介護職はストレスの多い仕事です。
人間関係の悪さや安い給料、仕事への不安…。
人手不足もあって、仕事が終わらないとイライラする事も多いと思います。
今回は、「介護職員のストレス原因と対策」というテーマでお話しします。
そうした不満解消を目指す、転職方法などをお伝えします。
介護職のストレス原因と実情
介護職のストレスや不満で特徴的なのは、下記内容です。
- 職場の人間関係
- 人手不足で仕事が多い
- 利用者対応の難しさ
- 待遇が悪い(給料が安く時間が不定期)
これらについて、「介護労働安定センター」の調査を見つつ、現場目線でお伝えします。
※参考「介護労働安定センター(令和3年度 介護労働実態調査結果)」
職場の人間関係が悪い
職場に苦手な人がいるだけで、ストレスは溜まります。
特に介護士はチームで人をみる仕事なので、人間関係に悩む職員は多いです。
令和3年度の調査でも、前職を辞めた理由は「人間関係」がトップでした。
低くはないものの、重要性を考えるともっと高くあるべきですよね。
介護職に多い「人間関係ストレスの内容」
調査で多かった不満は下記。
- 上司や同僚と合わない
- 仕事の情報交換が不十分
- 管理職の管理能力や業務指示が足りてない
介護職は女性が多く、女性同士の人間関係トラブルが多く見られます。
見てると、グループ派閥や悪口、過度な注意などが多い感じですね。
ちなみに人間関係は、訪問介護の方が満足度が高かったと調査結果にあります。
訪問はマンツーマンの介護なので、他職員と接する時間が少ない為ですね。
業務に支障をきたすケースも
職員同士の情報共有が出来てない事も、人間関係トラブルの原因ですね。
このあたりはチームケアが必要な、介護ならではの悩み。
さらには現場への理解が足りてない管理職も、不満に挙がってます。
結局その場の職員が自己判断したり、何とかせざるを得ず、ストレス原因になってます。
人手不足で仕事量が多い
介護職の問題と言えば、人手不足があります。
令和3年でも、人手不足を訴える事業所は50%以上。
入居施設にいたっては、約70%が人手不足を不満にあげてます。
- 身体介助が多く、仕事が終わらず疲れる
- 職員不足で休みが取れない
- レクやイベント準備など、勤務時間外にも仕事がある
仕事が終わらず、休憩も休日も取れない。
毎日残業ばかり…、というのが多くの現場のリアルでしょう。
またレクやイベントの準備や買い出し、シフトの作成など…。
介護職の仕事は、利用者対応以外にも沢山あります。
毎日の仕事疲れが積み上がり、ストレスになってる方も多いはず。
人間関係と同じくらい深刻な問題です。
⇒介護職のキツイ連勤実情!何日まで許せる?
利用者対応のイライラ・不安
仕事内容に関しては、難しさや不安がストレス原因になりがち。
- 何度も同じ説明をしたり、話を聞かねばならない
- 暴言や暴力、介護拒否などがある
- ケア方法や対応が難しい人がいる
認知症対応にイライラしたり、正しいケア方法が分からず不安になったり…。
仕事柄、暴言や暴力を浴びせられる機会も多いです。
仕方ないと分かっていても、ストレスが溜まる瞬間ですね。
介護職員であれば、一度は経験した事があると思います。
「チームケアの難しさ」が人間関係に影響する事も
また介護では「何が正しいか」はケースバイケースです。
時には、医療職の判断が必要になる事もあります。
特に夜勤をしてると、「コレで良いの?」という不安ストレスは多いですよね。
だからこそチーム判断が重要ですが、職員で考えが違ったり、明確な指示がない事もあります。
人間関係にもリンクしてくる部分かと思います。
待遇や労働環境の悪さ
先に人手不足を語りましたが、他の「待遇・労働条件」では、下記不満が挙がりました。
- 給料が安い
- 身体・精神的にキツイ
- 有給が取れない
特に「給料が安い」と答えた人は、40%近くに及びます。
身体もキツイのに、給料が安く割に合わないという事ですね。
ストレスが多いけど、緩和される機会も少ないです。
あと個人的には、出勤時間が不規則な点も挙げたいです。
- 早番や遅番、夜勤など、色々あってリズムが狂う
- 夜勤が多く、昼夜逆転になる
- 休みに会社から出勤連絡がくる
特に夜勤は長時間ですし、出勤前は憂鬱ですよね。
一定のリズムで落ち着いて働けないのも、自覚なくストレス原因になってると思います。
労働環境の改善は難しい
これらの厄介なところは、解決に非常に時間がかかる事。
「職員がいない」「給料が低い」等の問題は、個人での解決も難しいです。
たとえ職場が問題を把握していても、長期化する傾向があります。
休日出勤や残業過多など、改善の見込みが薄く、心身に悪影響があるなら転職も検討しましょう。
介護が出来るストレス対策方法
この様に介護職は大変な仕事な為、ストレス対策も重要になります。
私の場合、働いてる時には下記対策を意識してます。
- 無理な介護はしない 妥協
- アンガーマネジメント
- 人間関係は「味方を増やす立ち回り」を
- それでも無理なら転職する
介護職員が陥りがちな、ストレスの罠を回避する方法を紹介します。
無理な介護はしない、妥協を覚える
仕事では、無理はしない、妥協をするのも大切です。
- 無理に食事・水分を摂らせる
- 無理して排泄介助を行う
- 休日出勤や残業を断る
介護士として、食事や排泄の量は気になるところ。
ただ「絶対こうしなければならない」と固執すると辛くなります。
努力は必要ですが、そのうえで無理なら仕方ありません。
他の仕事が終わらない時も同様、何事も完璧を求めなくて大丈夫ですよ。
何事も「まぁいいや」と妥協できるようになれば、ストレス軽減にも繋がりますよ。
また休日出勤や残業は、断っても良いです。
職員不足でせざるを得ない方も多いでしょうが、良い人になりすぎないのも大切。
怒らない技術「アンガーマネジメント」
いつも穏やかな職員は何故怒らないのか。
ストレスが無いワケではなく、その対処法が上手いのです。
受けたストレスを上手く流したり、違う感情に変換したりという技術を無意識に行ってます。
自己分析すると、私の場合は「笑い」に変換する事が多いですね。
怒りの感情を「笑っちゃうくらい大変だ」と、変換してます。
こんな事を言うと怒られるかもですが、真面目に相手しすぎないようにしてます。
同じ土俵に立たず、客観的になる意識ですね。
介護職向けのアンガーマネジメント本もあるので、興味があれば手に取ってみて下さい。
人間関係では「味方を増やす立ち回り」を
人間関係ストレスを回避するには、自分の味方を増やす事が大切。
自分への敵意が減るだけでも、だいぶ仕事はやりやすくなりますよ。
下記ポイントを意識してみて下さい。
- 相手の主張にはまず耳を傾ける
- 共感の姿勢を見せてから、意見を伝える
- 悪口は言わない、困っている時は助ける
これだけでだいぶ違います。
また悪口は厳禁、いつか自分に返ってきます。
誰かに聞かれて困る事は、職場では口にしないようにしましょう。
都合の良い存在にならないよう注意しつつ、働きやすい職場にしていきましょう。
介護職が「ストレスの少ない職場」に転職するには?
ストレス対策を色々紹介しましたが、やはり個人でできる事は限られてます。
無理だと思ったら、はやめに転職してしまうのも方法の1つ。
特に下記ストレス原因は、個人での解決が難しいです。
- 人間関係
- 人手不足
- 給料が安い
もし職場に心身悪影響が出るほどのストレスがあるなら、逃げましょう。
耐えがたい職員や利用者、忙しすぎる仕事、給料など…。
残念ながら、それらを時間が解決する事は少ないです。
自分が変わるか、職場を変えるかしなくては、解決は難しいでしょう。
「ストレス原因別」のオススメな職場・働き方
転職活動の際は、今ある不満やストレスから理想の職場を考えて下さい。
介護職に多いストレス原因から見ると、下記の様な職場がオススメ。
- 人手不足による疲れが原因なら「非常勤」
- 給料が安いなら「高待遇求人」
- 人間関係が心配であれば、「オープニング」「訪問介護」
これに加え、自分の希望や適性に合った種類の事業所を選びましょう。
また好待遇求人には職員応募が集まりますし、給料も人手も多く一石二鳥。
不安であれば、非常勤で様子見すると良いでしょう。
人間関係重視なら「オープニング施設」「訪問介護」
人間関係は事前の把握が難しく、運任せになりがち。
慎重に転職するなら、下記職場がオススメ。
- オープニング施設
- 訪問介護
調査結果にあった通り、訪問介護は1人での仕事が多い職場。
人間関係の満足度が高い事業所でしたね。
介護施設の場合、オープニング施設が入り込みやすくオススメ。
総じて新しい職場の方が、お局様も少なくストレスも少ない印象です。
介護職向け転職サービスを活用する
求人を探す際は、介護系転職サービスを活用しましょう。
特にきらケア介護求人は、内部情報に強くオススメ。
派遣事業も行っている為、雰囲気などの内部情報を多く持ってます。
アドバイザーもマッチング重視なので、慎重に探したい方向けですね。
【おまけ】介護士のストレス解消方法は?
おまけとして、仕事でたまったストレスの解消方法も、お話しします。
私の場合は、こんな方法でストレス解消してます。
- 誰かに愚痴る
- 寝る
- 好きな事に没頭する
中でも1番は、「話す」事じゃないでしょうか。
同僚でも家族でも、誰でもOKです。
聞いている人が不快にならず共感も得られる様、ちょっと笑いを交えて話してます。
「大変だったねー」なんて笑ってるうちに、結構ストレスが消えるのでオススメです。
職員同士なら、利用者は共通の話題ですし、コミュニケーションのきっかけにもなりますよ。
あとは、勤務中以外は仕事を考えない事です。
退勤後に「あれ大丈夫かな?」と色々出てきますが、気にしてはいけません。
なので、管理職やリーダー職なんかは辛い立場にありますね。
ストレスが大きいようなら、役職を降りる事も考えましょう。
⇒介護リーダーはなぜ辛い?その悩みと役職を辞めたい時の対処法
あとがき
今回は、「介護士のストレス」についてまとめました。
仕事のストレスは、決して馬鹿に出来ません。
その原因には、耐えがたい職場環境がある可能性が高いからです。
仕事の負担が大きいようなら、パートや派遣といった働き方を選ぶのも手です。
施設形態も色々あるので、組み合わせれば多様な働き方があります。
広い視野を持って、快適に働ける職場を選んでいきましょう。
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