よく忙しいと言われる介護士の仕事。
これから介護士を目指してる方、あるいは介護施設への連絡マナーなど…
不安や疑問を感じてる方は多いと思います。
当記事では、「介護士の何が忙しいか?」という切り口で介護施設の仕事を紹介。
忙しい仕事内容や時間帯など、介護の仕事実態をお話しします。
現在仕事の忙しさに悩んでる介護士の方にも、ぜひご参考いただければと思います。
施設介護士の仕事で忙しいところ
施設介護士の仕事は、「排泄」や「食事」の介助の他、安全の見守りもあります。
介護サービスを利用者の生活に合わせ提供する為、24時間仕事があるのが特徴ですね。
人手不足のなか多人数の安全に配慮し、常に次の仕事に追われる忙しさがあります。
身体介助の多さ
介護の仕事中で、特に忙しいタイミングは下記の様な時です。
- 食事介助
- 排泄介助
- 入浴介助
これらは3大介助とも呼ばれ、介護士の代表的な仕事です。
定時でのオムツ交換やトイレ誘導、毎日の入浴介助。
食事の介助や洗い物、介助に必要な準備などですね。
常に次の仕事がある為、何かが遅れれば次の仕事が遅れます。
朝食が遅れれば、その後の排泄や入浴介助が遅れ…と、常に時間に追われるのも忙しい要因。
さらには移乗や歩行付き添いなど、移動に関する介助も意外と大変です。
介護現場では、こうしたサポートを必要とする方が多いほど忙しくなります。
またその他にも、転倒防止の付き添いや認知症対応。
日常生活の細かなサポートやレクリエーションなど、様々な仕事があります。
少ない職員で安全を見守る必要がある
忙しい中でも、利用者は職員の思う通りには動いてくれません。
認知症の方への対応、利用者への説明や声掛け。
時には動作を見守り、側で待つことも求められます。
さらには介護職の人手不足もあり、少ない職員で複数人の利用者をみる必要もあります。
自分の仕事が途中でも、危険に気付けば手を止め駆けつけます。
忙しい中でも、スピードだけを求められないところがもどかしいですね。
特にユニット型施設は、夜間だけでなく日中も少ない職員で対応します。
1人で多人数をみる機会も多く、特養やグループホームは結構忙しい印象です。
「介護事故」「体調不良」などのトラブルが多い
高齢者相手という事もあり、転倒などの「介護事故」や「体調不良」。
介護拒否など、仕事でのトラブルが発生しやすいのも忙しさの要因ですね。
トラブルがあるとルーティンが崩れますし、対応に迷う事もあります。
介護では大事な仕事ではあるものの、負担という意味では大変ですね。
他にも体調不良があれば、看護師への相談や記録記入なども必要。
介護拒否にもどう対応し、介入するか考えなくてはなりません。
忙しい中でも、じっくりと「コミュニケーション」「観察」が重要になる仕事ですね。
施設介護士が忙しい時間帯は?
24時間仕事のある介護施設でも、常に忙しいワケではありません。
介護士が忙しい時間帯は下記になります。
- 起床・就寝介助時
- 食事時
- 入浴介助時
どの時間も仕事はありますが、特に忙しいのは「午前中」「夕方~就寝」。
それに加え、「食事時とその前後」が仕事が多い時間帯ですね。
逆に昼食後から夕方ぐらいまでは、比較的落ち着いた時間になります。
続いては、仕事の流れを見ていきましょう。
忙しい時間帯は「午前中」「夕方~就寝まで」
施設介護士の仕事は、特に午前中が忙しい時間です。
その理由は、入浴介助がある為ですね。
介護施設では、主に午前中に入浴介助を行います。
利用者の入浴は、「1人週2回」行います。
実際には、ほぼ毎日入浴あると思って良いでしょう。
同じく就寝介助を行う夜も忙しい時間帯ですね。
午前中の仕事スケジュール
下記は、簡単な午前中の仕事スケジュールです。
時間 | 仕事内容 | 主な担当職員 |
---|---|---|
7:00 | 起床介助、朝食準備 | 夜勤、早番 |
8:00 | 朝食 | 夜勤、早番 |
9:00 | 排泄・入浴介助 | 早番、日勤 |
10:00 | 補水、おやつ提供 | 早番、日勤 |
11:00 | 昼食準備、利用者の誘導 排泄介助 | 早番、日勤、遅番 |
これに加え、血圧などのバイタル測定。
食事量等の記録入力、朝礼などもありますね。
これを大人数に対して行うので、結構な作業量です。
日中の仕事は、着替えやトイレ、誘導などの起床介助に始まります。
朝食の配膳や服薬等の介助をしたら、次は入浴介助があります。
見守りやコール対応等の仕事があります。
「フロア」と「お風呂」で職員が分かれるのも忙しい要因ですね。
余裕が出るのは「昼間の午後」
午後になると、遅番者も出勤しており入浴担当も戻ってくるので余裕が出てきます。
⇒介護士の勤務シフトを解説!「早番」や「遅番」は何時から何時まで?
昼食後の排泄介助が終わると、少しゆったりした時間となります。
この隙に衣服整理や記録業務など、介助以外の細かな仕事を行う事が多いですね。
レク等を行う場合も、こうした時間を利用します。
夕食時や就寝介助も忙しい
午後で忙しくなるのは、夕方17:00頃から。
特に夕食が始まる18:00からが忙しいです。
早番や日勤も帰ってしまいますし、遅番と夜勤のみで夕食から就寝介助まで行う必要があります。
「部屋へ利用者を案内し、トイレを済ませパジャマに着替え、ベッドに横になる」という内容。
介護が必要な方全てに対し、こうした対応を行います。
こちらも早番と夜勤者のみで行います。
夜勤中の忙しい時間
夜勤者にとって忙しい時間は、先述と同じく主に「就寝・起床介助」のタイミング。
時間でいうと、夜は服薬も含めた就寝介助が終わる「18:00~20:00時頃」まで。
朝はオムツ交換やバイタル測定が始まる「5:00~9:00頃」までが特に忙しい時間。
他に忙しさを感じるのは、主に定時でのオムツ交換ですね。
夜間は、昼間に比べ職員数が少ないです。
ワンオペ体勢で「オムツ利用者が多い時」。
または認知症など「転倒リスクの高い方が多い」等といった環境では、かなり忙しいです。
夜勤が忙しい施設種類
夜間1人体制の施設は、グループホームやユニット型特養など。
上記施設は特に、「認知症のある方」や「オムツ交換が必要な方」が多い施設です。
1回につき、1人で20人近くのオムツ交換をしてました。
ワンオペ体勢では、代わりもおらず休憩もなしです。
転倒リスクが高い方が起きだしたら、仕事を中断して付き添う必要もあります。
忙しさではかなり過酷な環境ですので、転職を考えてる方にはオススメできません。
介護施設への電話は何時にすべき?
問い合わせや施設見学など、迷惑にならない電話連絡のマナーを知りたい方もいるでしょう。
その場合は、9:00~18:00の間であれば問題ないかと思います。
多くの介護施設では事務所があり、上記職種が主に窓口業務を行ってます。
事務所が対応してるのは、主に「9:00~18:00」の間です。
介護士が把握してるのは、現場の利用者状況が中心。
手続き的な事は、生活相談員などを通して連絡した方が間違いないでしょう。
相手も忙しい可能性があるので、配慮するなら9:30位からが良いと思います。
また12時~13時はお昼休憩の可能性が高いので、避けた方が無難ですね。
転職で「忙しすぎる介護施設」を避けるコツ
現在介護士として働いてる方、介護士を目指す方など…
仕事の忙しさに不安や不満が感じてる人も多いでしょう。
介護職にも、職場によって忙しさの違いはあります。
忙しすぎる介護施設を避けるならば、下記ポイントを意識すると良いです。
- 介護度が低い施設で働く
- ワンオペ夜勤の施設は避ける
- 日勤のみで働く
介護度が低い施設を選ぶ
まず最優先したいのは、平均介護度が低い施設を選ぶこと。
例えば介護付き有料老人ホームなどがそれに該当します。
介護度による入居条件が緩く、自立した人も多いので仕事にも余裕が出来ます。
夜勤に入るならば、1人体制の夜勤は避けて下さい。
1人なので当然忙しいですし、変りもいないので実質休憩なしです。
特養でのワンオペ夜勤は、巡視とオムツ交換だけで軽く1時間はかかる忙しさでした。
夜勤に入るならば、2~3人体制の施設を選びましょう。
職員数が多いと担当利用者も増えますが、介護度の低い施設を選べば大した問題はないです。
仮眠もとりやすいので、負担も少なくすみます。
受診や買い物など「施設外」の仕事にも注意
介護施設で働いても、稀に介護士が「受診付き添い」や「買い物代行」を行う事もあります。
これが結構時間がかかり、特に受診があると残業は免れません。
イレギュラーな時間に仕事が入りがちな為、帰りも遅くなってしまいます。
受診や買い物は、私が経験した施設では「グループホーム」「サ高住」で多かったですね。
「小規模」や「自立者向け」の施設であっても、意外と忙しい事もあるので注意。
「日勤」を中心に働く
働き方でいえば、日勤を中心に働く方法も有効。
休日も確保できますし、日勤のみで働けば人員の薄い時間帯は避けることが出来ます。
忙しくても、他職員のサポートがあるので安心です。
介護施設は夜勤以外でも、朝や夜は職員が少なく負担や不安も多い時間。
自信のない人は、日勤パートで多数の職員がいる環境で慣れていきましょう。
パートの場合、需要が下がるものの、土日を避ければ少人数環境を回避しやすいです。
利用者の質や人数、シフトに融通が利くかなど…
雇用条件や細かなことは職場により違うので、転職エージェントに相談しましょう。
今の介護施設が「忙しすぎる」時の動き方
もし今働いてる職場が忙しすぎる時は、下記の動きを試してみましょう。
- 効率や時間を意識した働き方をする
- 業務改善案を話し合う
- それでも無理なら転職する
まず個人でできることは、仕事時間や効率を意識する事。
時間がかかる事が分かってるなら、少し早めに行動する。
無駄な時間を減らしたり、スムーズな介助方法を考えてみましょう。
焦って危険な介助にならないよう注意しましょう。
もう1つは、職場全体で業務改善を話し合う事。
ケア方法や仕事の流れなど、個人では変えようのない問題もあります。
そうした問題は、フロア会議やユニット会議などで話し合う事で解決できる可能性があります。
もちろん普段の会話で相談してもOK、思わぬアドバイスも得られるかもしれません。
忙しぎる時は無理をしない
介護では、余裕がない時ほど無理は禁物。
急ぐあまりミスをしたり、転倒事故やケガをさせてしまう事もあります。
そんな日が毎日だったり、限界を感じたら転職しましょう。
特に経験が浅いと、忙しすぎる環境でもそれに気付けず無理してしまう。
あるいは「仕事ができないからだ」と、自分を責めてしまう方もいます。
⇒介護職が働きやすい施設を経験から紹介!仕事が楽な職場はある?
転職回数は不利になりませんし、勉強のつもりで色々な施設を体験するのもアリです。
介護職にも忙しい時期はある?
介護は1年を通し、仕事量はあまり変わりません。
特に介護士の場合、繁忙期や閑散期といった概念はほぼないですね。
ただ忙しさを感じる時期はあります。
それが下記の様な行事があるタイミング。
- ゴールデンウィーク
- 夏休み、彼岸
- 年末年始
これら時期が忙しい理由は、休み希望を出す職員が多いため。
パート職員も長期休暇の希望を出す事が多く、施設は人手不足となります。
正社員でも希望休や有休はとれますし、休み希望が重なりやすい時期ですね。
その意味では、土日が忙しい介護施設は多いです。
非常勤は、忙しい時期でも休みがとりやすいです。
正社員と収入差の少ない職場もあり、個人的にオススメ。
かく言う私も正社員を辞め、現在は介護パートで働いてます。
また8月や1月など、ボーナス支給後も退職者が増える時期。
人手不足になりやすく、忙しさを感じる可能性もあります。
時期による退職者の差は実感しにくく、求人も通年で充実してます。
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