辛くて長いイメージの介護夜勤ですが、その忙しさは職場によりけり。
夜勤特有の大変さはあるものの、比較すると「夜勤が楽な職場」があるのも事実。
そこで当記事では、「介護夜勤が楽な職場」をテーマに解説。
介護夜勤が楽な職場はある?
介護施設の夜勤は、職場により「楽」「忙しい」という差が激しいです。
その理由は、介護施設により下記要素が異なるため。
- 利用者の介護度
- オムツ交換やトイレコールの回数
- 勤務時間や雑務の量
例えば、トイレ介助やオムツ交換を必要とする方が多い。
さらには、その回数も多い介護施設もあります。
一方で利用者がほぼ自立しており、巡視ぐらいしかやる事が無い施設も存在します。
また夜間は大きいパッドを使用し、安眠重視でオムツ交換を極力減らす施設もあります。
さらに夜勤中は、掃除や朝食準備などの雑務もよくあります。
休憩や勤務時間の長さも、拘束時間に関わり、身体負担に影響しますね。
最近は、掛け持ちの夜勤専従で働く方と話す機会が増えたのですが…、
「就寝介助の後は、ほぼ巡視ぐらいで楽だ」という声を、色々な方からよく聞きます。
私自身そうした職場を知ってますし、複数の方から内部事情をよく耳にします。
「夜勤が楽な施設」は、確実にあると言って良いでしょう。
夜間用のパッド等が普及した事等が、影響している印象です。
「夜勤が楽な介護施設」の特徴
以前に夜勤が楽な介護施設について触れた際、利用者に対し職員が多い事。
平均介護度が低い事と書きました。
業務に関しもう少し具体的に説明すると、下記要素が重要です。
- トイレ介助、オムツ交換の回数が少ない
- 就寝起床介助が少ない
- バイタル測定や雑務が少ない
排泄介助の量が少ない
介護施設の夜間の仕事は、巡視と排泄介助が多くを占めます。
大まかには就寝や起床介助時、あとは夜間帯の決まった時間に行うオムツ交換。
あるいは、定時や覚醒時のトイレ誘導等ですね。
オムツ交換の場合、就寝後は起きるまでに2回程度行う施設が多め。
楽という条件であれば、1~2回に抑えたいところ。
「センサー対応(転倒リスクのある方)」が少ない
後は、センサーやコールによるトイレ対応。
個人的には、オムツよりトイレ誘導が多い方が大変です。
なかには、頻回にトイレに行く方や転倒リスクのある方もいます。
オムツより、トイレ誘導が多い方が事故リスクも高く大変ですね。
ただ特に理由が無ければ、定時のオムツ交換回数は決まってます。
気になるならば、排泄介助の人数や回数を面接で尋ねておくと良いでしょう。
起床・就寝介助の人数が少ない
介護夜勤で大変な業務の1つが、起床・就寝介助。
フロアから「居室に誘導して寝かせる」。
あるいは、「起こして居室からフロアへ誘導する」という業務です。
時間に追われながらの業務なので、人数が多いと大変です。
これらの介助を必要とする方が少ない方が、夜勤者としては楽ですね。
「16時間」「8時間」どっちが楽?
介護夜勤には、「8時間」と「16時間」の2パターンがあります。
8時間夜勤は、22:00~7:00位までの勤務の為、起床・就寝介助を回避しやすいです。
勤務時間も短い為、仕事は楽なのはコチラですね。
明けの次の日に出勤となる事も多いので、気を付けましょう。
朝のバイタル測定が少ない
職場によりますが、夜勤者がバイタル測定を行う施設は結構あります。
起床前の状態確認や入浴等の目的で行われる事が多く、その場合測定は朝方に行われます。
下記項目をフルで測る事も多く、時間も手間もかかる業務です。
- 血圧
- 脈拍
- 体温
- SPO2
これらの測定は、トイレやオムツ交換、巡視。
起床介助等の合間に行う必要があり、対応や時間に追われながらの作業です。
さらに利用者が多ければ、測定人数も増えるので大変です。
朝方の忙しい時間に業務が増える為、夜勤者としては測定がない方が圧倒的に楽ですね。
小規模の介護施設
「夜勤が楽だ」という方の話を聞いていると、小規模の施設が多いようです。
具体的には、グループホームや小規模多機能ですね。
これら施設は入居者が少なく、夜間帯の仕事量も少ない傾向にあります。
特にグループホームなんかは、夜勤者1人に対し利用者は9名(1ユニット)程度。
人数だけ見てもグループホームの方が楽ですし、比較して介護度も低いですね。
ここでの話はあくまで傾向である点には注意が必要です。
結局は「どんな利用者がいるか?」次第。
ただ重度化のリスクも考えると、人数は少ない方が無難かと思います。
小規模施設はワンオペ夜勤な点に注意
小規模施設が楽な傾向といっても、夜勤が1人というデメリットもあります。
⇒介護の1人夜勤はキツイ!休憩が取れないワンオペ夜勤の実態と問題点
もし夜勤が大変な職場となったら、頼る相手がいないというリスクも…。
休憩時間を確保しにくいのも、デメリット。
自信が無いうちは、なるべく2人夜勤の職場を推奨します。
2人体制での夜勤でも、利用者が人数が多すぎず介護度が低めの施設がオススメ。
施設種類でいうと、特養や老健よりは「有料老人ホーム」という感じですね。
⇒有料老人ホーム介護士の仕事内容や給料を解説
1人にせよ2人せよ、他と同条件で比較し「介護度が低く利用者数の少ない環境」が理想。
「夜勤が楽」と思っても注意したい事
「介護夜勤が楽な環境」は、ずっと続くとは限りません。
また夜勤時の心理的負担が無くなるわけでもなく、下記等に注意が必要です。
- 新規入居や重度化で大変になる
- 緊急時の対応など、夜勤の緊張感が無くなるワケではない
- 相方との相性やワンオペ体制
夜勤が楽かは利用者次第と言いましたが…、
新規入居や重度化により、仕事の忙しさが一変するリスクは常にあります。
また緊急時の対応など、夜勤者の心理的負担は常にあります。
「1人夜勤が辛い」「2人夜勤で相方と上手くいかない」等の負担もあるでしょう。
理想も人により異なるので、「自分にとって楽な環境」も転職前によく考えましょう。
後述する働き方でのアプローチも有効ですので、参考にして下さい。
介護夜勤で楽にする働き方と転職アドバイス
働き方の面でも、夜勤の負担を軽減する事も出来ます。
例えば介護職においては、下記の様な働き方が可能です。
- 派遣やパートの非常勤で働く
- 日勤常勤など夜勤の無い条件で働く
積極的に夜勤に入るなら、派遣やパート等の非常勤。
正社員であれば、夜勤をせずに働く事も可能です。
「介護パート」「夜勤専従」で働く
夜勤を含む、不定期な勤務が辛いなら非常勤での勤務がオススメ。
特に積極的に夜勤に入るなら、下記理由から派遣の夜勤専従も楽かと思います。
- 係や担当等の雑務を避けられる
- 夜勤のみで、決まった出勤時間で働ける
- 夜勤回数やペースをコントロールしやすい
業務が楽で手が空いていても、直接雇用だと雑務が発生しがちです。
空いた時間でレクの準備を行ったり、居室担当業務をしたりなど…
結局は忙しいという事になりがち。
空いた時間で身体を休め、気楽に働く事が可能です。
自分の希望ペースで夜勤に入る
また介護派遣であれば、夜勤専従で働く事も可能。
早番や日勤を避け、夜勤のみの決まったペースで働けます。
夜勤回数や出勤曜日など、自分で希望を出せば、マイペースに働く事も可能。
夜勤のみなのは人によりデメリットですが、体力負担に配慮した働き方ができます。
ただ夜勤専従という事であれば、収入や状況面で派遣での転職活動が捗るかと。
「夜勤をしない働き方」を選ぶ
近年の介護施設では、夜勤不可でも正社員雇用がある職場があります。
夜勤がある入居介護施設でも、下記等の条件で正社員雇用する職場も増えてます。
- 夜勤NGでもフルタイムで働ける
- 決まった回数や曜日であれば夜勤に入れる
意外とOKな職場も多く、現実的に探せる範囲です。
「夜勤そのものが嫌だ」という方は、面接などで交渉してみると良いでしょう。
こうした職場であれば、夜勤をせずに正社員雇用を得られます。
介護に強い転職サービスならば、希望条件で求人を紹介してくれます。
無料で使えますし、自分で求人も探せるので活用しましょう。
回数制限をつけたり、基本給が良い職場を選ぶなど、転職活動では工夫が必要です。
「面接」「求人」等で情報の収集・比較を行う
介護職の転職でも、情報収集と比較は重要です。
特に下記事項を意識すると良いですね。
- 面接で夜勤の様子を聞く
- 求人欄や転職コンサルタントへの確認
- 同僚等から、介護職員のリアルな声を聞く
まずは転職時の面接では、夜勤の様子を聞き出す事も出来ます。
例えば、「夜勤の仕事内容や流れを教えてほしい」。
「オムツ対応の方はどのぐらいか?」などであれば、自然な形で聞き出せます。
勤務時間や雇用形態、夜勤手当など、条件面なら転職サイトを活用しましょう。
コンサルタントも、入居者数や人員配置位なら把握してる事も多め。
⇒介護士向けのおすすめ転職サイト6つを比較紹介
「介護施設の情報」は介護職員が詳しい
また介護施設のリアルな様子であれば、やはり介護職員が詳しいです。
特に職員同士の情報ネットは、目を見張るモノがあります。
知り合いや同僚等に聞けば、かなり詳しい情報が聞き出せます。
介護職で転職の多い方なら、いくつかの近隣施設の内部情報は分かります。
また派遣社員も施設情報に詳しい方が多く、狙い目です。
さいごに
今回は「介護夜勤が楽な職場」についてのお話でした。
「1人でも少ない利用者を対応したい」「2人体制でしっかり休憩したい」。
「トイレ誘導少なく、オムツ交換に集中したい」など、結構好みが分かれる内容ですね。
少しでも負担軽減するなら、勤務時間や人員環境。
施設種類や働き方など、自分で選べる部分を重視するのがベターかと思います。
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