介護職において「主任になったけど、何をしたら良いか分からない」。
「リーダー職になるにはどうすべき？」、と悩みや疑問がある方もいると思います。
そこで当記事では、「介護主任（リーダー職）」について解説します。
- 介護主任（リーダー）になるには？
- 介護主任の仕事内容
- リーダー職を目指す時の注意点、アドバイス
自分の介護リーダー経験を元に、上記情報を中心にリーダー職を解説します。
介護主任等のリーダー職に就任要件はないですが、周囲の信頼を得る事は必要です。
その仕事内容を見つつ、どんな人がリーダーに向いてるか見ていきましょう。
「介護主任（リーダー職）」とは
介護主任とは、介護施設における役職の1つ。
介護リーダーとも呼ばれ、介護職員を束ねるリーダー的存在です。
一般介護職員の直接の上司であり、シフト作成やフロア会議の開催等を担当。
介護職員をまとめ役、ケアの質を高めたりといった役割を持ちます。
介護職員のチームリーダー
介護主任を始めとするリーダー職は、介護職員のチームリーダー。
主任の呼び方や施設の組織図は様々であり、介護施設によって様々な呼び方があります。
- 介護主任
- ユニットリーダー
- フロアリーダー
例えば1F2Fなどのフロア、ユニットなどで、職員や利用者をグループ分けする施設もあります。
そうした施設では、「グループ毎」にリーダー職を配置します。
またリーダー職を束ねる上司として、介護主任を配置する施設もあります。
当記事でも、この想定で解説をしていきます。
介護主任の役割
介護主任（リーダー）の役割には、下記の様なモノがあります。
- シフト作成、新人教育
- ケア・業務方法の改善
- 他職種との連携を中心となり行う
シフトや新人教育等の人材マネジメント。
日頃の業務やケア方法などの改善をし、ケアの質を高める事などですね。
その為に必要な他職種との連絡も行います。
また施設によっては、家族連絡等の窓口業務を行う事もあります。
介護チームをまとめる代表者
介護主任は、施設における介護士チームの代表者という位置づけです。
よって、ケアに関する内容の最終的な確認や決定。
シフト管理など、介護士の仕事が問題なく行う為の管理を主だって行います。
「職員を取りまとめ、舵取りする存在」という言い方が、より正しいと言えますね。
介護主任・リーダーになるには
介護職において、主任・リーダー職になる為の条件は特に決まってません。
ただし誰を任命するかは、施設長等の管理者クラスを中心に行います。
その為、周囲に「主任（リーダー）にふさわしい」と評価を得る必要があります。
ここからは、リーダーに向いてる人の特徴や能力を考えていきましょう。
介護主任になる為の条件
先の通り、主任やユニットリーダーなる為の条件はありません。
保有資格、実務経験の年数の要件はなく、辞令を受ければなる事ができます。
ただ役職者は、基本的に正社員から選ばれます。
フルタイムで働いていたり、職場によっては夜勤に入れる方が有利ですね。
またリーダー職に就くには、基本的には主任辞令等を待つことになります。
辞令は突然出るのでなく、事前に施設長や介護課のトップ等から面談で伝えられます。
介護主任・リーダーに向いてる人とは？
介護職でリーダー職になるには、まず周囲の信頼を得る事が大切です。
リーダー職に任命されやすい人を見ていると、下記の様な要素があります。
- 信頼のおける介護知識、技術がある
- 周囲を取りまとめるのが上手い
- 利用者や職員に好かれており、一緒に働くのが心地よい
知識や技術に優れた経験者、周囲からの信頼が厚いなど…。
「優しく頼れる経験者」といった人物像ですね。
また経験が浅くとも、周囲の評判が良く、精神的に成熟してる方もよく対象になります。
そうした時に「この人なら、しっかりとした判断をするだろう」と思わせる事も大切です。
同僚からの信頼も大切
また嫌いな人に、自分の上司を任せたいと思う人はいません。
- 他職員や利用者に優しい
- 普段の仕事をきちんとしている
- 困った時、周囲に的確な指示を出せる
周囲から見て、上記の様な人はリーダー職に向いてます。
誰をリーダー職への任命するかは、他職員の評価も考慮し決定されます。
つまり管理職だけでなく、一般職員からの信頼も必要という事です。
介護主任等になるのに資格は必要？
既述の通り、介護主任等に資格は必要ありません。
ただリーダー職自体には不要ですが、介護業務に深く関わるには初任者研修は必須です。
強いて言うならば、初任者研修の取得が最低条件とも言えるでしょう。
またリーダー職には、ケア・業務方法の改善を主軸となり進める場面も多くあります。
その為ある程度の介護経験や知識、マネジメント能力は必要です。
介護経験が３年を超え、介護福祉士を取得したあたりが能力的な目安となりますね。
役職者を目指すにあたり、上位の介護資格があるほど有利ですね。
介護主任（リーダー職）の「平均給料と役職手当」
令和4年度の調査によると、介護主任の平均給料は月給で356,570円でした。
そうでない方の平均月給が約30万、他職員とは月に約5万円の差がある事になります。
時給の場合は、176,980円。
時給データがある事から、日勤パートで主任やリーダー職に就く方もいるのが伺えますね。
参考「厚生労働省(令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果)」より
老健等のユニットリーダーは除くとの事。
介護主任クラスの役職手当は、月に1～3万円程度が目安。
私の調べでは、5万円程度の求人もみられました。
また賞与や処遇改善への影響は、施設により異なります。
経験則でいうと、基本給というより役職手当分で給料が増える事が多めですね。
介護主任の仕事内容（リーダー業務）
次は介護主任の仕事、所謂リーダー業務について解説します。
役割の説明と被るところがありますが、主な仕事内容は下記。
- ケア方法・業務の改善（フロア会議等の開催）
- シフトの管理調整
- 新人教育の管理
これらについて、具体的に見ていきましょう。
ケア方法、業務の改善
介護主任の主な仕事は、ケアや業務方法の改善を進める事です。
例を挙げればキリがないですが、例えば「利用者の入浴方法の変更」を検討したり等ですね。
清掃や記録管理など、利用者と直接関係ない業務も扱います。
その過程では、下記の様な事を行います。
- 自分や他職員の意見から問題提起し、皆へ相談をかける
- フロア会議の開催進行
- 必要事項について、他職種と相談する
施設によりやり方はそれぞれでしょうが、概ねこんなところ。
大きな事から細かな内容まで、判断や決定を行います。
こうした業務やケア方法の決定・改善は、役職者だけが行うものではありません。
他職員が問題を発見し、改善を提案する事もあります。
さらには看護やケアマネ等、他職種の力を借りなければ解決できない問題もあります。
それ以外でも、問題点の報告・確認などは基本的にリーダー職へ行われます。
ユニット・フロア会議等の開催
会議でも、ケア方法や業務について話し合うモノがあります。
代表的なのは、フロア会議やユニット会議。
またはケア会議と呼ばれるものですね。
これらを開催し、司会進行を務めるのもリーダー職の役割の1つ。
どちらかというと、こうした会議等で他者から意見を募り解決へ導く立場ですね。
シフトの作成、管理調整
毎月のシフト作成も、リーダー職の代表的な仕事の１つ。
早番や遅番、夜勤等、各職員のシフトを1月毎に作成します。
シフト作成は難しく、毎日欠員が出ないよう注意して組む必要があります。
さらにはパートや派遣の勤務条件も把握しつつ、負担が偏らないよう組まなくてはなりません。
またシフトは一回組めば終了でなく、体調不良や都合による欠勤が出る事もあります。
そうした時に上手く変更・調整するのも、シフト作成者の仕事です。
実際には、「人手不足でシフトが組めない」という職場も多いですね。
介護リーダーが辛いと言われる原因の1つでもあると思います。
新入職員の育成・指導管理
新人職員の育成は、介護リーダーが直接行うとは限りません。
ただ下記理由により、必ず関わりは出てくる分野ではあります。
- 新人職員の能力も考慮し、シフトを作成する必要がある
- 能力評価の最終確認を担当する事がある
例えば、「入浴介助や服薬介助を開始する」「夜勤はまだ難しい」。
「誰に指導係を頼むか」といった事も考慮し、シフト作成する必要があります。
さらには本人の能力を見て、「もう少し指導ペースをゆっくりにした方が良い」。
「服薬介助を始めても大丈夫だろう」など、指導ペースの判断も行います。
実際どう進めていくは職場によりますが、新人教育と無縁でいる事は少ないです。
主任はケア・業務を熟知しているため、指導に関わる機会は他職種より多め。
時に知識や技術の確認を担当したり、直接指導する機会も多くなりますね。
介護主任になる「メリット」「アドバイス」
ここからは介護主任（リーダー職）を目指す方へ、補足情報やアドバイスをお伝えします。
- 介護主任を目指しやすい職場
- リーダー職を経験するメリット
- リーダー職になる時の注意点
介護現場は人手不足もあり、役職に就きキャリアアップする機会にも恵まれてます。
経験者ならば、ポストの空いてる職場を選べば狙う事も可能です。
ただやはり仕事負担は大変ですし、辞めたいと思う時も出てきます。
そうした注意点、アドバイス等をお伝えします。
介護主任を経験するメリット
まずは介護主任になるメリットからお伝えします。
- 給料が増える
- 採用で有利になる
- スキルアップや、さらなるキャリアアップになる
まず分かりやすいのは、給料が増える事。
先の平均給料でも、月5万円ほど増えていましたね。
またリーダー職の経験は、採用面でも有利になります。
役職経験は、一定以上の経験や知識がある事を分かりやすく伝えられます。
採用担当者にも、「ぜひ欲しい」と思わせる事が出来ますね。
さらなるキャリアアップも可能
さらにはリーダー職として経験を積めば、もっと上の役職者も目指せます。
リーダーをまとめる介護のトップや管理者など、さらなるキャリアアップに期待できます。
加えリーダーを経験して、初めて考える事や見える事も出てきます。
介護主任を目指しやすい職場
介護主任などのリーダー職は、介護求人での募集は少ないです。
一般的には介護職として入社し、辞令を待つのが主な道筋になります。
また主任となるには、そのポストが空いてる必要があります。
その為もし主任やリーダー職を目指すならば、オープニング施設がオススメです。
新しい施設ではリーダー職のポストが空いてますし、人材の定着にも時間がかかります。
オープニングでなくとも、開設したばかりの介護施設ならチャンスは多いでしょう。
オープニング施設は、業務やケア方法をこれから作っていく職場です。
仕事は大変ですが、リーダー職ならではの仕事が沢山経験できます。
やりがいを求める方にも、オススメしたい職場ですね。
マイナビ介護職だと、オープニングスタッフで条件検索も可能ですよ。
リーダー職になる時の注意点
リーダー職の注意点は、やはり仕事が大変な事。
経験して感じたデメリットは、下記ですね。
- 夜勤回数が減り、給料が減る事がある
- 心身の消耗が激しい
- リーダー職を降りるのに時間がかかる
「主任は日勤帯にいて欲しい」と考える職場は多く存在します。
その理由には、役割として「現場を把握する必要がある」。
「他職種や上司とのやり取りに必要」といったモノがあります。
基本的には収入アップとなりますが、夜勤回数が減って給料が増えない。
むしろ収入減となってしまうケースも、少なからず存在します。
しかし収入アップを目的に介護主任を目指すなら、役職手当はよく確認しましょう。
介護主任は辞めるのも大変
介護主任には、日々沢山の問題が寄せられます。
それらへの意見や判断、決定などを次々と求められます。
さらに介護主任はリーダー業務を行いつつ、通常業務も行う必要があります。
シフト作成者な事もあり、人手不足による負担を受けやすい存在でもありますね。
しかし「後任がいない」といった理由で、なかなか主任を降りられない現状があります。
退職を考える際も、引き止め等で退職まで長期化しやすい傾向もあります。
これだけ大変な仕事ですから、役職を降りる事は恥ずかしい事ではありません。
しかし役職を降りるには時間がかかる為、早めの相談を心がけましょう。
さいごに
今回は、「介護主任（介護リーダー）」について解説しました。
さいごに要点をまとめておきます。
- 介護主任は介護士の上司であり、リーダー的存在
- ケア方法の改善やシフト作成など、チーム内の管理を中心となり行う
- 主任になる条件はないが、仕事や人格評価で信頼を得る事が大切
介護主任も、人によってタイプは様々。
人を動かし意見を取り入れるのが上手い人、知識や経験で皆を引っ張るタイプなど…
リーダーの在り方、長所やカラーは多種多様ですね。
誰がリーダーかで、職場の雰囲気はかなり違ってきます。
それだけ影響が大きい存在ですので、やりがいもある仕事ですね。
辛かったら降りる事も可能ですし、チャンスがあれば1度挑戦するのも経験になるかと思います。
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