老人ホームの入居時に用意すべき衣服を解説します。
施設での生活を紹介しつつ、どんな服が必要なのかご説明します。
記事の内容
- 老人ホームでの服装はどんな感じ?
- 用意すべき服の種類、枚数
- 衣服持ち込みの注意点と衣服管理
「高齢者が着やすい服は?」「パジャマは必要?」、衣服持ち込みの際の注意点など…、
老人ホームで着る服について、男女別に詳しくご紹介していきます。
老人ホームではどんな服が必要?
老人ホームでは、特に服装の決まりはありません。
家で過ごすのと同じく、ご自分の好きな服装で構いません。
これは特養や有料など、どの施設でも共通です。
また入居時には、必要な衣服の説明があります。
ただし用意しても使わない物も多く、逆に不足し困る物も出てきます。
入居者様のライフスタイル、必要なケアに応じた衣服を用意しましょう。
用意すべき「衣類の種類」と「枚数」
老人ホームでの生活に必要な衣服を説明します。
下記は、よく施設側からの説明で挙げられる衣類です。
準備の際に参考にして下さい。
老人ホームへ持っていく衣服の例
- 普段着(上下)
- 肌着・下着
- パジャマ上下セット
- 靴下
- 羽織ものの上着(カーディガンなど薄手の物)
- 外出用の上着(厚手の物)
服ではないですが、フェイスタオルとバスタオルも必須ですね。
整容や入浴時など、使用場面は多々あります。
全てをオールシーズンで用意するとかさむので、収納に工夫して季節で衣替えをしましょう。
⇒介護施設の生活で必要な持ち物まとめ!
「部屋着」「下着」は多めに
このうち特に必須とも言えるのが、下記の衣服。
多めに持ってくべき衣服
- 上下の普段着(ブラウスやズボン等)
- 肌着シャツ、ズボン下(股引など)
- 靴下
枚数としては、各5枚以上は欲しいですね。
ここで述べた物は、ほぼ毎日使用します。
特に多く用意すべきは、毎日着るズボンやシャツなどの「部屋着」と「下着」。
逆に上着類は、少なめでOKです。
あとはトレーナーやTシャツなんかが定番。
ズボンはウエストゴムの物がオススメです。
股引は使用されない方も多く、好みで決めて良いでしょう。
またリハパンやオムツ類を使用しない場合、布パンツ等も必要です。
老人ホームでパジャマは必要?
老人ホームでは、パジャマは必須ではありません。
夜も普段着のまま休まれる方もおり、施設側でもパジャマに着替える事を強制しません。
就寝前のパジャマ更衣は、ご本人やご家族の意向に沿って行われます。
逆に「楽だから」と、ずっとパジャマで過ごす人もいます。
逆に有料老人ホームだと、自立されてる方が多く皆パジャマに着替えてましたね。
パジャマは必須でないとはいえ、あった方が良いのは間違いありません。
例えば体調不良時や安静が必要な時、楽に休める衣服として重宝します。
特にその機会が多い高齢者は、多少持っておくと便利です。
不要と思っても、上下2~3セットあると安心ですね。
「介助でのパジャマ更衣を希望」する時は、その旨を施設側に伝えた方が間違いないです。
パジャマは、普通のデザインで大丈夫です。
伸縮性があって、ボタンが大きい物だと着やすいと思います。
雰囲気としては、コチラの様な感じです。
必須ではないが、あると便利な物
パジャマと同様に、必須では無いけどあると便利な物が下記。
必須ではないが準備したいもの
- ひざ掛け、タオルケット
- 座布団など
施設内はエアコンがあるので、年中快適な温度に調整されています。
それでも、やはり寒さを感じる事はあるので、ひざ掛け等があると温度調整に便利。
座ってる時間も多いので、座布団やクッションもあると良いですね。
大きめのひざ掛けであれば、タオルケットとしても使えます。
ここで述べた以外にも、本人のこだわりがあれば持参しましょう。
また食べこぼしが多い場合、食事用エプロンの購入依頼をされる事もあります。
食事用エプロンについては、下記をどうぞ。
高齢者が着やすい服を選ぼう
長く介護施設に勤めてますが、皆さん「ブラウス」や「トレーナー」が多いですね。
また、ご本人の状態により選ぶべき服装も変わってきます。
基本的に着脱しやすい服を選んであげると、ご自身で出来る事を増やす事に繋がります。
着やすい服の例
- ボタンが大きく、とめやすい
- 伸縮性がある
- ゆったりしたデザイン
よく前開きのシャツなどが推奨されますが…、
よほど拘縮の強い方でもない限り、伸縮性のあるトレーナーやブラウスでも大丈夫ですよ。
ズボンも、伸縮性があるウエストゴムの商品が履かせやすいです。
ジャージやチノパン、パジャマズボン等ですね。
これらに加え、カーディガンがあると気候に合わせやすいです。
高齢者用の服はどこで買うのがオススメ?
店舗購入する場合、「しまむら」が人気ですね。
高齢者・介護者双方に使いやすい衣服が多いです。
シニア向けとしてはデザインもオシャレですし、価格も安いので数も揃えやすいですよ。
またYahooや楽天等のネット通販で探す方法もあります。
その場合、「80代シニアファッション」等のキーワードで探すと絞り込みやすいですね。
こんな感じの衣服が色々と出てきます。
名前付けに対応してるショップもあります。
老人ホームへ衣類を持ち込む前に注意する事
老人ホームに衣類を持っていく時には、紛失に注意しましょう。
名前を書いて紛失防止したり、無くしたら困る物は持ち込まない様にして下さいね。
また避けた方が良い服もあるので、紹介しておきます。
服に名前を書く
介護施設に服を持ち込む際は、必ず名前を書いておきましょう。
衣類のしまい間違いにより、紛失する恐れがあります。
名前を書く場所は、主に洗濯タグが便利。
ない場合や黒い服には、布ペンやフロッキーなどを使用すると良いです。
老人ホームで避けるべき衣類
老人ホームで着る衣類は自由です。
しかし、危険があったり着脱しにくい衣類は避けるべきですね。
- きつ過ぎ(緩すぎ)、丈が長すぎる
- ボロボロで着せるのが躊躇われる物
- つなぎ、ミトン
避けるべき衣類はこんな感じです。
ご本人が着脱しにくい物はもちろん、ケガや転倒に繋がる物も避けて下さい。
※長すぎる紐、金具が多いデザインなど
介護施設とはいえ人前には出ますので、ご本人の気持ちも考慮した方が良いですね。
ボロボロな衣類を何枚も用意するよりは、新しい衣類を必要なだけ用意すべきでしょう。
また介護関係の服を調べると、「つなぎ」「ミトン」等も出てきますが不要です。
ご家族様が用意する必要もありませんので、あくまで「普通の衣類」を用意して下さい。
また洋服は毎日着るものなので、いずれは劣化します。
洗濯後のしまい間違いなどで、紛失が無いとも限りません。
あまりに高級すぎたり、無くしたら困る物は持ち込まない方が無難でしょう。
老人ホームでの衣類管理方法
衣服管理に注目し、老人ホームでの生活を解説します。
収納や洗濯、着替え等についてご説明します。
タンスや衣類ケース
衣類管理は、居室にあるタンスやクローゼットを使用します。
居室に備え付けてある介護施設もありますが、多くの場合「介護ベッドのみ」しか用意されてません。
入居の際には、タンスや衣類ケースをご家族様に用意して頂き、持ち込んで頂く必要があります。
持ち込みの負担もあるので、軽めのチェスト型収納ケースを使用される方が多いですね。
あまり本格的なタンスを使用される方は少ないです。
よく見るのが、こんな感じの衣類ケースですね。
⇒老人ホームではどんな洋服タンスがオススメ?入居時の有無と注意点
またチェスト型はあまり高さをつけると、倒れた時の危険があります。
下記の様な収納袋を用意し、季節外の衣服をしまっておくと便利ですよ。
収納袋は衣替えに便利ですし、布団類の収納にも役立ちます。
衣類の洗濯管理方法
介護施設での衣類洗濯は、基本的に下記方法で行います。
- クリーニング業者に依頼
- 施設の洗濯機で洗う
クリーニング業者を使う場合、週2回程度で「回収・返却」が行われます。
また業者によっては、対応できない衣類もあります。
そうした物は別業者に頼んだり、施設で対応するなど、個別の対応がとられます。
少し枚数に余裕を持たせておきましょう。
また介護施設の洗濯機で洗う所もあります。
家庭と同じような洗濯機を使い、乾燥機や自然乾燥で乾かす方法ですね。
クリーニング業者を使う施設でも、失禁等の汚染があれば施設で除菌し洗濯します。
着替えのタイミング
老人ホームでは、主に下記の様なタイミングで着替え介助をします。
主な着替えのタイミング
- 入浴
- パジャマ更衣時
- 衣服が汚れた時
これらの時に、着替えや洗濯をします。
自立されてる方は、もちろんご本人のタイミングで可能です。
皆さんの様子を見ていると、普段着やパジャマは2日程度は着てから洗濯に出す感じですね。
介護施設の多くでは、入浴は週に2回。
パジャマ更衣をしない場合、特に何もなければ更衣は入浴時(週2回)のみという事も多くなります。
他には、汗や食べこぼし、失禁などで汚れた時。
寒暖の差が激しい時なども、温度調整の為に更衣します。
衣替えは誰がするの?
施設によりますが、衣替えは主に介護職員が担当します。
夏物・冬物共に施設に預けている場合、介護職員が担当。
そうでない場合、季節の変わり目にご家族に持参を依頼します。
また気候に応じた衣服の選択も、主に介護職員が行います。
※ご自身での意思表示が難しい場合、衣服選択も基本介護士が行う
入居後も定期的な購入が必要になる
衣類は消耗品ですので、劣化が進めば買い替えが必要になります。
生活の中で必要な衣類が見えてくる事もあります。
そうした時、施設側から購入依頼をされる事があります。
※購入依頼は主に相談員等から連絡
また必要になるのは、服だけとは限りません。
こんなモノもあると便利
- 掛物調整の為のタオルケット
- けが防止の為のアームカバー等
逆に、物は沢山あるのに使われるのはほんの一部というケースも多々あります。
入居の際はあまり衣類を用意しすぎず、生活を見ながら必要物品を購入していくのも賢い方法ですよ。
まとめ
今回は「老人ホームで必要な服の種類と枚数」をお伝えしました。
記事の要点
- 老人ホームでは、好みの服で生活できる
- 上下の普段着、肌着、靴下、タオル類は多めに持っていく
- 本人のライフスタイルに併せ、必要な服を用意すると無駄が少ない
- 備え付けのタンスが無い場合、自分で用意する
老人ホームは病院と違い、生活の場です。
今までの生活と同じく、ご自身のスタイルで暮らす事が可能です。
変に悩み過ぎず、本人の嗜好や状態を考えると、必要な衣服も選びやすくなりますよ。
また施設高齢者にとって、居室は自室であり「家」とも呼べる場所です。
テレビや思い出の品等を持ち込むことも出来ますので、プレゼントしてみてはいかがでしょう?
施設での生活は退屈ですので、娯楽用品なんかも喜ばれますよ。
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