「夜勤が辛くしんどい」「夜勤が大変で疲れる」。
介護職の多くが抱えている悩みですよね。
腰痛が悪化や疲れが取れない等、体調に悪影響が出てしまう事もありますよね。
しかし、意外とあるのが「介護夜勤は楽だ」という声。
この違いは、平均介護度や職員配置などが大きく影響しています。
今回は、「介護夜勤がしんどい職場と楽な職場」をテーマに解説。
そんな方に転職を重ねて分かった違いをお伝えします。
「介護夜勤が辛い・しんどい職場」の特徴と原因
まずは夜勤がしんどい介護施設について。
夜勤が大変な職場の特徴は下記。
- 平均介護度が高く、事故リスクの高い人が多い
- 利用者数が多く、職員数が少ない
- 勤務時間が長い
今辛いと感じてる人の多くは、どれかに当てはまると思います。
代表的なのは、「特養の16時間夜勤」なんかですね。
自分でどうにか出来る事でもなく、解決が難しい問題ですね。
平均介護度が高い人が多い
分かりやすいのは、平均介護度が高い施設ですね。
要は、大変な利用者の多い施設です。
介護度が高いという事は、それだけ必要介護量が多いという事。
仕事量が増えるので、夜勤者の負担は多くなります。
- オムツ交換が増え、認知症対応にも時間がかかる
- 事故リスクが高く、センサー対応が増える
- 健康リスクが高く、小まめな観察等を要する
巡視とオムツ交換、センサー対応で休む暇も無い方も多いと思います。
【個人感想】「特養の夜勤」が特に辛かった
私が今まで働いた施設では、特養の夜勤が1番しんどかったです。
- 夕食・就寝の介助が終わらない
- 夜間のオムツ交換、コール対応が多く休む暇がない
- 起床・朝食介助が終わらない
出勤から退勤まで終始こんな感じでした。
ユニット型だったので、休憩も相談相手もなく、精神的にもしんどかったですね。
従来型でも職員が増える分、介助量が増えるのでどのみち辛いです。
利用者様がよく変わったり、家族も含め対応の難しい方が多いのが理由だそうです。
他施設の平均介護度のデータがあったので、ご紹介します。
ちなみに、下記施設は特に平均介護度が高め。
- 特別養護老人ホーム(3.94)
- 介護老人保健施設老健(3.21)
- 介護療養型医療施設(4.35)
※平成29年度
参考「厚生労働省(平成29年介護サービス施設・事業所調査の概況)」
いずれも、介護度4~5の方が多い施設。
介護療養型は、介護サービスも提供する医療施設なので特に高めです。
特養と老健は、「忙しい施設」としてもよく挙げられますね。
これを見ると、平均介護度を見ての職場選びは重要ですね。
人員配置に問題がある(職員に対し利用者が多い)
もう1つ分かりやすいのが、人員配置ですね。
利用者数に対し、職員が少ないほど夜勤者の負担は増します。
当然ですが、利用者は多いほど、職員は少ないほどしんどいです。
早番・遅番の確保も重要
介護の夜勤で働いてみて、下記の業務・時間帯が特に辛いと感じました。
夜勤業務を忙しくするのは、主にこれらの業務ですね。
- オムツ交換、センサー対応
- 食事介助
- 起床・就寝介助
平均介護度や利用者数が増えるほど、夜勤者の負担は増します。
夜勤者だけでなく、早番や遅番を十分確保できてる職場が望ましいです。
ワンオペ夜勤は超しんどい
人員の話をすると、個人的に最も辛いのは1人体制のワンオペ夜勤。
職員1人なので利用者は少ない傾向ですが、1人で20人以上対応する例も多いです。
介護度の高い職場であれば、尚の事です。
下記は、ワンオペ夜勤の施設例。
- ユニット型の特養・老健
- グループホーム
- 小規模多機能
1人なので、夜勤中の休憩確保は約束されていません。
もちろん仮眠もなく、相談相手もいません。
ユニット型特養の夜勤はだいぶ辛かったです。
勤務時間が長い
他のシフトと比べ、勤務時間が長いのもしんどい原因ですね。
介護夜勤の勤務時間には、大きく2種類あります。
- 8時間夜勤
- 16時間夜勤
8時間夜勤は出勤1日分の扱いとなり、シフト上は「明け」が公休となります。
「勤務時間」と「出勤間隔」、どちらを取るかの2択ですね。
8時間なら休日数の確保、16時間なら休憩・仮眠の確保が重要課題です。
急変時に頼れる相手がいない
介護夜勤では、事故や急変時などに看護師へオンコールし指示を仰げる職場が多くあります。
ただ下記の様に、オンコールしにくい職場もあるのが現実。
- オンコールすると怒られる
- オンコールしても繋がらない
- 急変時の連絡先や対応が不明
「このぐらいで連絡するな」と怒られたと思いきや、「何故連絡しないのか」と注意されたり。
こうした緊急連絡や判断、申し送りなども夜勤の辛いところ。
対応や連絡基準が不明確で、自己判断の必要性が高い職場は精神的にしんどいですね。
職員不足である
職員不足の職場は、時間帯問わず働きにくいです。
特に夜勤者となると、こんな状況も多くなります。
- 夜勤回数が多すぎる
- 連続で夜勤に入れられる
- 夜勤明けで残業がある
「職員不足で夜勤者がいない」と悩む職場も多いです。
一時的ならまだしも、解決せず長期化する傾向もあるので要注意。
限界を迎える前に転職を検討すべき段階でしょう。
夜勤が楽な介護施設はある?
どの職場も大変と言いたいとこですが、夜勤が楽な介護施設は正直あります。
色々な職場で夜勤に入りましたが、夜勤負担の差はだいぶ感じました。
介護夜勤が楽な職場の特徴は、しんどい職場の逆ですね。
- 利用者の自立度が高い
- 利用者数に対し、職員が多い
- 管理者やオンコール看護師が良心的
介護夜勤が楽かどうかは、やはり利用者次第。
その為、一概に「この施設は楽」と言い切る事は出来ません。
ただ施設毎の傾向や自分で見極められる部分もあります。
そうした部分をお伝えできればと思います。
利用者数に対し、夜勤者が多い
施設全体やフロアの利用者定員、それに対する夜勤者数は事前に分かります。
転職活動中には、「利用者何人を夜勤者何人でみるか」に注目すると良いですね。
少しでも楽な職場を選ぶなら、ワンオペ体制の職場は避けるべきでしょう。
休憩や仮眠をしっかりとるには、複数人体制を選ぶ必要があります。
これ以上になると、人員的に忙しくなると思います。
まずは、「夜勤者2人以上で仮眠がある」事を条件に探す事をオススメします。
探せば3人体制の施設も見つかりますよ。
利用者の自立度が高い
自立した利用者が多い方が、介護職員としては楽です。
言い換えると、平均介護度が低い事ですね。
考え方の1つに、施設の入居条件で見る方法があります。
対して、有料老人ホームは要支援の方でも入れる施設が多数あります。
平均介護度が低い介護施設は?
1つ個人的な話をすると、夜勤が楽だと感じたのは先の有料老人ホームです。
利用者30人ちょっとを職員2人で担当、オムツ交換は数人のみ。
自力で食事もトイレも可能、独歩で付き添いも必要ない方がほとんど。
仕事は巡視ぐらいで暇な時間も多く、「こんなに違うか」と驚いたものです。
小規模多機能も楽という声が多いですが、ワンオペ体制なので勧めにくいですね。
20人を1人で担当し、オムツ交換は10人以上というハードスケジュールでした。
あくまで職場や利用者によるとしか言えませんが、参考までに。
有料老人ホームは、日中含め働きやすくオススメしてます。
安心して仕事ができる
人員がすくない夜間帯では、安心して働ける事も重要です。
オンコール体制があり、管理者や看護師が良心的な施設が望ましいです。
- 何かあればすぐに連絡して欲しい
- 夜勤者の負担軽減を考えた判断、配慮がある
- 緊急時の分かりやすいマニュアルがある
上記の様な、夜勤者に協力的な言動が欲しいですね。
業務や利用者対応など、介護職だけでは解決できない問題も発生します。
- 緊急時の指示や人員確保
- 夜勤者の確保
- 受診による状態改善、対応方法の検討
こうした問題解決には、管理職や看護職を中心とした職場全体での協力も必要です。
「問題解決が職場を選ぶ」という事ですね。
「夜勤の負担は極力減らすべき」という考えが浸透した職場が理想。
転職活動中には、面接官や職場が持つ考えにも注目して下さい。
転職活動では「情報収集」を心がけよう
繰り返しですが、夜勤が大変かは働いてみないと分かりません。
大変な夜勤を少しでも避けるには、事前の情報収集が必須です。
- 利用者の様子や平均介護度
- 夜勤者の数や仮眠の有無
- 職場のサポート体制
このあたりは、面接時に把握できるよう質問しておくと良いですね。
出来るだけ多くの求人を比較し、負担少なく安心して働ける職場を探しましょう。
情報収集の面では、転職サイトのエージェントも役立ちます。
内部情報や雰囲気など、細かな内容もよく把握してます。
「夜勤の負担が少ない職場を紹介して欲しい」と、相談してみるのも良いですね。
特にマイナビ介護職は、そうしたサポート体制が充実してます。
夜勤負担を軽くする為にできる事
夜勤による悪影響を防ぐ為、個人で出来る事もあります。
今の夜勤が辛いけど、転職は考えてない。
そんな時に出来る事もあるので、確認しましょう。
「夜勤回数を減らして欲しい」と伝える
正社員で働く場合、多くは夜勤にも入れる必要があります。
正社員に夜勤は必須ですが、回数を減らす事は可能です。
もし回数の多さが負担なら、リーダーや管理職など、上司に相談して下さい。
まずは自分が辛い事を周囲に伝える事から始めましょう。
「生活習慣」や「体調管理」に気を配る
夜勤で生活が不規則なりがちな介護職は、自己管理も大切です。
夜勤明けに寝すぎず、昼夜逆転を防ぐ。
たんぱく質や野菜を摂り、勤務後は油ものは避ける等…。
自分で出来る体調管理もしておきましょう。
夜勤をしない働き方もある
夜勤に入る以上、どうしても疲労やストレスは蓄積します。
もしこだわらないなら、あえて「夜勤をしない働き方」をするのも方法の1つ。
- 高収入の職場で日勤パートで働く
- 時給の良い介護派遣で、日中のみ働く
- デイや訪問など、「夜勤の無い職場」を選ぶ
介護職が稼ぐ方法は、夜勤のみではありません。
また目先の収入より、続ける事を意識した方が上手くいく事もあります。
自分のペースで、細く長く続けられる働き方も考えてみましょう。
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