初めて介護夜勤に入る方へ、夜勤で大切な心構えを紹介。
仕事で特に覚えるべき内容、意識すべき動き方などをお伝えします。
介護夜勤ならではの特徴、注意点。
準備すべき事、勤務条件の細かな違い等も解説します。
初めての介護夜勤で大切な心構え
介護夜勤では、利用者の異変・危険リスクへの気付きが重要です。
巡視方法やオンコール連絡など、利用者の観察や緊急時の対応をよく確認しましょう。
慣れないうちは、少し早めの行動を心がける。
または申し送り中に指示を細かく仰いでおくと、いざという時の不安も少なくなります。
自分の体調管理にも、しっかり気を配る必要があります。
「緊急時の連絡方法」を学んでおく
介護夜勤では、利用者の体調不良や介護事故はつきもの。
いくら注意していても、避けられない事は多くあります。
介護施設の夜勤では、オンコール制度がある職場があります。
オンコールとは、施設看護師が夜間の電話連絡を受け付ける仕組み。
転倒や体調不良時などの相談が可能で、状況に応じた指示を仰ぐことができます。
オンコールの必要基準も確認
オンコールするにあたり、「連絡方法」「連絡が必要な基準」を理解しておきましょう。
連絡が必要な基準としては、よく下記ケースが挙げられます。
- 熱発や嘔吐
- 転倒
- SPO2の低下
これらがどの程度の時、連絡を必要とするかは職場で異なります。
「38度以上の熱発」「転倒による出血・頭部打撲」など…、
自分の職場の連絡基準について、よく理解しておきましょう。
熱発時のクーリング方法、嘔吐時の対応など、自分でできる事も周囲と確認しましょう。
⇒初心者介護士へオススメしたい本まとめ【介護の基礎技術・知識】
「巡視の重要性」を理解する
また体調不良やケガなど、利用者の変化にきちんと”気付く”事も重要です。
そこで大切になるのが、巡視です。
高齢者施設では、思わぬ方が体調不良を起こす事も珍しくありません。
大丈夫と思っても、しっかり観察する事が大切です。
⇒介護施設の夜勤の仕事内容を解説【巡視や排泄介助のポイント】
ただ巡視方法に関しては、安眠を妨げない事も大切。
相手によっては、遠目で姿を確認するぐらいが正しい事もあります。
相手や状態により取るべき方法も変わるので、先輩職員と巡視方法を話してみましょう。
「コール・センサー音」を常に意識する
夜間の就寝中でも、転倒リスクが高い方が動き出す事もあります。
そうした方には、離床を検知するためのセンサーが使用されます。
その他にも、トイレ介助を希望したり、自身の体調不良を知らせるナースコールもあります。
危険や特変を見逃さない為にも、センサー音やPHSのコール音は見逃さない様に注意。
「センサー受信機の側で待機する」等、センサー音に常に気付ける体制で臨みましょう。
危険リスクを考え「仕事の優先順位」をつける
危険リスクを見て、仕事の優先順位を立てる事も大切です。
その際は、声掛けや布団を掛けてから退室する等の配慮も必要です。
また注意が必要な方に限って、何人も同時に動きだす事もあります。
そうした時は、より転倒の危険が高い方へ駆けつける。
片方を寝かしつけ、もう片方のもとへ駆けつける等の方法があります。
少し早めの行動を心がける
慣れない環境の仕事では、焦りや不安も生まれがち。
特に初めての介護夜勤では、何にどれだけ時間がかかるか把握できません。
さらには、効率的な動きをする事も難しいです。
但し介助される側の気持ちも考え、あまりに早すぎる時間は避けて下さい。
あくまで常識的な範囲内で動きましょう。
夜勤帯の「申し送り方法」を覚える
介護夜勤では、他職員との申し送りも大切です。
体調不良者やその対応、便秘者への下剤指示など、夜間帯の指示があります。
また夜勤者は、朝礼などで夜勤帯の申し送りをする必要があります。
夜勤者の申し送り報告のテンプレとしては、下記ですね。
- 水分摂取量の少ない人
- 便秘者
- 状態報告(特変・熱発者など)
水分摂取量は、職場により800~1000ml程度をラインにしてます。
夜勤者はその日の水分トータルを計算し、基準値未満の方を翌日に報告します。
便秘者も、「-〇日目等の日数」や「下剤などの対応」。
夜間帯での排便の有無などを報告します。
不穏で寝てないなどの「その他特変」の報告ですね。
「日誌・ケース記録」の記入も忘れずに
介護日誌にも、夜勤者用の記入欄があります。
こうした報告事項は、日誌にも忘れずに記入。
ケース記録等にも、しっかり残すようにしておきましょう。
ぜひこの機会に意識してみて下さい。
申し送りを受ける時は「不安な事」をよく確認する
夜勤での出勤時には、日勤帯からの申し送りを受ける事になります。
- 体調不良者
- 下剤使用者
- その他夜勤者への指示
こうした要観察すべき事の連絡がある為、不安があればここで質問しましょう。
例えば、熱発者がいたとして、「熱がさらに上がったらどうすべきか」。
「検温はどのぐらいの頻度で行うべきか」など…予測される事態の指示をよく確認します。
夜勤前はどのぐらい睡眠をとる?
介護夜勤に入る時は、自身の体調管理も大切。
特に今まで夜勤をした事が無い方は、事前の睡眠時間も気になると思います。
正直な話「次の日が夜勤だから」と、すぐに生活リズムを変える事は難しいです。
普段のリズムを崩さずとも良いので、睡眠はしっかり取るよう注意しましょう。
あくまで私の場合ですが、夜勤前は夜更かしし、朝は遅く起きてます。
睡眠不足に注意し、気持ち遅めに起きるぐらいの感覚で十分です。
不調時は無理せず、欠勤連絡をしても構いません。
帰宅中の眠気に注意
もう1つ注意が必要な場面が、夜勤明けの帰宅中。
仕事が終わった安心感から、眠気が一気に襲ってきます。
特に車通勤の方は、事故に注意して下さい。
私も夜勤始めたての頃は、よくコンビニの駐車場で休んでました。
介護夜勤で準備すべき持ち物
介護夜勤での持ち物は、必需品は普段の仕事と変わりません。
それに加え、下記グッズを用意しておく事をオススメします。
- 夜食、飲料、眠気覚まし
- スマホの充電器
- 上着、仮眠グッズ
夜食と飲料は、言うまでもないですね。
特に16時間夜勤は長時間となるので、飲料はペットボトル2本分くらいあると安心です。
また施設の夜勤は冷えるので、深夜帯は上着が活躍します。
必要に応じ、カーディガンやブルゾンを用意しましょう。
スマホの充電器も持参すると、いざという時も安心ですね。
介護夜勤は実際どんな感じ?【大体の流れと雰囲気】
介護夜勤の雰囲気を知りたい方へ、仕事流れをざっくりと説明します。
下記は、介護夜勤のおおよその流れです。
18:00頃 | 夕食介助 |
---|---|
19:00頃 | 就寝介助 |
深夜帯 | 定時の巡視、オムツ交換 センサー・コール対応 |
7:00頃 | 起床介助 |
8:00頃 | 朝食介助 |
9:00頃 | 朝礼 |
このうち大変なのが、「夕食~就寝介助」と「起床介助~朝食」。
この2つが山場で、深夜帯は割と時間に余裕があります。
時間間隔としては、2~3時間置きといった感じです。
急な事故や不穏など、何もなければ深夜帯は意外と平和です。
逆に言えば、寝ない人や転倒リスクの高い人が多いと忙しくなります。
深夜帯は時間の余裕があり、朝食に向けた準備や雑務を行ったりもします。
初めての転職前に知りたい「介護夜勤のQ&A」
施設介護士へ転職するにあたり、夜勤の可否は正社員条件に影響します。
また勤務時間でシフト上の出勤日数が異なり、公休の扱い等にも違いがあるので注意。
さいごに、「転職活動前に知りたい介護夜勤の知識」を紹介します。
夜勤の有無と正社員採用
介護施設で正社員採用を得る場合、夜勤に入れることが条件である事が多め。
逆に言えば、フルタイムで夜勤に入れれば正社員採用は難しくありません。
パートなどの非常勤からでも、正社員に転向する事も可能です。
ただ近年は、フルタイムであれば夜勤なしで正社員採用がある施設もあります。
夜勤回数なども、融通が利く職場も出てきてます。
日勤帯のみで正社員採用がある職場もあるので、根気強く探してみましょう。
勤務時間の長さによる「夜勤明けの扱い」
介護夜勤の勤務時間には、大きく下記2種類があります。
- 8時間夜勤(ショート夜勤)
- 16時間夜勤(ロング夜勤)
この2つには勤務時間だけでなく、シフト上の出勤日数が異なります。
8時間夜勤は2日にまたがって働くものの、勤務時間は1日分。
「夜勤明け」の日が公休扱いとなります。
よって、夜勤明けの次の日に出勤となる可能性があります。
一般的には、夜勤明けの次の日は公休です。
夜勤時間が短い方が良いと思っても、思わぬ罠が潜んでるので注意。
両者の違いを理解したうえで、転職活動を行ってください。
「仮眠・休憩の有無」と「職員体制」
介護夜勤における、仮眠の有無と職員人数は職場で異なります。
職員数は少なくて1人、多い場合で3人程度。
仮眠休憩の時間は、1~2時間である事が一般的です。
ここで注意したいのが、1人夜勤の職場。
交代の職員がおらず、下手すると休憩が取れない職場もあります。
待機時間も厳密には仕事ですので、自由な休憩は取りにくい職場ですね。
⇒介護の1人夜勤はキツイ!休憩が取れないワンオペ夜勤の実態と問題点
ワンオペ夜勤の職場は、小規模やユニット型の施設が中心です。
例を挙げると、グループホームやユニット型特養ですね。
休憩や仮眠の有無については、必ず確認する様にして下さい。
さいごに
初めての介護夜勤は、不安と眠気との闘いです。
思わぬ熱発や転倒などで、パニックになってしまう事もあるでしょう。
オンコール連絡も勇気が要ると思いますが、悩んだら連絡して構いません。
必要なかった場合、次回の対応に活かせばOK。
もし介護夜勤に対する不安が強い場合、相談できる相手を持つのが1番です。
他職員と夜勤中の疑問を相談したり、2人夜勤の職場に転職する等です。
もし転職活動中であれば、夜勤中も他職員と働ける職場がオススメ。
ただ求人のみでは、夜勤中の職員数が把握できない事もあります。
より万全を期すのであれば、転職エージェントへ相談するのも有効です。
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