介護現場の介護士不足は、職員の労働環境に多大な影響を与えてます。
「介護職の仕事に疲れた」「何度も転職ばかりを繰り返してしまう」。
そんな介護職は多いでしょうし、私もその一人です。
そこでちょっと考えてみて欲しいのが、「正社員である必要はあるのか?」という事。
介護職が転職を繰り返す原因
介護士が仕事が辛いと感じる瞬間は、下記のような時ではないでしょうか。
- 人手不足(休みがない、忙しい)
- 人間関係が悪い
- 給料が安い
- 介護拒否など、利用者対応のストレス
どれも介護業界全体の問題ですね。
「もうしんどい」と転職するも、次の職場でもまた同じ事を繰り返してしまう。
こんな方が多いのではないでしょうか?
人手不足で疲れるのに給料が安い
「人手不足」「人間関係」は、介護士に多い退職理由ですね。
簡単に言うと、大変で疲れるのに給料が安いと。
仕事が終わらず休憩もとれない、休日出勤や残業も多く疲れた。
忙しさや不満が募り、気付いたら人間関係も最悪。
そんな時に給料明細を見て「これだけ?」なんてのも、あるあるですね。
「介護職の大変さ」は転職での解決が難しい
雰囲気や人間関係は、仕事を始めなければ知ることは出来ません。
休みが多いと言われても、職員不足では休めません。
転職前には、職員数や忙しさ、人間関係も分からない。
大丈夫だと思っていても、職員が減れば仕事が辛くなるのは一瞬。
慎重に転職活動を行っても、結局は「運任せ」になってしまう面があります。
いつか「転職せざるを得ないタイミング」がくる
「職員数も多く、人間関係も良好」、今の介護業界でこれを維持するのは至難の業。
- 退職が増えた
- 利用者が重度化し、仕事で疲れるようになった
- 職員や管理者が変わり、働きにくくなった
退職が相次いだり、利用者の重度化など…、
仕事が楽で雰囲気も良いと思っていても、それを崩す要因が多いんですよね。
どこかで限界がきて、転職せざるを得ない時が来ます。
それでも介護で働きたいと、良い環境を求めて転職を繰り返す人が多いかと思います。
介護士が転職を繰り返すのは「普通」
こうした実情もあり、介護職の仕事に疲れた方には「非正規での勤務」をオススメしてます。
同時にお伝えしたいのが、介護職が転職を繰り返すのは普通。
採用もあるし、自信を無くす事はないという事です。
⇒転職回数の多い介護職は転職で不利なの?
個人でも「続けられる働き方」を考えよう
問題ないとはいえ、転職を繰り返すのは自分でも辛いもの。
出来れば、1つの職場で長く楽に働きたいですよね。
もし毎回似た原因で転職を繰り返してるなら、今一度「続けられる条件」も考えてみて下さい。
- もっと休みが欲しい
- 夜勤無しで働きたい
- 仕事に余裕が欲しい
自分で働きやすい条件が決まってるなら、正社員にこだわる事もないです。
人によっては、フルタイムである必要もないと思います。
正社員であっても、「土日休み」や「夜勤無し」で働く方法もあります。
「介護職の正社員」は正直疲れる
長く介護職で働いて思ったのは、正社員は必ずしも目指すべきものではないという事。
いきなり社員になるのも、得策ではない様にも思います。
…というのも、こんな理由がある為。
介護職における正社員のデメリット
- 人手不足の影響は、主に正社員が受ける
- 非正規の待遇はそれほど悪くない
(稼げる方法もある) - パートや派遣からでも正社員になれる
介護士不足のあおりを1番に受ける存在が、正社員や役職者。
「仕事に疲れた、辛い」というなら、正社員で働く際は慎重になる必要があります。
さらに介護職は基本給が低く、収入は各種手当でのアップが多い仕事です。
ボーナスにそれほど期待できない為、正社員のメリットも薄い傾向にあります。
近年の介護業界は、非常勤の待遇改善が進んでます。
勤務条件や待遇の差を考えた時、必ずしも正社員が有利とは限りません。
この辺りの「ワークライフバランスの差」を見てみましょう。
正社員は「残業・休日出勤」が多くしんどい
人手が無くてシフトが回せない、そんな時の解決手段が「残業」と「休日出勤」。
そうした負担は、やはり正社員を中心に引き受ける事になります。
上記記事でも言ってますが、介護現場での常勤不足は深刻です。
夜勤や遅番者の確保は、特に難しい状況にあります。
「有休もとれるし、良い職場だ」と思っても束の間。
1年後は残業地獄なんて事も珍しくありません。
人手が増えても、正社員がいなくてシフトが回せない事もザラです。
…実際、私は過去2~3年のスパンで転職を繰り返してます。
そうした運試しの様な働き方では、疲れるたびに転職を繰り返すはめになります。
非常勤なら「人手不足による負担」を回避できる
そんな時、パートや派遣なら、自分でも出勤日数や勤務時間をある程度決められます。
「これ以上は無理」という線引きを自分でする事で、身を守れるのです。
「1週間の残業の有無」では、正社員と非常勤で30%近くの差が出てます。
まずは、心身の健康が第一です。
人手不足や需要を逆手にとって、自分の希望を実現すると良いですよ。
自分でも両方経験しましたが、パート社員での働きやすさは段違い。
急なシフト変更を頼まれても、社員より休日数も保証されてます。
非正規でも高収入を実現可能
低収入のイメージが強い介護士ですが、そうとも限らず高収入で働くことも可能です。
近年の介護業界では、下記の傾向や動きが見られてます。
- パート・派遣の時給相場が良い
- 非常勤の福利厚生の充実
- パート社員を「正社員に近い待遇」として扱う
額に差があるとはいえ、非正規でも処遇改善やボーナスは出ます。
給料が良いだけでなく、ボーナスや福利厚生も充実した職場が増えてきてます。
私もパートですが、年金や保険は正社員のそれです。
月の手取りも、正社員時代より少し下がっただけです。
⇒介護パートの時給相場と仕事実態
正社員に近いパート社員という雇用形態を作る職場もあり、その差は埋まりつつあります。
正社員雇用の安心感やメリットは、今や正社員だけのモノではありません。
ワークライフバランスを見直し、広い視野を持って働きましょう。
参考「介護労働安定センター(職場改善好事例)」より
介護派遣は時給相場が高め
特に介護派遣は、全体的に時給相場が高め。
さらには、介護福祉士より給料の良い未経験派遣社員もいたり…。
他にも、夜勤専従で稼ぐ方法だってあります。
介護職で高収入を目指す場合、介護派遣の方が再現性が高いです。
もちろん日勤のみでもOK。
残業や面倒な役割も回避しやすく、負担を抑えて好きな働き方が可能です。
これも雇用形態関係なく、収入を増やせる方法です。
パートや派遣からも正社員になれる
介護業界の特徴は、正社員採用を得やすい事。
つまり、正社員になろうと思えばいつでもなれます。
もちろん、条件さえ満たせばパートや派遣社員からでもなれます。
労働調査では、「社員になれない」と悩んでる介護士は3%程。
非正規のほとんどが、望んでその立場にいるとも考えられます。
慎重派は「非常勤から正社員」
介護士でいきなり正社員になるのは、リスクが大きいです。
しかし福利厚生の充実、賞与や処遇改善での優遇など、正社員にもメリットはあります。
その為、まずは非正規で働き、様子見しつつ正規雇用を得る方法もオススメ。
良い職場と思ったら、正社員になりたい旨を相談してみましょう。
色々な雇用形態を視野に入れ、雰囲気重視で働くなら「レバウェル介護」がオススメ。
内部情報に詳しく、マッチング重視の転職サービスです。
介護職に疲れたら「正社員を辞めてみる」
介護職で疲れて転職を繰り返してる方は、正社員以外にも目を向けてみて下さい。
非正規の立場で収入アップを目指すも良し、またその気になったら正社員になれば良いです。
辛いと思ったら、転職もOK。
デメリットは賞与が貰いにくいぐらいですね。
非正規からも色々な「資格・職種」も目指せる
非正規の介護士経験からでも、色々な職種や資格取得も目指せます。
非正規からでもステップアップ可能
- 介護福祉士の取得
- 生活相談員(要介護福祉士、自治体により条件が異なる)
- 介護支援専門員(要介護福祉士・相談員の実務経験5年)
非正規での実務経験も、介護職としての多様な道に繋がってます。
これらの資格・職種を目標とし、非正規で実務経験を満たすのも良いですね。
出勤日数を減らし、資格取得に集中するのも賢い方法です。
自分を守れるのは自分だけ
「介護の仕事自体は嫌じゃない」、「他に強みや出来る事もない」。
こんな私みたいな人も多いと思うんです。
現に「仕事環境は嫌だけど、介護の仕事が好き」という人は多数います。
だから次こそはと思い、皆転職を繰り返します。
でも、「仕事が辛くて退職 ⇒ 転職…」というループに陥ってないでしょうか?
自分を守れるのは自分だけです。
自分のペースで細く長く働こう
「仕事が辛い」と転職を繰り返さない為には、その原因解決に動かねばなりません。
働きやすさは会社依存だけではなく、自ら作れる事も覚えておきましょう。
収入や福利厚生の充実と心身の余裕。
これらを考慮し比較すると、正社員より非正規に分があるよう思います。
あとがき
今回は、「疲れて転職を繰り返すぐらいなら、介護士は正社員を辞めよう」というお話でした。
私自身が介護の仕事に疲れたと感じてまして、「もうちょっと幸せに生きたい、他に方法を考えよう」と思ったのをきっかけに記事執筆しました。
記事中でも話した通り、私自身も正社員を辞めて介護パートとして再スタートしました。
思ったより収入も落ちず、また「仕事が楽しい」と思えるようにもなりました。
「正社員じゃなければ」という葛藤もありましたが、やはり続く方が大事ですね。
正社員時代と比べても、思ったより待遇は大差なかったです。
少し収入は落ちたけど、心身の余裕も増え、こうしてブログ執筆できてます。
もし同じような方がいましたら、お試し下さい。
コメント
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