老人ホームなどの介護施設では、1年を通して多くのイベント行事があります。
「お花見」や「敬老の日」など、季節感や特別な雰囲気を楽しめる内容になってます。
今回は、介護施設のイベント行事を季節ごとにまとめて紹介。
その他のイベントや細かな疑問点も解説していきます。
イベント企画中の介護職の方、施設の生活を知りたい利用者様まで。
ぜひご参考下さい。
介護施設の年間イベント行事
介護施設での生活は、外出や娯楽が少なくなりがちです。
その為、利用者様に季節や楽しみを感じていただくべく、様々なイベント行事が企画されます。
職員総出で外出レクをしたり、施設でお祭りを企画したり。
プレゼントや特別な食事など、1年を通し色々なイベントがありますよ。
現在では、コロナの影響もあり外出や大規模イベントが難しくなりました。
現在は、施設内イベントが中心でご家族の参加も難しくなってるので、ご了承ください。
まずは、介護施設でよく行われるイベント行事を季節ごとに紹介。
介護施設の年間イベントスケジュール例
いきなりですが、下記は介護施設の年間イベントスケジュール例です。
今回は「一般的な行事」をピックアップしました。
月 | 内容 |
---|---|
1月 | 新年会、初詣、餅つき |
2月 | 節分(豆まき)、バレンタインデー |
3月 | ひな祭り、ホワイトデー |
4月 | お花見 |
5月 | 母の日 |
6月 | 父の日 |
7月 | 七夕、花火 |
8月 | 流しそうめん、夏祭り |
9月 | 敬老会 |
10月 | ハロウィン、秋祭り |
11月 | 介護の日、文化の日、七五三 |
12月 | クリスマス会、大晦日 |
介護施設でも、「初詣」や「お花見」などの外出レクもあります。
こうした時は施設の車で順番に出掛ける形となります。
大きいイベントだと、「クリスマス会」や「敬老会」、「夏祭り」も定番ですね。
それ以外だと「祝日や季節にちなんで何かをする」という事が多め。
- バレンタインデーに皆でチョコ菓子を作る
- 七夕飾りや短冊づくり皆で行う
- 運動会と称し、皆で高齢者向け体操を行う
こんな感じでお菓子作りや工作、運動など、アクティブなイベントも開催されてます。
こうした行事を企画するのは介護職員であり、施設によって内容も異なります。
次項からは、季節ごとに具体的な内容を紹介します。
春のイベント行事
春は暖かくなり、外出もしやすい季節です。
定番なのは、桜のお花見ですね。
外出やお散歩など、施設外イベントが企画しやすい時期です。
- お花見
- 母の日
- ひな祭り
桜の季節には、車でお花見に行くという施設も多いと思います。
公園で軽食を摂ってみたり、ドライブがてら桜を眺めたり…。
利用者様の状態や天気等に合わせ、お花見を楽しんで頂きます。
また介護施設は女性も多く、母の日も見逃せません。
女性に向けプレゼントしたり、施設を工作のカーネーションで飾り付けたりなども行います。
当日は特別なイベント食を提供したり、施設内でカフェなど、施設で個性が出るところです。
夏のイベント行事
夏のイベントには、夏祭りや七夕に関する企画をする施設が多め。
ただどうしても日中は暑く、熱中症等の健康上のリスクも出てきます。
もう少し過ごしやすくなってから、秋祭りとして実施される事も多いですね。
- 夏祭り
- 流しそうめん
- 花火
- 七夕
流しそうめんは施設内で行えますし、夕方以降の涼しい時間に花火等も企画されます。
七夕には皆で短冊を作ったり、イベント食を楽しんだりして頂きます。
特に花火は、身体の自由や嚥下状態に関係なく、見て楽しむ事が出来るイベント。
施設内の敷地を利用して行ったり、映像上映などで楽しんでいただきます。
秋のイベント行事
暑さ和らぐ秋の季節には、紅葉や秋祭りなど、施設外に出てのイベントも企画されます。
定番である「敬老の日」のお祝いもこの季節です。
季節柄、色々なイベントが企画しやすい時期ですね。
- 秋祭り
- 紅葉
- 敬老の日
秋祭りは、施設全体を会場としたお祭りです。
ゲームや食事などの出店、ボランティアさんによる演奏会、職員による出し物等を企画します。
また介護施設では、敬老の日も大切な記念日です。
喜寿や米寿など、ご長寿のお祝いや表彰、プレゼントなどが企画されます。
面会時の注意点は、下記記事内で紹介してますので参考下さい。
⇒老人ホームへの面会時間と頻度はどれぐらいが良い?マナーと注意点
冬のイベント行事
冬のイベントと言えば、クリスマスや餅つき、初詣など。
年越しや正月など、季節感や風情溢れる行事が多い時期ですね。
外に出るのは寒いですので、施設内で快適に楽しめるイベントが中心になります。
- クリスマス会
- 初詣
- 餅つき
- 節分
クリスマスにはケーキやプレゼントを楽しんで頂き、年越しにはお蕎麦を食べます。
新年には「初詣」や「餅つき」、そして2月には節分の豆まきですね。
特にクリスマスや新年のお祝いは、力を入れてる施設が多い印象です。
ビンゴ大会やプレゼント会など、結構な盛り上がりを見せますね。
また寒い時期ですので、考慮して初詣には行かない施設もあるかと思います。
介護施設の通年イベント
介護施設では、季節行事の他にも色々なイベントが企画されます。
外食やお買い物など、個別に楽しみを提供する事もあります。
またイベントというよりは、レクリエーションと言える内容も多いですね。
- カラオケ大会
- 演奏会
- 誕生日会
定番の季節イベントだけでなく、オリジナルイベントを企画する介護施設もあります。
施設によっては、個性溢れるユニークなイベントも。
またイベントと構えず、職員とお散歩したり、ゲームやレクを楽しんだり。
日常生活の中にも、色々な娯楽が取り入れられています。
誕生日会
通年イベントの1つに、一人ひとりに合わせた誕生日のお祝いがあります。
誕生日会を行う事もありますが…
何もせず、ご家族とゆっくり団欒して頂く時間とする事も多いですね。
施設としては、月ごとにお祝いし、皆でケーキを食べるという所が多いでしょう。
職員からは、色紙メッセージでのお祝いも定番です。
お誕生日は、ご家族様の面会も多くなります。
やっぱりご家族との時間が何よりのプレゼントになりますので、ぜひ顔を見せてあげて下さい。
お誕生日プレゼントも用意されると、喜ばれますよ。
⇒老人ホームの家族に贈るオススメ誕生日プレゼント
「工作」「食レク」
工作や食事も、介護レクの定番ですね。
- ちぎり絵や飾りつけを作る
- お菓子や食事作りを楽しむ
- 書初め
イベントチックなレクとなると、上記の様なモノが多いかと思います。
こうした内容を季節に合わせ、企画されます。
料理系のレクは、調理の一部を利用者様に手伝ってもらう形です。
内容はホットケーキなど、ちょっとしたお菓子を作る事が多めです。
より日常的な内容となると、塗り絵や脳トレなんかも定番です。
介護施設でのお買い物
店舗の協力により、施設のスペースを利用しお店が開かれる事もあります。
また元気な方の多い施設では、職員付き添いで外出し、お買い物ができる機会も。
- 洋服店(シャツやズボン等)
- コンビニ
施設個々の取り組みになり、必ずあるとは言えませんが、積極的な施設は多いですよ。
外出機会の少ない施設生活では、自分で選び買う楽しみがある貴重な機会です。
私も何度か立ち会ってますが、利用者様も良い表情が沢山ありました。
セブンイレブン等のコンビニにご協力頂いた事もあり、デザートや肉まんが特に好評でした。
また施設での生活では、どうしても衣類が不足します。
数をご用意頂いても、繰り返し利用しているとすぐ劣化してしまいます。
洋服店では、高齢者向けの洋服をご自身で選べます。
何を購入すべきか分からない方もご家族も多いですし、家族様にとっても良い話かと思います。
入所時に同意書等で以って、お話しがある施設もあるでしょう。
介護施設での旅行はある?
1泊2日の旅行企画を実施した経験がありますが、実現は難しいのが現状です。
高齢者にとって健康上のリスクもあり、職員のマンパワーも必要とします。
特に大規模施設や介護度の高い施設では、現実的ではありません。
特に近年はコロナの影響もあり、外出機会は全体的に失われてきています。
私も職員として旅行に同行した事がありますが、その際はグループホームでした。
行くからには、職員の自己満足でなく、多くの利用者様が楽しめる必要があります。
利用者様の身体負担や健康リスク、その為の職員体制。
旅行を楽しめる心身状況も必要ですし、実現の為のハードルは高いですね。
もし「外の空気を」とお考えであれば検討してみて下さいね。
介護施設イベントのQ&A
ここからは、施設イベントの細かな疑問に対する情報をご紹介します。
Q&A方式で色々とまとめてみたので、ご参考下さい。
イベントに出なくても良い?
イベントはあくまで娯楽ですので、嫌な人に強制はしません。
「多勢や賑やかな場が苦手」という方もいらっしゃいます。
せっかくのイベントなのでお誘いはしますが、「嫌だ」という時は無理強いはしません。
体調不良の時も、身体の方を優先します。
フロアを見守る職員も配置されますので、大丈夫です。
また健康や体力的な問題などで、参加が難しい方もいらっしゃいます。
そうした方々は参加時間を短くする等して、無理なく楽しめるよう配慮されます。
お祭りなど1日を通してのイベント時は、午前のみ参加といった方も多いですよ。
行事イベントの企画は誰がする?
介護施設でのイベント企画は、主に介護職員が中心になり行う事が多いですね。
施設により詳細は異なりますが、行事委員会を設置し、企画や話し合いをする施設もあります。
施設全体でのイベントでは、これらを使って職員全体に内容を周知します。
イベント後は写真をまとめて掲載し、面会時にご家族へ様子をご紹介したりもします。
写真はご家族様へ配られる事もあります。
もしフロアの掲載写真で欲しいものがあれば、職員に相談してみて下さいね。
行事ネタや企画が難しい
介護職員の方で、行事ネタや企画に悩んでる方も多いでしょう。
かくいう私も、結構苦手です。
その為他職員のアイデアで、実際に好評だった内容をご紹介します。
- 景品を用意してのビンゴ大会
- スタッフの仮装
- 脳トレ(漢字や計算)
- 駐車場などの散歩
- 動画鑑賞
- お菓子やパンを購入し、利用者に選んでもらう「ミニバイキング」
大きいイベントなら、食事やプレゼントが絡むものが好評。
仮装やBGMも加えれば、雰囲気や特別感も演出できます。
日常的な内容であれば、脳トレや動画鑑賞。
少人数なら駐車場を少し歩くだけでも喜ばれるし行いやすい印象です。
介護レクの学習資格もあるので、意欲のある人は挑戦してみるのもオススメ。
どんな方を対象に行うかで、上手くいく内容も変わってきます。
自分の施設の利用者様に応じ、色々考えてみて下さい。
車イスの人は車での外出も可能?
車イスの方も、車での外出は可能です。
施設には福祉車両があるので、車イスに乗車したまま乗り込めます。
車のトランクにあたる部分が、車イスの乗降スペースになってます。
多人数だとワゴン車を使用、軽とワゴンを保有している施設が多いかと。
ただどうしても、一度に乗れる人数が限られてしまいます。
お花見などのイベント時には、歩ける方や座位を保てる方など…、
他利用者様との兼ね合いを見て、複数回に分け実施されます。
寝たきりや普通食が摂れなくても楽しめる?
介護施設を利用中の方には、所謂「寝たきり」状態にある方もいます。
そうした方は、通常の車イスでは上手く座位が取れない為、リクライニング型の車イスを使用します。
福祉車両も大型車であれば、リクライニング型車イスの乗車に対応してます。
また施設イベントは、食べる楽しみを提供するものも多いです。
特別食の時も、刻みやペースト等にも対応し、なるべく同じ食事が摂れるよう配慮されます。
施設内に厨房がある時は厨房で、グループホーム等においては、介護職員が調理を担当します。
外食の時も、お店によっては「刻み」ぐらいであれば対応してくれる所もある様です。
施設イベントにボランティアで参加したい
介護施設では、よくボランティアの募集もしています。
参加するには、直接問い合わせたり、施設ホームページを確認する等してみると良いでしょう。
ボランティアさんによるイベント行事の定番は、音楽の演奏会です。
懐かしの歌を一緒に歌ったり、琴の演奏会などが多いですね。
何か関心がある物があれば、そうした地域団体に所属してみてはいかがでしょう?
日常的なお手伝いや娯楽提供などで、ポイントがたまる制度もあります。
介護支援ボランティア制度として、社会福祉協議会などで受け付けていますよ。
新型コロナの施設行事への影響は?
現在世間を騒がせている新型コロナウイルス。
介護施設もその影響を受けており、行事イベントの実施が難しくなってます。
ご家族の直接面会も難しくなり、電話やビデオ通話が中心。
イベントへの招待も、なかなか出来ないのが現状です。
これにより多くの介護施設では、主に外出への制限が増えている状態です。
今でも、外食や集団レクが行いにくい状態が続いてます。
しかしながら、普段の生活に楽しみを増やす取り組みもあります。
例えば私の勤務先では、下記の様に娯楽を増やす活動をしてます。
- 普段とは違うジュースやおやつを購入し、楽しんでもらう
- 音楽CDやDVDなどを購入
- 本や雑誌を持ち寄り、施設に寄付
介護施設でも、ステイホームな傾向が続いてますね。
音楽やお笑いのCD・DVDは、かなりご好評頂いてます。
この様に、普段の生活の中で楽しみを増やす工夫をしています。
まとめ
今回は、「介護施設のイベント行事」についてお話ししました。
私自身は介護度の高い施設での勤務が長く、少し寄ってしまった所もあると思います。
イベントは、閉鎖的になりがちな施設の生活を活気づける特別な日です。
普段のレクリエーションと違い、当日は特別な雰囲気が感じられる事でしょう。
利用者様に楽しんで頂くには、職員も一緒になって楽しむことも大切です。
また普段の生活においても、自主的に余暇活動を楽しまれる方もいます。
脳トレや塗り絵など、習慣や趣味にやりがいを見出す方も多いですね。
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