故起きたかどう防ぐのかという点に注力しましょう。

まとめ

今回は「介護事故報告書の書き方」をお話ししました。

介護職として働く以上、介護事故と無縁でいる事は難しいです。
事故報告書の書き方だけでなく、事故時の対応や事故対策も日頃から考えていきましょう。

事故報告をする時って、正直かなり落ち込みます。
私もそうした経験を何度もしてきました。

ですが、必要以上に落ち込まなくても大丈夫です。
皆そういう失敗を繰り返し、成長していきます。

その気持ちを忘れず、次に活かせる様頑張りましょう。

他の介護資料の書き方も解説しますので、良かったらどうぞ。
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